2年 化学TB 資料24 酸化還元反応
2年 組 番 ( )
酸化と還元
化学反応が起こるときの電子の授受について
酸素の授受
物質が酸素と反応したとき、その物質は酸化されたといい、
物質が酸素を失ったとき、その物質は還元されたという。
銅線Cuを空気中で加熱すると、表面に黒い酸化銅(U)CuOができる。
Cu + O2 → 2CuO
酸化銅(U)CuOの粉末を、乾いた水素ガスを送りながら加熱すると、金属銅に戻る。
CuO + H2 → Cu + H2O
水素の授受
物質が水素を失ったとき、その物質は酸化されたといい、
物質が水素と化合したとき、その物質は還元されたという。
温泉地や火山付近には、吹き出した硫化水素H2Sが空気中の酸素と反応して、
硫黄S(「湯の花」)ができる。
2H2S + O2 → 2S + 2H2O
この反応で硫化水素は、酸素と反応しているから酸化されたことになる。
一方これは、H2Sが水素Hを失う反応でもある。
電子の授受
上の Cu + O2 → 2CuO の反応で、できる酸化銅(U)は、Cu2+イオンとO2−イオンから成るイオン結晶である。つまり、この反応は、銅が1原子あたり2個の電子を失い、酸素が1原子あたり2個の電子を得た反応、とみなすことができる。
2Cu → 2Cu2+ + 4e−
また、上の CuO + H2 → Cu + H2O の反応(酸化銅(U)の還元)で、銅(U)イオンは電子を得て銅原子に変化している(Cu2++ 2e−→ Cu)。
このように、電子の授受に注目すれば、原子やイオンの酸化・還元は、酸素や水素という特定の元素を考えなくても次のように定義できる。
「原子が電子を失ったとき、その原子は酸化されたことになり、
原子が電子を得たとき、その原子は還元されたことになる。」
ある原子が酸化・還元されたときには、その原子を含む物質が、酸化・還元されたという。
また、ある物質中の原子が電子を失ったら、必ず他の物質中の原子がその電子を受け取っているので、酸化と還元は常に同時に起こる。
そのため、電子の授受を伴う化学反応を、( 酸化還元反応 )という。
酸化数
イオン結合の物質では、電子の授受と酸化・還元の関係がわかりやすい。
しかし、 硫化水素H2S と 酸素O2 との反応のように、分子どうしの間で起こる酸化還元反応では、電子の授受の関係がわかりにくい。
原子やイオンの酸化の程度を表す数値を決め、この数値の変化で酸化還元反応を考えると、物質の酸化還元が理解しやすくなる。このような数値を ( 酸化数 ) という。
規則
例 ( )内は酸化数を示す。 原子によっては、いくつかの酸化数をとりうるものがある。
硫黄Sの酸化数 硫化水素H2Sで −
酸化・還元と酸化数
物質中の原子の酸化数は、物質が酸化されると増加し、還元されると減少する。
(−
2) (0)硫化水素H2Sが酸化され、酸素O2が還元されたことになる。
化学反応において、ある物質が酸化されたか還元されたかを判定するには、その物質中の原子の酸化数がどのように変化したかを調べればよい。酸化数が変化していない原子は、酸化も還元もされていない。