2年化学TB 資料20 酸と塩基
2年 組 番( )
酸と塩基の反応
酸と塩基
身近にある酸や塩基の性質は何によって決まるのか。
酸性と塩基性
レモンのしぼり汁、食酢、薄い塩酸など
酸味を示し、青色リトマス紙を赤くする。→( 酸性 )を示す物質( 酸 )
水酸化ナトリウム、アンモニア水、石鹸水
苦味を示し、赤色リトマス紙を青くする。酸の性質を打ち消す
→( 塩基性 )を示す物質( 塩基 )
塩基のうちで水に溶けやすいものを( アルカリ )、水溶液の性質を( アルカリ性 )
酸性と水素イオン
塩化水素の水溶液(塩酸)の中
HCl → H+ + Cl−
酸性は、水素イオン(プロトン)H+のはたらきで現れる性質であり、電離してH+を生じる物質が酸である。
生じたH+は水分子と結合してオキソニウムイオンH3O+になる。
HCl + H2O → H3O+ + Cl−
酢酸CH3COOHは水溶液中で、
CH3COOH → H+ + CH3COO−
酸・塩基の定義
<アレーニウスの定義> 1887年
「酸は水溶液中で電離して水素イオンH+を生じる物質であり、
塩基は水溶液中で電離して水酸化物イオンOH−を生じる物質である。」
塩化水素や塩酸は、水中で電離してH+を生じるから酸である。
水酸化ナトリウムNaOHは、水溶液中で電離してOH−を生じるから塩基(アルカリ)である。
<ブレンステッドの定義> 1923年
「酸は水素イオンを放出する物質であり、
塩基は水素イオンを受けとる物質である。」
たとえば、アンモニアNH3は分子内にOH−をもたないが、水に溶けると水H2Oと反応し、次のように電離するので塩基性を示す。
NH3 + H2O → NH4+ + OH−
ブレンステッドの定義によると、塩基であるNH3が、酸であるH2Oから水素イオンH+を受け取る反応とみなされる。
H+やOH−が存在しない気体中で起こる反応も、酸と塩基の反応として統一的に説明できる。
HCl + NH3 → NH4Cl
(酸) (塩基)
酸・塩基の価数
酸が完全に電離したと仮定した場合、に酸1molが出しうるH+の物質量の数値を
( 酸の価数 )といい、1価の酸、2価の酸、・・・とよぶ。
1価の酸 HCl CH3COOH
2価の酸 H2SO4
H2SO4 → H+ + HSO4−
HSO4− → H+ + SO42−
塩基が完全に電離したとき塩基1molが出しうるOH−の物質量の値を
( 塩基の価数 )という。
1価の塩基 NH3、NaOH
2価の塩基 Ba(OH)2
酸・塩基の強弱
同じ濃度 0.10mol/lの塩酸 >> 0.10mol/l酢酸水溶液
塩酸のほうが水に溶けた酸の全量のうち、H+と陰イオンに電離している割合が大きいからである。
この割合を( 電離度 )という。
1価の酸の電離度は次式で表され、最大値は1である。
α=電離した酸の物質量(または濃度) / 溶かした酸の物質量(または濃度)
電離度が1に近い酸・塩基を、それぞれ( 強酸 )・( 強塩基 )という。
強酸・・・塩化水素HCl、硝酸HNO3、硫酸H2SO4など
強塩基・・・水酸化ナトリウムNaOH、水酸化カリウムKOH、水酸化カルシウムCa(OH)2など
電離度が1よりずっと小さい酸・塩基を、それぞれ( 弱酸 )・( 弱塩基 )という。
たとえば、25℃のとき、0.1mol/lでの電離度は、酢酸CH3COOHで約0.16、
アンモニアNH3で約0.013となる。
一般に弱酸や弱塩基の電離度は、濃度が低いほど大きい。