2年化学 資料 測定値と近似計算

  2年    組    番 氏名(                                   )

測定値と誤差

ものさしやばねばかりなどで、長さや重さなどを測定するとき、ふつう、最小目盛の1/10まで目分量で読む。いま、最小目盛が1mmのものさしで、針の長さを測定し、48.6mmという値を得たとしよう。これが測定値であるが、これは必ずしも真の値とはいえない。測定値から真の値を引いたものを、測定値の誤差という。

有効数字

この測定で、誤差が生じる原因としては、まず、ものさしの目盛が正確でないことがあげられる。この誤差は、正しい目盛のものさしと比べて補正することができる。

また、正しい目盛のものさしを用いたとしても、測定者の目盛を読むときのくせや、ものさしのあてかたの手加減によって誤差が生じる。たとえば、上記の針の長さの測定値48.6mmが、正しい目盛のものさしを用いて得られたとしよう。この場合でも、最後の桁の6という数は、目分量で読んだため、多少不確実である。その誤差は、±0.05mm程度と考えてよいから、針の長さの真の値mm)は、

48.55≦<48.65

であると考えられる。すなわち、48.6という数字は、4も8も6もすべて意味をもっているので、有効数字とよばれる。そして、この例では、有効数字の桁数は3桁であるという。

有効数字の表しかた

有効数字の桁数を明確に表記するには、測定値を整数部分が1桁の小数にし、それに10の累乗を掛けて表す。例えば、ある棒の長さを測定して120cmを得たとしよう。この測定値の

 有効数字が2桁であれば、1.2×10cmと表し、

 有効数字が3桁であれば、1.20×10cmと表す。

測定値の計算

有効数字の桁数がふぞろいな測定値を用いて計算する場合には、誤差の程度を考えて計算しないと、無意味な結果となる。

 たし算と引き算

たとえば、2つの測定値21.6cmと0.54cmの和を求めるとき、そのまま加えて、22.14cmとしてよいだろうか。21.6の値には±0.05cm程度の誤差が考えられる。22.14の末位の4(0.04cm)より誤差のほうが大きいから、この場合、末位の4は無意味な数字となる。したがって、

 測定値の和や差を計算するときには、位取りの高いものにあわせて、その値の測定値の端数を適当に省略する。

たとえば、21.6cmと0.54cmの和は、次のように計算する。

 21.6 + 0.5 = 22.1〔cm〕

  かけ算と割り算

いま、最小目盛が1mmのものさしで、長方形の縦・横の長さを測定して、縦83.2mm、横7.4mmを得たとしよう。これをそのまま用いて長方形の面積Sを求めると、S=83.2×7.4=615.68〔mm〕となる。

しかし、縦・横の測定値には、ともに±0.05mm程度の誤差が考えられるから、面積Sの真の値は、次の範囲内にあるといえる。

(83.2−0.05)×(7.4−0.05)≦ S <(83.2+0.05)×(7.4+0.05)

         よって、 611.1525≦ S < 620.2125

 すなわち、面積Sとして確実なのは最初の1桁だけで、2桁目はすでに多少疑問があり、3桁目以下は無意味な数字である。したがって、この面積の値としては2桁で十分であり、3桁目を四捨五入して、

S=6.2×10mm〕 とすればよい。一般に、

 測定値のかけ算や割り算をするときには、有効数字の桁数の最も少ないものより1桁多く計算し、最後の桁の数字を四捨五入する。

これを割り算の例で考えてみよう。244÷31を下のように計算したとしよう。?のところから0をおろしてきても、それは無意味である。?のところは、0であるか他の数であるかわからない。したがって、一般に、被除数の切れるところまでで計算をとめるのが妥当である。すなわち、この例では、

244÷31=7.9 とすればよい。