2年 化学TB 資料18 溶液の性質 希薄溶液の性質
2年 組 番 ( )
希薄溶液の性質
溶液の濃度 一定量の溶液にどれだけ溶質が含まれているかを、溶液の ( 濃度 )という。
《質量パーセント濃度》 溶質の質量を、溶液の質量に対する百分率として表した数値で、記号%を用いて示す。
質量パーセント濃度〔%〕=
×100
《モル濃度》 溶液1
l 中に溶けている溶質の物質量〔mol〕、単位記号mol/ l を用いる。問 水
90.0gに、塩化ナトリウム10.0gを溶かした溶液(密度1.07g/cm3)の質量パーセント濃度とモル濃度はそれぞれいくらか。
沸点上昇
不揮発性物質を溶かした溶液の沸点は、溶媒の沸点よりも高くなる。この現象を ( 沸点上昇 )といい、溶液と溶媒との沸点の差Δtb を ( 沸点上昇度 )とよぶ。
例 1atmのもとで、ショ糖0.1molを水1kgに溶かした水溶液は、純粋な水より0.052℃高い温度にならないと沸騰しない。
純粋な液体は、温度によって決まった蒸気圧を示すが、これに不揮発性の物質溶かして溶液にすると、同一温度の溶媒よりも蒸気圧が低くなる。このため、溶液の沸点(蒸気圧と大気圧が等しくなる温度)が、純粋な溶媒の沸点より高くなる。
凝固点降下
不揮発性物質が溶けた溶液の凝固点は、溶媒の凝固点より低くなる。この現象を ( 凝固点降下 )、溶媒と溶液との凝固点の差Δtf を ( 凝固点降下度 )という。
沸点上昇度Δtb と凝固点降下度Δtf は、溶媒1kg中に溶けた溶質の物質量〔mol〕に比例する。
また、溶質が何であってもΔtb とΔtb は、溶媒の種類によって一定値に決まる。
溶媒 |
沸点〔℃〕 |
Δtb〔 K〕 |
凝固点〔℃〕 |
Δtf〔 K〕 |
水 |
100 |
0.52 |
0 |
1.86 |
ベンゼン |
80.2 |
2.54 |
5.5 |
5.07 |
酢酸 |
118.5 |
3.08 |
16.6 |
3.9 |
ナフタレン |
218 |
5.80 |
79.3 |
6.9 |
ショウノウ |
204 |
6.09 |
180 |
40 |
溶媒1kgあたり溶質1molを溶かしたと仮定したときの値
半透膜
水分子や小さな溶質分子は通すが、ある程度以上大きい溶質粒子は通さない性質をもった膜を ( 半透膜 ) という。半透膜には、赤血球の膜(細胞膜)やセロハン膜や動物のぼうこう膜がある。
例 赤血球を濃いショ糖水溶液に入れると、赤血球が縮む。一方、純水に入れると膨張し、破裂する。
浸透圧
半透膜をガラス管の下端に張り、これを水に沈めて、外の液面の高さまでガラス管内にショ糖水溶液を入れる。ガラス管の外の水分子は、管内のショ糖水溶液を薄めようとして、半透膜の穴からガラス管内に入ってくる。この現象を ( 浸透 )という。
液面の差がある値hになったところで浸透が停止する。高さhの液柱に相当する圧力を、このとき管内にあるショ糖水溶液の ( 浸透圧 )という。
ファントホッフの法則(1885年)
希薄溶液の浸透圧は、溶液のモル濃度〔
mol/ l 〕と絶対温度T〔K〕に比例し、比例定数は気体定数Rに等しい。溶液の体積V〔
l 〕、溶液に含まれる溶質の物質量をn〔mol〕とすれば、浸透圧とV,n,R,Tの関係は、気体の状態方程式と同じ形の式に従う。浸透圧に関する ( ファントホッフの法則 )という。