2年 化学TB 資料17 溶液の性質 溶解度

  2年    組    番 (                             )

溶解度

飽和溶液

 一定温度で、一定量の液体にとける物質の量には限界がある。この限界の量を ( 溶解度 )という。
限界まで溶質が溶けた溶液を ( 飽和溶液 )という。

  ☆ 飽和溶液では 溶け出る量と 結晶表面に戻る量は等しい。 

固体の溶解度

  普通、100gの溶媒に溶け込む溶質の質量(g単位)の数値で表す。
溶媒が水の場合、温度が高いほど溶解度の大きい物質が多い。
 溶解度と温度との関係を表したグラフを ( 溶解度曲線 )という。

温度(℃)

塩化ナトリウムNaCl

塩化カリウム

KCl

硝酸カリウム

KNO

硫酸銅(U)

CuSO

ホウ酸

BO

ショ糖

122211

水酸化カルシウム

Ca(OH)

35.7

28.1

13.3

14.0

2.77

 

0.172

20

35.8

34.2

31.6

20.2

4.88

198

0.155

40

36.3

40.1

63.9

28.7

8.90

235

0.132

60

37.1

45.8

109

39.9

14.9

287

0.108

80

38.0

51.3

169

56.0

23.5

365

0.085

100

39.3

56.3

245

77.0

38.0

492

0.069

 

 

 

 

 

 

 

 


硫酸銅(U)水溶液から結晶させて得られるのは青色の五水和物CuSO・5HOであるが、溶解度は
一般に無水塩の質量(g)の数値で表す。
 Ca(OH)は、温度が低いほど水への溶解度が大きい、例外的な固体条件の1つである。

 

例題 60℃のホウ酸の飽和水溶液200gは、何gのホウ酸を含むか。
   60℃のホウ酸の溶解度は14.9である。

解 60℃のホウ酸の飽和水溶液(100+14.9)g中にホウ酸が14.9g含まれている。
  したがって、
  溶液200g中のホウ酸は               答 25.9g

再結晶

 高温になるほど溶解度の大きい固体では、
飽和に近い高温の溶液を冷やしていくと、⇒溶解度を超えた分だけが固体として析出してくる。

 例: 硝酸カリウムと塩化カリウムの混合物の場合
 高温の水に溶かして冷却すると、溶解度の差の大きい硝酸カリウムだけが、純粋な結晶として析出する。
 上の現象を利用して物質を精製する操作を、( 再結晶 )という。

気体の溶解度

気体の溶解度は、1atmの気体が溶媒と接しているとき、溶媒1ml中に溶け込む気体の体積〔ml〕を、
標準状態での体積に換算して表すことが多い。

 気体の溶解度は、一般に高温になるほど小さくなく。

 ☆温度が高いと、溶媒分子や溶けた気体分子の熱運動が激しいため、気体分子が溶液中から空間へ飛び出しやすいから。

気体

0℃

20℃

40℃

60℃

80℃

窒素 N

0.024

0.016

0.012

0.010

0.0096

酸素 O

0.049

0.031

0.023

0.019

0.018

二酸化炭素CO

1.71

0.88

0.53

0.36

 

塩化水素 HCl

507

442

386

339

 

アンモニアNH

1176

702

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  アンモニアや塩化水素は水と反応して、次のように電離する。
   NH + HO → NH +OH
   HCl + HO → H + Cl

気体の溶解度と圧力

 溶解度が小さく、溶媒と反応しない気体の場合

  「一定温度で一定量の溶媒に溶ける気体の質量は、溶媒に接しているその気体の圧力に比例する。

   ヘンリーの法則(1803年

混合気体の溶解

  各成分気体の溶解度(質量)は、空気全体の圧力(全圧)ではなく、それぞれの分圧に比例する。

 

例題 空気を体積比4:1の窒素と酸素の混合気体とみなせば、20℃、2.0atmの空気と接して
   いる水10 
l には、酸素と窒素がそれぞれ何gずつ溶けているか。上の表を参照して求めよ。

解 1.0atmの窒素と1.0atmの酸素は、10 l (10ml)の水にそれぞれ
  標準状態で0.016×10=160ml、0.031×10=310ml溶ける。
  質量になおすと、窒素は〔g〕、酸素は〔g〕となる。
 2.0atmの空気中の窒素の分圧は〔atm〕、酸素の分圧は〔atm〕
 であるから、溶解する気体の質量は次のとおりである。

  窒素 0.20×1.6=0.32〔g〕、 酸素 0.44×0.40=0.18〔g〕

                                   答 窒素 0.32g 、酸素 0.18g