ついにやってしまいました。ブーメランの授業。
1時間ブーメランづくし。その歴史から、飛ばし方、競技まで。
では、はじめましょう。
ブーメランの歴史
ブーメランというとまず何を思い浮かべるでしょうか。
おそらく、オーストラリアの原住民アボリジニの狩猟道具。投げたら戻ってくる。
「ブーメラン、ブーメラン、きっとあなたは…」とか思った人もいるでしょうか。
調べたところによると、
オーストラリアの原住民アボリジニの狩猟道具として、ブーメランの原型として誕生したそうです。と思った人もいるでしょうが、ブーメランは、世界中いたるところで、発見されています。例えば、アメリカ南西部のインディアンはうさぎ狩りに使用していたし、ツタンカーメンの墓にも、他の装飾品と一緒に埋葬されていたらしい。もともとは、戻ってこないこれらのブーメランが始まりだったようです。
狩猟用として発達していった。逃げ足の速い獲物、近づくと危険な獲物を傷付けて、捕らえる。これが、ブーメランの原型だったようです。オーストラリアで最古のブーメランは、1万1千年から1万5千年の頃のものでした。
ブーメランの形(二枚翼の場合)は、図のとおり。
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断面は上と下ではちょっと違っています。でも、ちょうど飛行機の翼のような形をしています。 |
飛行機の翼は、断面を見ると、流線型(ティアドロップ型)をしていて、翼の上と下の空気の流れが異なることによって揚力を出しています。翼の上では、曲線を空気が流れるので、流れる空気の量が下よりも多くなり、流れる空気の量の差により上向きの揚力が生じます。 | ![]() |
ブーメランにあたる空気の流れる方向に注意して見ると、ほら、飛行機の翼と同じような形をしているということになります。ブーメランが反時計回り(左回り)しているとすれば、 | ![]() |
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上側は左側がふくらんでいるし、下側は右側がふくらんだ形をしているのです。これは、右利き用のブーメランです。左利き用のブーメラン(左手で投げるもの)は、上下の形が逆の形をしています。 |
ブーメランの飛び方
自分は右利きなので、右利き用のブーメランの飛び方を説明します。
まず、水平方向の動きです。割合まっすぐに飛んでいって、徐々に左旋回をはじめます。それで、最遠部まで飛んでいって、今度は左旋回しながら、投げた人のところに戻ってくる。というわけです。そのとき、ブーメランの垂直方向の動きは、まず、まっすぐ立てた状態で投げ出され、徐々に右に傾いていき、再遠部でほぼ水平になり、今度は水平に近い状態で戻ってくる。というわけです。 | ![]() |
さて、そろそろブーメランが投げたくなってきたでしょう。それでは、次に投げ方について説明します。
ブーメランの投げ方
風の向きに気をつかいながら、投げないと戻ってくる筈のブーメランも戻ってこずに、結構遠くに飛んでいってしまいます。投げ出すときの向きに注意しないと、ブーメランがはるか上空に舞い上がり、そのまま墜落してしまって、大切なブーメランが真っ二つに壊れてしまいます。
じゃあどうすれば良いかというと、まあ、落ち着いて、しっかりとマスターしましょう。
風がふいているときは、12時の方向から風がふいてくるように風に向かって立ち、そこから2時の方向に体の向きを変え、左頬で風を感じるように立ち直して、まっすぐに投げ出す。投げ出す時の角度は、水平よりやや上向き5°〜15°位上をねらって投げ出すようにする。風向きに十分注意して投げられればもう完璧に近い。
風がほとんどない時は、水平面は気にせず、垂直方向の角度を調整して投げ出す。まあだいたい10°前後に投げ出すような気持ちで投げれば良いでしょう。風の強いときは、気持ち低めをねらって投げると良いでしょう。ただし、あまりにも強風の時には、無駄な努力をせずに、ブーメラン投げはあきらめましょう。
そんな時は、メンタル・トレーニングでもして下さい。
一度でも、自分の手元に戻ってきたら、もう病み付き間違いなしです。その感覚を忘れずにトライ・アンド・エラーで頑張って下さい。
ブーメランの競技種目
ブーメランはブーメランでも、競技用のスポーツ・ブーメランというものがあります。
どんな競技があるのか、というと次のようなものです。
ブーメランの公式のコートは次のようになっています。
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中心に半径2mの円があって10mまで2mおきに同心円があり、 その外側に10mごとに50mまで、同心円があります。 競技者は、中心の2mの円から投げます。 |
1.
正確さ種目(アキュラシー)2
.ファーストキャッチ3
.滞空時間(MTA)種目4.オーストラリアン ラウンド
飛行距離、正確さ、キャッチとブーメランの三要素を網羅した種目。
できるだけ遠くまで飛ばし、できるだけ中心でキャッチする。
50メートル以上飛行して2メートルの円内でキャッチした場合は20点。一人5回ブーメランを投げて合計点数で順位をつける。世界記録は92点。
5.トリックキャッチ
自由キャッチ、右手キャッチ、左手キャッチ、背中キャッチ、股下キャッチ、足キャッチの6種目。
最後に
さて、本当にそろそろ、ブーメランが投げたくなってきたでしょう。それでは、ブーメランを投げるときの注意点をいくつか挙げておきます。各人が細心の注意をして、くれぐれもケガのないように、ブーメランを楽しみましょう。
1. ブーメランの飛行距離を考えて、それだけの距離内に障害物がないところで行う。どちらの方向にも投げられるように、最低でも100m四方の場所。
2. 決して一人では、行わない。仲間と一緒に楽しむ。また、一人だけでやっていると、根暗と思われるかもしれないし、一人だと長続きせず、飽きてしまう。これでは、上達しない。
3. 投げたブーメランは、責任を持って必ず取るようにする。でも、もし、取れない時は、飛行軌跡を責任を持って監視する。人にケガをさせない。誤って、他の人にぶつかりそうになったら、大声で危険を知らせる。避けてもらう努力をおしまない。
4. 投げる前には、十分にストレッチ等の準備運動を行う。レクリエーションでケガをしたら元も子もない。また、服装に気をつける。
5. あまり、派手な服装は避ける。ちょっと地味めの服装が見る人を楽しませてくれる。
6. ギャラリーに関心を向け、ファンサービスに心がける。キャッチしたときには、派手なアクションを起こし、ギャラリーとともに喜ぶ。
7. ブーメラン投げを、楽しむ。
以上
ブーメラン・ライフを十分に満喫してください。