化学TB 資料   年   組   番(                  )

合金について

銅の合金

10円玉 亜鉛3〜4% 錫(すず)1〜2%
5円玉  亜鉛30〜40%
100円玉 銅75% ニッケル25%

 金属は、純粋で使うより、合金として使う場合が多い。その理由は、合金にすることによって、単独の場合より、さまざまなちがった性質のものを得ることができるからで
ある。大別して、次のような方向がある。

 @ 耐蝕性を増す。 金属の大きな欠点の一つは、空気中や水中でさびることである。それを防ぐため、耐蝕性の強い合金が作られる。
 たとえば、ステンレスは鉄にニッケル、 クロムを混ぜたもので、鉄よりはるかにさびくい。

 A 強度を大きくする。 銅はやわらかいが、 シンチュウにすると硬く、 表面が傷つきにくくなる。アルミニウムに銅、マンガン、マグネシウムを加えたジュラルミンは、 軽
くて丈夫なので航空機の材料となる。

 B 物理的性質を変える。 ハンダ (錫と鉛の合金)は融点が低く、 ハンダづけによい。ニクロム(ニッケル、クロム、鉄)は、電気抵抗が大きいので電熱線に。 KS鋼は強
い磁性をもつ。 融点 鉛327℃ 錫232℃ はんだ(鉛:錫)5:5で205℃ 6:4で248℃
           銅1085℃    青銅(銅:錫)3:1 約800℃

 C 色、光沢を変える。シンチュウ、青銅(銅と錫)、洋銀 (銅、亜鉛、ニッケル)など、美しい色と光沢で装飾品に使われる。

トタンとブリキについて

 トタンの語源はポルトガル語のtutanaga、ブリキはオランダ語のblikだといわれている。
 ブリキは、鉄の表面に錫をメッキしたものである。錫は化学的に鉄より不活発なのでさびにくいし、光沢がきれいで、鉄の保護膜としての役割を果たす。

 トタンは、鉄に亜鉛をメッキしたものである。亜鉛は化学的には鉄より活発だから、一見、鉄の錆止めにはならないように思われる。ところが、亜鉛の表面にできる錆は、鉄の錆のようにガサガサでなく、ち密なので、錆が深く進行することを防ぐ。また、亜鉛の錆は色が白いので、鉄の赤錆のように目立たない。

 銅板と亜鉛板を希硫酸の中に入れると、銅板がプラス、亜鉛板がマイナスの電極となって電池が形成される。(ボルタの電池)
 トタン板に小さな傷がつき、そこに水がついたとすると、水の中には炭酸ガスが溶けているので、電池が形成される。

そこで、マイナス極になった方の亜鉛が溶け出し、鉄は守られてさびにくくなる。ブリキの場合、錫は鉄より反応性が小さいので電池を形成したときにプラス極になり、鉄の方がマイナス極となって溶けやすくなる。つまり、鉄板は錫があるとよけいにさびやすく
なるのである。だから、ブリキは戸外では使わない。短期間使うだけの石油缶や、室内に置く茶筒などに、表面のきれいなブリキが使われる。