サマースクールダイアリー
レッスン編

   
受講生が泊まったホテル、大食堂もこっち 

8月3日(金)

福田先生のレッスン

いよいよ福田さんのレッスンがはじまる。レッスン室は福田先生だけ大部屋。ホテルに着いて一番最初ということもあってかレッスン室に入るとまだ福田先生一人。イスに座るなりギター何使っているの?と聞かれハウザー3世と説明し楽器を見ていただく。プロアルテのハードテンションを張っていたが、低音は良いけど高音弦はもっと細い張りの弱い弦を使った方が音色が甘くなって良いとのこと。今の弦では折角の音が死んでしまうそうだ。早速帰ったら試してみたい。

バッハのフーガの譜面を取り出すと、福田さんいわくこの曲は、よく生徒さんが持ってくるんだけど僕はやったことがないんだよねとのこと。まず通して弾いてといわれ弾き始める。
以下福田さんのアドバイス、語録・・・

バッハは語るように、しゃべるように演奏する。
フレージング、呼吸が無いので坊主のお経みたいだといわれフレーズごとに区切って弾く練習を行った。小節の頭がフレーズの切れ目/終りである点に注意。しばらくこれを繰り返し慣れたらインテンポでと、リュートの4番プレリュードを例にとって説明、演奏していただく。最後に(そうやって弾くこと考えると)難しいでしょとの弁。(^_^;)
アポジャトゥーラについて〜短調と長調のように色彩感がはっきりと区別出来る場合はいいが、同系等の色が微妙に変化するような場合は、色と色の間に線を入れてやればよい。絶妙な例えだが実践するのはどうしたものか(ーー;)
持参した楽譜の記譜ミスが多く、他の楽譜で練習した方が良い。明らかに音が間違っている箇所が何箇所もある。現代ギターの付録の楽譜だったんだけど(・・;)
同じ音が続く時は違って弾く。歌い方は自由。好きなように弾いてごらんというと大抵日本人はどうしてよいか分からず弾けなくなってしまう。それが出来ないと留学などいくらしても駄目。(どうしてそんな話になったんだか分からないけどどうも安易に留学する昨今の風潮に批判を持っておられるのかもしれない)
私の爪の病気を見てフェルナンデスも同じ病気で18年間悩んでいたという話を伺った。19世紀ギターで指頭で練習したらどうかとのアドバイス。その際右手の指は弦をしっかりつかんで弾く練習をすること。
練習の仕方について〜プラモデルを組み立てる時のことを考えると良い。全部部品をばらばらにして一気に作ろうとしても上手く行かないが、パーツごとに部品を寄せ集めて作っていくと全体も間違いなく組みあがる。
ギターの練習でもパーツごと切って練習することは重要。福田さん自身どうしてそんなに沢山レパートリーがあるのかとよく聞かれるが、それもこれも普段からパーツ毎に練習する癖をつけているから。パーツ毎に弾いておけば後は組み立てるだけ。アマチュアの人は最初の内はなんとか弾けても最後の方がへたくそな人が多い。それも全体を通す練習ばかりしてしまうからだ。つっかえるとそこから先へ進めなくなってしまう為。難所だけピックアップして練習しておけばあとは全体を通してもそれ程つかえることは無い。
楽曲の分析、勉強が大切。勉強することはもの凄く沢山ある。
それにしてもギャラリーがいると練習の緊張感も格別(^_^;)

河野智美さんのレッスンを見学して

どんなイメージで弾いているか?例えば朝なのか昼なのか夜なのか・・
低音は強めに弾く(人間の耳には低音は聞こえにくいからバランス上)
ハーモニックスの弾き方〜ダイヤを渡すように(ダイヤを無造作に渡すことはない。大切に相手に渡す)
演奏のレベルの3段階〜@きちんと弾ける、A面白く弾ける、B内容がある。(かなりハイレベルな段階)

斎藤さんのレッスンを見学して

ファンダンゴは擬古典主義、スカルラッティを弾くみたいに演奏したら良い。

藤井敬吾先生のレッスン風景から

楽譜に無い音をどんどんイマジネーションを働かせて加えていく技は凄い。
左右の神経の独立性をみるのに右手で早いアルペジオを弾きながら左手でじゃんけんをすると独立性が不十分だとアルペジオが止まってしまう。

渋谷環先生のレッスン風景から
音の質感に対するこだわりが凄い。単なるハードソフトだけでなくタッチの角度や深さ、浅さ等楽曲の中での使い分けを大切に教えておられたのが印象的。

8月4日(土)

稲垣先生のレッスン

ディアンスのインディアを用意してきたがディアンスはやったことがないので別の曲にして欲しいといわれ今回もバッハのフーガで受講した。時間が余ったのでバイスのパッサカリアをみていただく。
フーガの楽譜の間違いを指摘していただく。パッサカリアはアレンジが多数あり出だしだけでも3通り弾いて頂く。
トリルはスラーか復弦かどちらか統一すべき。
声部の流れを大切にする為、出来るだけオクターブで音が上下しないように弾く。
エコーでは最初〜ハード(f)、2回目繰り返し〜ソフト(p)
復弦スラーの演奏法、リュートストッパー(パッサカリアで使用)の特殊奏法の演奏法を教えて頂く。目の前で稲垣さんのテクニックを拝見し唖然。どんなに難しくても乱れない、音が汚くならない手品のような指。
ディアンスの演奏で苦労しているチョーキングについて良い練習法が無いか伺った所、昔僕はエレキやってたんだよってベンチャーズを弾いて下さった。(・・;)

高田先生のレッスン風景から

いかにミスを減らすか?原因把握を容易にし、ミスを繰り返さない方法としてのカルレバーロ奏法のレクチャーが興味深かった。マクドナルド奏法のネーミングには思わず笑い。

桜井GG社長によるギタークリニック

ハウザーをチェックして頂き、弦の張り方(特に糸巻き側に新たな発見・・オイラが知らなかっただけかも^^;)等基本的なことを改めて教えて頂き大変有意義だった。それからナットの溝の3弦と6弦の切り方が二重になっている点を発見して頂き、溝も削り直して頂いたのは大きな収穫。でもナットをそっくり取り替えた方が良いとのことでしたので今度お願いしようかと思う。ついでに昔の河野ギターも修理して頂こうかな・・。(ハウザーの)作りはしっかりした仕事だと仰って頂き一安心。音も気のせいかちょっぴり良くなったような気がしてとても嬉しい。(^^ゞ 桜井さん、本当に有難うございました。




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