■□■□■ 我が国自動販売機の最初期の特許(オロモルフ)■□■□■

日本の自動販売機は世界に冠たる性能を持ち、普及率も米国を凌駕して世界一です。
輸出も大量になされていると思います。
ロボットとも共通する性質を持っていて、日本のお家芸です。
近代的な自販機が街に溢れるようになったのはこの数十年のことですが、その萌芽は古く明治時代にまでさかのぼります。
日本に特許制度が出来たのは明治18年ですが、そのすぐあとで、自販機の特許が出願されています。
最初期の自販機特許を三件見つけましたので、ご紹介いたします。

特許第848号:小野秀三『自動販賣器』明治21年3月27日出願/明治23年3月6日登録。

特許第964号:俵谷高七『自動販賣機』明治21年12月28日出願/明治23年9月30日登録。

特許第1087号:田部井元三郎『自賣器』明治23年12月12日出願/明治24年2月24日登録。

文章は分かりにくいので、図面のみをUPしました。

自販機は、コインの金額を正確に計り、かつ贋物を見分ける必要がありますから、相当精密な機構が必要です。
コインの大小軽重を自動的に見分ける機構は、そう簡単に出来るものではありません。
上記三件のうち上の二件は、現在の専門家も高く評価している発明だそうです。
また下の一件は、当時よく使われた一銭銅貨と江戸時代からあった小銭とを見分ける工夫をしたもののようです。

このような自動化機械は、機械工学や電気工学の発展がないと、アイディアだけでは実用化できませんし、コストや需要の問題もありますから、良い特許が出来たからすぐに普及するというものではなく、長い年月の試行錯誤が必要です。
つまり、現在の世界一の日本の自販機の背後には、明治以来の日本人の発明と努力の蓄積があったという事です。

何事も一朝一夕には成りませんが、技術も同じです。
平成に入ってからの日本技術は多くの分野で世界一になりましたが、それは、明治以来の(さらに言えば江戸時代やその前からの)技術の蓄積があったからこそだと思います。
戦後の技術の発展も同様で、単にアメリカ技術を導入したからではありません。
アメリカとの技術競争は、明治以来ずっと続いてきており、とくに明治32年以降の不平等条約改正時に日本に進出して技術支配を狙ったアメリカ企業と、迎え撃った日本技術者との戦いは壮絶なものがありました。
そういうアメリカ企業との長い技術戦争の経験が有ったからこそ、戦後の廃墟から急速に立ち上がることが出来たのです。

上の特許でも分かりますように、無数の先人の努力が冨士の裾野を形成し、その上に平成の頂点があります。
いま近隣国は盛んに日本の技術を盗もうとしておりますが、過去百年以上の蓄積を持つ日本の近代技術を、数年で真似しても、それは上面のものに過ぎません。すぐにメッキが剥げます。
(といっても日本の技術系老舗企業が中国資本に買収されている現状は憂慮しております・・・)




特許第848号の図面
小野秀三『自動販賣器』明治21年3月27日出願/明治23年3月6日登録




特許第964号の図面
俵谷高七『自動販賣機』明治21年12月28日出願/明治23年9月30日登録




特許第1087号の図面
田部井元三郎『自賣器』明治23年12月12日出願/明治24年2月24日登録



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