■■■ コンピュータ将棋選手権(オロモルフ)■■■


◆◆◆ ▼コンピュータ将棋選手権 1 今回の優勝 ◆◆◆

優 勝 ボンクラーズ
準優勝 Bonanza
3 位 習甦
4 位 激指
5 位 ponanza
6 位 GPS将棋
7 位 Blunder
8 位 YSS

 今年は第21回で、5月5日に早稲田大学の会館でおこなわれました。
 昨年は「激指」が優勝し、当分「激指」の時代かと思われたそうですが、今年はあまり聞いた事の無い「ボンクラーズ」の優勝でした。
 大会場の他に大盤解説場があり、解説役のプロ棋士が二人と質問役の女流棋士が二人いたようです。
 最近では日本将棋連盟も力を入れており、米長会長の挨拶も有ったようです。
 コンピュータ将棋の実力は年々向上しており、おおまかに言って、アマ最強豪クラスの力はあるようです。
 選手権ルールについての私の疑問は、使用するパソコンに、あまり制限が無いらしい事です。平等にプログラムの優劣を争うのなら、まったく同じ内容を持ったまっさらなパソコンを多数用意して、それに持参したソフトをインストールして戦わないといけないような気がしますが・・・?


◆◆◆ ▼コンピュータ将棋選手権 2 稲庭戦法?◆◆◆

 不思議な戦法が有ったようです。
 私は規則の細かな事は知りませんが、持ち時間は25分で、1秒以内に指しても1秒と計算するようです。
 ですから、もたもたしていると時間切れで負けてしまいます。
(まあ、コンピュータですから一手1秒で指し続けることは難しくなく、そうすれば1500手も指せますので、十二分の時間です)
 さて、稲庭戦法というのは、歩を一つも突き出さず、徹底して守り、自分からは絶対に攻めないという戦法らしい。
 その局面を文末の写真に示します。
 写真上が六手目の局面、写真下が最終局面です。
 後手が稲庭戦法です。
 こういう戦法がなぜ成立するかといいますと、25分という持ち時間を相手が使い切って時間切れの負けとなるのを期待出来るからです。
 1秒以下で指しても1秒と計算されるので、最後に時間が切迫してきますと、どうしようもなくなるのでしょう。
 本局では千日手になってしまいましたが、千日手を避ける工夫がなされれば、勝てたかも知れません。先手の残り時間はわずか21秒しか無く、あと21手で負けになるところだったわけですから・・・。

 こういう戦法はオロモルフの好みに合いますので、金沢将棋を相手にしてやってみました。
 見事に勝ちました。
 要するにこの後手の駒組みを作ったあとは何もしないで、王を4一と3二の間を動かし続けたり、飛車を6一と6二の間で動かし続けたりしていたら、相手が勝手に転んでくれて、飛車も角も捕獲できてしまったのです。
 私は前に柿木将棋を相手にして、金開戦法でこっちから絶対攻撃しないで勝った事が有りますけど、まあ、それに近いです。


◆◆◆ ▼守るだけの布陣(笑いたくなる布陣です)◆◆◆

 ↓↓↓↓↓






◆◆◆ ▼コンピュータ将棋選手権 3 学者棋士の誕生 ◆◆◆

 今回のコンピュータ将棋選手権で、飯田弘之六段が「CSA貢献賞」という賞を受賞しました。CSAというのは、コンピュータ将棋協会のことです。
 コンピュータ将棋の研究や普及に長年貢献してきたための受賞だと思います。
 この飯田弘之六段の事は、だいぶ前に書いた事がある筈ですが、プロ将棋の世界では空前の快挙をなしとげた棋士なのです。
 江戸時代から将棋で生活する専門家はいましたが、明治から大正までは、大学を出た棋士は一人もいませんでした。
 昭和に入って、再三名前を書いております加藤治カ名誉九段が早大を出て棋士になり、最初の大学出棋士として活躍、将棋連盟の会長などを務めて貢献しました。名人戦に出た事もあります。
 その後早大を中心に大学卒棋士が次第に増えまして、今では珍しくなくなりました。
 最近では東大出の棋士も、男女ともにいるようになりました(数は微少ですが)。
 大学院に進んだ棋士もいます。
 しかし、学者として研究をして博士学位を取るような棋士は、ずっといませんでした。それは無理もない話で、プロ棋士は職業であり学者生活とは両立しませんから、ほとんど「不可能」でしょう。
 この飯田弘之六段は、その「不可能」を打ち破る快挙を成し遂げた棋士なのです。
 学者が趣味で将棋を指して、かなりのアマ強豪になる――というのは珍しくありませんが、逆に専門の棋士が博士学位を持つ学者になるというのは実に珍しい事です。

 飯田六段は、1962年生まれで、プロ棋士として活躍する一方、大学で情報関係の学問を勉強し、やがて研究に専念するために棋士を休業して論文を書いて工学博士となり、いくつかの大学で教えて、現在は北陸先端科学技術大学院大学の教授として、人工知能の研究などをしています。
 むろん将棋の世界でも注目されていた人ですから、その知識を生かしてコンピュータ将棋の研究をして、だいぶ前に、今日の隆盛を予言していました。
 残念ながら棋士としては休業がずっと続いていますので、プロ棋士と学者とを両立させているとは言えませんが、とにかく21歳でプロ四段になり、十年前に六段まで上った人ですから、趣味で将棋を指す学者とはまったく違います。
 今後、プロ棋士としての才能と工学博士としての学識を生かして、どのような活動をなさるのか、楽しみです。


◆◆◆ ▼受賞した飯田弘之六段 ◆◆◆

 ↓↓↓↓↓





オロモルフの論考リストに戻る