OK-INDEXチャート と移動平均線による株価予測


1 ピークとボトムの基本則


 上図は2000年10月〜2002年2月の日経平均の移動平均線とトレンドチャートです。移動平均線のグラフには一般に用いられている日足線(ローソク線) を使わず終値線を用いています。これは終値線と短期移動平均線とのクロス状況を明確に認識するためです。
 移動平均線チャートでは一般に言われているように株価の上昇局面では、終値、短期移動平均、長期移動平均が上から順に並び並行して 上昇し、下降局面ではこの逆となっています。しかし短期間の上昇、下降局面ではこの現象は現れず、現れたときには”すでに遅し”となる場合があります。 また、ボトムでは終値が短期移動平均線を下から上に、ピークでは上から下へクロスしますがこの現象が現れても、そのすべてがボトムであったり、ピークであるとは 限りません。
 OK-INDEXトレンドチャートはボトムまたはピークの認識に威力を発揮します。上図から5つの時点を例に取り見てみましょう。
 時点 1;短期指標は底を打った後、中期指標も底を打ち、終値も短期移動平均を上にクロスしようとしている。
 時点 2;短期指標、中期指標がピークを打った後長期指標もピーク気配となり、終値も短期指標を上から下にクロスする。
 時点 3;短期指標、中期指標が底を打った後、長期指標も底気配を示し、終値も横方向ながら、短期移動平均をクロスしようとしている。
 時点 4;短期指標、中期指標ピークの後長期指標もピークアウト。この後、終値も上から下へ大きくクロスする。
 時点 5;短期指標ボトム、中期指標ボトム、長期指標ボトム気配。終値も短期移動平均を上にクロス気配。

 時点2,3,4,5のような大きなピーク、ボトム時には原則として短期、中期、長期指標のピークまたはボトムが順に現れ、時点1、その他に多く見られる 小さなピーク、ボトムは短期、中期指標、あるいは短期指標だけのピーク、ボトムに伴って現れます。
 OK-INDEX トレンドチャートを良く見ると、短期指標のピーク、ボトム値の多くは5〜6に現れ10を超えるものは僅かで、中期指標は4前後にピークとボトム があり、5を超えるのは少なく、長期指標は、3前後にピークとボトムがあり、5を超えることは極めて少ないと言う現象もピーク、ボトムの予知に有効です。

  2 長期指標上昇過程における短期、中期指標のピークとボトム


 上図は1 の Annual Chart の2001年9月20日〜2002年2月20日までを拡大したもので、2002年2月20日の大底の後の状況を拡大して示しています。
時点6、7では短期指標はピーク後0ラインをクロスし急落の様相を示し、中期指標も ピークをつけ、終値も短期移動平均線を上から下へクロス直前で売りの 衝動に駆られますが、時点6では長期指標は力強く上昇中であり、少なくともここでの売りはありません。時点7では短期、中期指標、終値と短期移動平均線の関係は 時点6と同じですが、長期指標は高位(3.5近辺)を僅か上昇中で、中期指標も大局的に見れば高位(4.0近辺)横ばいとも見れます。ここは確実性優先なら 売りですが、このようなときには時点6と同様短期指標の0クロス近辺で反騰することが多く、余裕があればその反騰を待っての売りが成功すればラッキーです。 しかし時点7での新規売りはなく、新規売りは時点8となります。
 時点8では長期指標も下降を始め、短期、中期指標も明確な下降状況に入っていますが、終値の短期移動平均クロスには不安が残ります。しかし、ここはOK-INDEX チャートを優先して売り逃してはならない局面です。

3 長期指標下降過程における短期、中期指標のピークとボトム
   2 の拡大チャート時点9のように、短期指標ボトムの後、中期指標が底打ちし、終値も短期移動平均線を下から上にクロスし買いチャンスのような局面が 現れますが長期指標が明確な下降を示している場合、短期指標が長期指標をクロスする前後に反落するので原則としてこの時点の買いはありません。売り逃がし があれば短期指標が長期指標をクロスする前後が絶好の売り場となります。ただし、中期指標も長期指標を下から上にクロスすることが予見できれば、 買い持ちがあれば持続、新規買いも可能でしょう。


2003年11月策定最新版