12月27日(月)
ウォッカの二日酔いで目が覚めた。朝食はとても食べられる状態ではない。
買っておいたミネラルウォーターが昨日から空である。二日酔いの時は水が必
要だ。2階のカフェに行って紅茶だけほしいと言ったら、丸パンはどうだ、ケ
ーキはどうだと聞かれ、昨日飲み過ぎたので熱い紅茶だけでいいと言ったら笑
って納得してくれた。水を買おうとしたらお金はいらないと言われ、朝食代わ
りにミネラルウォーターをもらってきた。昨日の楽しい温泉のことを手帳に書
く気力もなく、ぼーっとテレビを見て水を飲んでいた。11時過ぎにスヴェー
タに電話したら、12時にホテルに迎えに行くということで、待っていたら11
時45分くらいにもう一度電話があり、下のロビーで待っていてくれというこ
とだったのだが、もう下に来ていると思いあわてて下に降りていったが、いな
い。しかたなく1階のロビーで外を見ながら待っているとアリョーシャとスヴ
ェータがやってきたので出かけた。アンドレイもウォッカの飲み過ぎで、もう
ウォッカは飲みたくないと言っていたそうだ。
カムチャッカのミネラルウォーター
今日は買い物日にしようということで、私が欲しいと言っていた物をメモし
ていたスヴェータのメモを見ながらまずCDを買いに行くことにした。日本の
ように大きなレコード屋があってそこに行けば何でも揃ってしまうというわけ
ではなく、小さな店やキオスクみたいなところで売っているので、何カ所か回
らなければ欲しいCDが手に入らないことが多い。友人から頼まれていたCD
はなく、私の欲しかったCDは3カ所回って4枚のうち3枚買うことができた。
あと1枚はカセットしかなかったのでカセットにする(25ルーブル=125円)。
CDの値段は1枚80〜100ルーブル(400〜500円)。ルーブルの価値が下がった
ので日本人には破格の値段である。次に本屋に行き、カムチャッカについて書
かれた写真のたくさんついた本を買った。他にカムチャッカの景色がついた2
年分(2000年と2001年分)のカレンダー、温泉の地図、絵はがきを買う。かつ
てのソ連の印刷物は質が悪かったが、今は外国で印刷しているということでと
てもきれいだ。
その後昼食を食べようとカフェに入る。時間がずれていたこともありお客は
まばらだ。店内はあまり温かくなく、スヴェータはコートを着たままだった。
私とスヴェータはペリメニ(水餃子に似たもので、皮がもっと厚く丸い形をし
ている)とイカサラダ、アリョーシャはプロフと卵サラダ。まず出されたイカ
サラダを見て、ロシアでは何々サラダというと本当にそれだけのサラダだった
というのに気がついたが遅かった。イカサラダは茹でたイカを細く切ったもの
にマヨネーズがのっているだけである。野菜サラダにすれば良かったと思った。
ペリメニはそれ自体には味がないのでケチャップやマヨネーズをかけて食べる。
アリョーシャの頼んだプロフは米、肉、タマネギ、人参が入っていて、カレー
味で美味しそうだった。私もプロフにすれば良かったと後悔した。最後にコー
ヒーが出てきたが大きな茶碗にたっぷり注いでくれるので(日本の2杯分くら
いはある)、美味しければいいが、まずいと残すことになる。私はミルクなし、
砂糖なしと頼んだのでまあまあの味(でもインスタントコーヒーだ)だったが、
ミルク入りのコーヒーを頼んだスヴェータはまずいと言って残していた。ここ
のカフェは、夜は若い子が集まって店の真ん中にある通路で踊っているという
ことだ。ロシア人はディスコ大好き人間が多く、スヴェータも好きだと言って
いた。食事代は3人分で160ルーブル(800円)。
食事の後、スヴェータの働いている大学にマッキントッシュがあるのでそれ
を見に行こうということで出かけた。この大学は教員の研修のための大学で、
日本の教育センターみたいなものだ。3階建ての建物の階段を登っていると雨
漏りでバケツが置いてあったり、階段が濡れていたりする。屋根を修理するお
金がないのだと言っていた。3階のコンピュータ室に入ると、何とiMACが
10台(いろいろな色のものがあったので1年くらい前のだ)とPowerM
ac5500、それにアップルのレーザープリンター、スキャナー、カメラも
あり、しばらく触らせてもらった。OSはMacOS8.5か8.6が入って
いた。フォトショップやワード、エクセル、クラリスも入っていて、ロシア語
で表示されているMacに感激してついつい長居をしてしまい、スヴェータに
もう行くよと言われた。1階の部屋で地理学者の先生にカムチャッカの写真や
石を見せてもらい、説明してもらった。彼女の話は私のロシア語力不足のため
半分も分からなかったが、古い写真や石の標本はとても興味深いものだった。
次におみやげを買いにベリョースカ(白樺)というお土産やさんに行った。
火山と森を描いた小さな絵を1枚と、チュクチ(カムチャッカの先住民)のお
守りの人形を4個買った。その後、「子どもの世界」という店に行く。おもち
ゃやスポーツ用品、宝飾品、カセットテープなども売っているが、子どものお
もちゃ売場が一番広い。おもちゃも高く、ぬいぐるみは100〜300ルーブ
ル、子どもの自転車は1000ルーブル以上もする。ロシア人の平均給料が1
200〜1500ルーブルなのでお正月か誕生日にしか子どもにも買ってやれ
ないと言っていた。おもちゃは中国製か韓国製がほとんどでロシア製はない。
ここでロシアの最新ヒット曲が入った「ソユーズ25」というカセットテープ
を5本お土産用に買う。1本25ルーブル(125円)なので、気軽に買える。
そして次にちょっと離れたところにある食料品のスーパーみたいな店に行く。
お土産用のチョコレート、クッキー、紅茶等を買う。アンドレイが10パーセ
ント引きになるカードを持っていたので安く買えた。果物も売っていたが高い。
やはり誕生日とか何か特別の日にしか買えないという。お土産をしっかり買っ
てスヴェータの家へ。
夕食は私が好きだと言った大きなフランクフルトソーセージ(サルジェーリ
カという)と付け合わせにライス。ケチャップをかけて食べる。今日はもうウ
ォッカは飲みたくないと言いながら、私の持っていった梅酒を飲んだ。日本で
は水で薄めて飲むと言ったが、そんな飲み方は考えられないとストレートでぐ
いぐい飲む。
スヴェータが大学から借りてきたカムチャッカのビデオを見ていると隣の人
が来た。ヴェーラおばあさんで、彼女が帰った後、スヴェータが話してくれた
が3年前に夫に先立たれ、28歳になる酔っぱらいの娘がいたが10歳の息子
を置いて家出してしまったという。ヴェーラおばあさんの年金300ルーブル
(月額)だけではとても生活できず、時々彼らの所へ無心に来るそうだ。アン
ドレイがよく稼いでくるので彼女を助けることができると言っていた。
今日は早く帰って風呂に入り、日本へ絵はがきを書いた。でも葉書を9枚書
き、風呂に入って頭を洗ったりしていると11時を過ぎてしまった。
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