カムチャッカ夏の旅(その1)
 
  2002年7月21日〜29日 

7月21日(日)
 梅雨明けの翌日、暑くなった名古屋を脱出して涼しいカムチャッカへ出発。名古屋空港は夏休みが始まったばかりとあって混雑していた。午前7時50分発の新潟行きに乗る。

 名古屋−新潟便は午前と午後の2便しかなく、午後の便では新潟からウラジオストクへの飛行機に間に合わないので仕方なくこんなに早い便で行くしかない。新潟には9時前に着き、スーツケースを大型コインロッカーに入れバスで新潟市内へ。万代シティバスセンターでバスを降り、映画館を探すが、以前バスセンターの上にあった映画館はなくなっていた。隣の三越の中にある映画館に行ってみると、11時15分から「ナースのお仕事」をやっているが、これを見ていると時間がぎりぎりだし、あまりみたい映画でもなかったので他を探すことにした。Tジョイ新潟万代(ビルボードプレイス2)でやっている「タイムマシン」を見ようと近くの交番で映画館の場所を聞いた。若い女性の警察官が親切に映画館の場所を教えてくれた。そこへ行ってみたが、始まりの時間が11時45分、終わりが13時45分で私たちが乗る予定の13時25分のバスに間に合わない。仕方なくバスセンターまで戻り、新聞を買って映画案内を見ると、サティ3階にあるワーナーマイカルシネマズ新潟で10時45分から「タイムマシン」をやっている。タクシーに乗って行き先を告げると年輩の運転手は小針にあるサティかと聞き返すので、「遠いんですか?」と聞くと15分ぐらいで3000円をきるぐらいで行けると思うけどと言う。映画を見に行くのに3000円も使ってと一瞬ちゅうちょしたが「エィ!行ってしまえ」と決心し、行ってくれるように頼んだ。タクシーはバイパスに入り新潟の町からどんどん遠ざかっていく。やがて高速道路の小針インター近くの何もないところに、大きなサティの建物が見えてきた。運転手の言ったとおり3000円で少しおつりがきた。サティの3階にあるワーナーマイカルシネマズ新潟は今はやりの郊外型映画館で5つの小さな劇場がある。飲食物持ち込み可能で、入り口の近くでジュースやポップコーンが売っている。映画館の中は階段状になっているので前の人の頭でスクリーンが見えなくなることもないし、シートも広くてゆったりしている。映画は12時35分に終わり、サティの前にあるバス停に行ってみるとちょうど12時50分のバスセンター行きのバスがあったのでそれに乗った。バスがバスセンターに着いたのは1時20分でバスセンターからちょっと離れたところに停まったので走ってバスセンターまで行ったがまだ空港行きのバスは来ておらず一安心。
 13時25分のバスに乗り、空港に着いたのは1時50分。荷物検査に長蛇の列ができていて、私たちもコインロッカーから荷物を取り出し、列に並んだ。荷物検査、チェックインが終わり2階の搭乗待合室に入ったのは3時だった。昼ご飯を食べてなかったので、チーズちくわと生ビール、焼きおにぎりを食べ、おみやげにマルボロを1カートン買った。

 15時25分、ウラジオストク航空のツポレフ154型機に乗り込む。飛行機はほぼ満席で、窓際に妻が、通路側はロシア人の女性で、私は両手に花状態で気分良く席に着いた。飛行機の中は冷房が効いておらず、蒸し風呂のような暑さだった。みんな座席の前のポケットに入った団扇を使っていた。16時離陸、上空に来ると涼しくなった。最初に飲み物のサービスがありビール、ワイン、ジュース等が出された。ビールは小瓶が1本、ジュースとワインはプラスチックのコップについでくれる。袋入りのピスタチオがおつまみとして配られた。次に弁当が配られ、その中には丸いパン1個、オリーブの実3個、チーズ二切れ、サラミソーセージ5枚、バター、ケーキ、チョコレートが入っていた。その後小さな青いリンゴが配られた。そして食後に紅茶(ティーバッグ)かコーヒー(インスタントの粉と砂糖、クリームが入ったもの)がでて、食事が終わるともうウラジオストクで、着陸態勢に入るという。
 予定通り1時間20分でウラジオストクに着いた。ウラジオストクの天気は雨。そのせいもあって涼しい。気温は20度。でも半袖で大丈夫。
 

ロシアでは早く機外に出て入国審査、税関検査を早くすませないと長い行列の後ろで長時間待たなければならないので、急いで外に出る。タラップを降り小雨の降る中を空港ビルまで歩いて行った。入国審査の窓口が既に2つも開いていて驚いた。今までなら飛行機が着いて乗客が全員空港ビルに入り、入国審査の窓口に長蛇の列ができてからおもむろに入国審査官がやってくるというパターンだったのに、変わったもんだと感心する。並んでいる人の少ない方の列に並んでいたが、前のロシア人が家族を呼んで割り込ませたので3人分遅くなってしまった。入国審査を出るとパスポートを見せるところがもう1カ所あり、次に荷物を受け取るコンベアのある部屋でしばらく待つ。荷物を受け取って税関検査へ。おみやげに持ってきたおもちゃのピストルがレントゲンに映って開けろと言われたら面倒だなと心配していたが、何も言われずにパス。税関申告書を提出し、はんこをもらってようやく外へ。空港からホテルまでトランスファーを頼んでいたので「Mr Mrs TAGUCHI」と書いた紙を持った人を見つけ挨拶をする。他のお客さんも迎えに来ているのでもう少し待ってくれということで、トイレは地下にあるからと教えてくれた。新潟空港で飲んだビールと飛行機の中で飲んだトマトジュースと紅茶のせいでトイレに行きたかったので行ってみた。2つあった小便器の一つは少々つまり気味だったが、一応きれいなトイレだった。15分くらい待って全員そろったので出発することになった。車はワゴン車で他には日本人男性二人(一人は仕事でイルクーツクに行くという人、もう一人はウラジオストクに避暑に来たという人)と一緒だった。最初は快調に飛ばしていたが、すぐに渋滞になり、のろのろと走っていたら片側2車線の道路なのに対向車線を走る車もあれば路肩を走る車もあり、市内へ向かう方は4車線、市外へ出る方は1車線という状態だった。渋滞の先頭はトラックと乗用車2台の衝突事故だった。
 ホテルには8時20分到着。約1時間10分かかった。1階のフロントでチェックインかと思っていたら、迎えの車の運転手が4階だと行って案内してくれた。同じ建物に大きなウラジオストクホテルと小さなホテル「ヴィジット」があると運転手が説明してくれた。4階のエレベータの前にいる女性にバウチャーを渡し、朝食のチケットと部屋の鍵をもらった。ミネラルウォーターと何か食べ物を買いに行こうと1階に降りていったが、3年前来たときにあった食べ物や飲み物を売っている店はなくなっていた。仕方なく4階に戻り、エレベーターホールで困ったなという様子をしていると、先ほどチェックインの手続きをしてくれたエレベーター前にいる女性と話し込んでいた男性が「何かお手伝いしましょうか?私はマッサージ師です。」と日本語で話しかけてきた。レストランはどこにあるか聞いたら11階にあるというのでエレベーターに乗ると10階までしかなく、10階でジェジュールナヤに聞くと、エレベーター横の階段を上がるように言われた。レストランに入ると、店の女性以外誰もいないので「食事ができますか?」と聞くとできると言ってメニューを持ってきてくれた。私は野菜サラダ、スープ入りペリメニ、ハイネッケンの瓶ビール、紅茶を、妻はトマトとキュウリのサラダ、ボルシチ、紅茶を頼んだ。ロシアのビールが飲みたかったのだが、置いていないと言われ、仕方なくハイネッケンにした。しばらくして空港から一緒に来た明日イルクーツクへ行くという人が来たので誘って同じテーブルで食べた。彼は私の食べていたスープ入りペリメニと紅茶を頼んだ。また少ししてやはり空港から一緒に来た人がやってきた。食事ができる場所がここしかなかったのだ。私たちは2人で519ルーブル(2076円)、後から来て一緒に食事をした人はドルしか持ってなかったのでドルで5ドル払っていた。日本人にとってはそんなに高くない夕食だが、ロシア人の感覚からするとすごく高い食事代だ。レストランを出がけに話しかけてきた日本人がいて、彼の話を聞くと富山から船でウラジオストクに来たが、途中から船が揺れてみんな船酔いだったそうだ。明日からシベリア鉄道でモスクワまで行き、サンクトペテルブルグ、バルト3国を回るそうだ。うらやましい。妻の想像によると、もう定年で仕事をやめた人ではないかということだった。私はもっと若いと思っていたが、翌日もう一度会ったときは、妻の想像が当たっているかもしれないと思った。部屋に戻り水道の蛇口をひねるとお湯が出た。夏の間はお湯が出ないと聞いていたので驚きだった。部屋にはテレビ、冷蔵庫(中にビールやジュース、ウイスキー、おつまみが入っているが有料)、シャンプー、ひげそり、歯ブラシ、浴用スポンジ、櫛も有料で置いてある。金庫は自分で16桁以内の数字を設定して使えるのだが、よくわからなかったので使わなかった。トイレと浴室は同じで、タイル張りでまあまあきれいだった。バスタブはないのでシャワーを浴びることしかできない。石けん、綿棒、コップ、ドライヤーがついていた。部屋には紅茶のティーバッグとインスタントコーヒー(コーヒーの粉と砂糖、クリームが入ったもの)、コルクの栓のついた中国製のポットがあり、お湯は入ってなかった。フロントの女性のところにお湯をもらいに行くと、電気給湯器があり、今まだ水を入れたばかりで温度が下がっているので、もうしばらくして来て、ここから自分で入れていってということだった。寝たのは12時過ぎだった。でも日本時間ではまだ10時過ぎだけど。

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