イルクーツク、バイカル湖、ハバロフスクの旅----2000.8.11-8.18
8月18日(金)
朝、起きてテレビのチャンネルを変えていると、何と何と日本の衛星放
送が入るではないか。久しぶりに日本のテレビを見て、何となく今ロシア
に来ているということを忘れてしまいそうになる。このホテルには朝食が
付いていないので、最後まで持っていたレトルトパックのおかゆ(お腹を
こわした時のために持ってきた)を温めて食べ、コーヒーを飲んで朝食に
する。昨日飛行機の中から持ってきた丸パンもあったがあまり食欲はない。
荷物の整理をした後、革命記念の記念碑のあるコムソモール広場まで散歩
に行く。10年前に記念写真を撮った同じ記念碑の前で写真を撮る。男の
子が道路の清掃をしていたが、仕事なのか、奉仕活動なのかわからない。
黒い子犬が1匹寄ってきて、公園にいる間ついてきていたが、いつの間に
かいなくなった。今日もムラヴィヨフ・アムールスキー通りを少し歩き、
いろいろな屋台の店を見て歩いた。新聞とたばこ、ピーナツがたくさん載
ったドーナツ型の大きなクッキーを3個買って帰る。通りには、ミニスカ
ートでおへそを出した若い女の子があふれていて、目の保養にはもってこ
いだ。
革命記念のオベリスク オベリスクの彫刻の拡大
2台連結のトロリーバス ロシアのコーラ、クワス売り
11時にタクシーを頼んで置いたので少し前に荷物を持って下り、タク
シー代(1000円)とミネラルウォーターの代金(18ルーブル=72
円)を払う。もう一人日本人が来るから待っていてくれということで待つ。
今日もワゴン車かと思っていたら、今日は日本製の黒塗りの高級車だった。
後から来た日本人は、ウラジオストクから昨日の朝、ハバロフスクに着い
たという若い男性で、ウラジオストクでは1時間100ルーブルで16時
間くらいタイガや川をあちこち案内してもらったと言っていた。昨日はシ
ベリア鉄道で知り合ったロシア人の家に招待されて行ったそうだ。彼は一
人旅なので、昨日のサッポロホテルは1泊12000円も取られたそうだ。
私たちはデラックスの部屋しか空いてなくてそこにしたが、それでも2人
で18000円だった。
空港には11時半頃には着くが、まだチェックインは始まっておらず、
空港の片隅で椅子に座って待っていた。12時を過ぎると続々と団体客も
やってきて、出発ロビーは大混雑状態。まず空港使用料を払わなければな
らないが、ここが長蛇の列である。団体客の分を処理するのにすごく時間
がかかっている。高い空港使用料を払わなければならないのだから、トイ
レくらい使わなければと思い使ってみたが、水洗できれいなトイレだった。
空港使用料を払う窓口の行列が一向に短くならないので、とうとう並ぶこ
とにする。どうやっているのか見ていると、チケットに3回ナンバリング
を打ち、はさみで切り取っている。20人の団体が来れば、それをいちい
ちやっており、更にレジを打って、領収レシートを打って渡している。お
金は机の引き出しの中にぐちゃぐちゃに入れてあり、おつりが必要な時は
少し開けて取り出している。ナンバリングぐらいは前もってやっておけば
早くやれるのにと思うが、ロシア人には速さは必要ないのかもしれない。
時間までに出来ればよいのだろう。ツアー客のロシア人添乗員が、日本人
のお客さんにここの空港使用料(685ルーブル=2740円)のことを
怒っていた。彼はこう言っていた。「私はあいつらとけんかして、みなさ
んに謝ることしかできません。とても恥ずかしいことです。」
成田や関空のような新しい空港ではなく普通の2階建ての小さなビルで、
とても空港使用料をとれるようなものではないと思うが、とれるところか
らはどんどん取るというロシア風のやり方だ。空港使用料のチケットを買
い、チェックインの手続きをする。運良くロシア人団体の後ろに並んだら、
一気に前の人がいなくなりすぐにチェックインができた。預ける荷物には
黄色いシールが貼られ、機内持ち込みの荷物には白と青のシールが貼られ
る。まだここでは荷物を預けることができず、重いスーツケースを引きず
って税関検査へ。リュックサックを開けるように言われウオッカとサモワ
ールを見せる。イクラはないかと聞かれたが、無いと答えて無事通過(本
当はキャビアが1個とイクラが3個あったが)。ロシアではキャビアもイ
クラもみんなイクラという。キャビアは黒いイクラ、イクラは赤いイクラ
と呼んでいる。次に預ける荷物のレントゲン検査がある。板チョコがずら
っと30枚も並んでいるレントゲンの画面を見せられて、これは何だと聞
かれたがチョコレートだと答えるとあっさりこれもパス。そしていよいよ
出国審査。ここも無事に通過し、待合室に入るとほっとする。
ハバロフスク国際空港
待合室にはBonBonという名前のDrinkStandがあり、ここでイクラのの
ったオープンサンドとコーヒーを飲む。キャビアののったオープンサンド
もあったが、前の女の人に買われてしまった。イクラのオープンサンド5
0ルーブル、コーヒー(これはコーヒーメーカーで入れた本物のコーヒー
で美味しかった)25ルーブル。めちゃくちゃ高い。でももう帰るのでケ
チっても仕方ない。日本円に換算すると安いのだから。待合室には免税店
もあったがもうこれ以上お土産を買う必要もないので、外から覗いただけ
にした。待合室は禁煙ではないので煙が充満している。14時05分発の
予定だが、遅れていてずっと待たされている。16時半頃にさっきのツア
ー客の添乗員をしているロシア人が交渉してくれたみたいで、待合室で待
っている乗客に食べ物と飲み物(ハムののったオープンサンドとミネラル
ウォーター)が配られ始めた。するとすぐに飛行機への案内が始まり食べ
物をもらう行列と飛行機に乗る行列ができた。飛行機に乗ると割合に早く
5時には動きだし、5時17分離陸。
ずっと停まっていたが、なかなか乗せてもらえなかった新潟行きTU-154型機
飛行機はツポレフ157というおなじみの飛行機だが座席の間が狭い。
窓際に妻が、真ん中に私が座り、横にはロシア人のツアー客の若い女の子
が座った。上空に上がると飲みものが出され、すぐに食事がでた。丸パン
1個と黒パン1枚、サラミが3枚とハムが2枚、オリーブの実が3個、ト
マトとピーマン、キュウリのサラダ(マヨネーズ付き)、チョコレート、
そして別にメインディッシュとしてライスとチキン、グリンピースの入っ
た温かい料理がアルミのパッケージに入って出てきた。ケチャップをかけ
て食べるとまあまあ食べられた。ライスも昨日の国内線の雑穀みたいなラ
イスよりはずっと美味しかった。食事が終わった後、コーヒー又は紅茶を
持ってきたので、レモン入り紅茶を頼んだ。食べ終わってしばらくすると、
18時40分にもうすぐ新潟だという放送があった。予定では1時間55
分かかることになっているが、早く着いた。日本との時差が2時間あるの
でここで時計を調整。日本時間17時に新潟空港に着陸。
乗る予定だった名古屋行き全日空312便は15時35分発なので、乗れ
ず、19時45分の便への変更をしなくてはならず、妻にスーツケースを
頼んで、手荷物だけを持って帰国手続きを済ませ、全日空カウンターへ行
き、変更を依頼した。空席があるので変更してくれるとのことでほっとし
た。後から出てきた妻と空港の喫茶店で生ビールを飲んだ。ロシアのアル
コール度数15パーセントのビールに比べると日本のビールが水っぽく感
じられる。でも日本人にはこの程度のビールが一番合っている。2階の搭
乗待合室の前の椅子に座っていたら、バイカル湖で会ったSさんがやって
きた。お互いの旅行の話に花が咲いた。搭乗待合い室の中ではコシヒカリ
アイス(アイスの中にコシヒカリのご飯粒が入っている)を食べてくつろ
ぐ。日本の飛行機はきれいだとつくづく思った。名古屋空港からはタクシ
ーで我が家へ。名古屋の暑い夏からひとときでも離れられたのは幸せだっ
た。(完)