大学入試センター試験(2002年)激励出張に対する公開質問状
 
      公 開 質 問 状
                        2002年3月19日
 愛知県立知立東高等学校長 殿
                 愛知県立学校事務職員労働組合
                     執行委員長 田口龍司

 本年1月19日、20日の両日に行われた大学入試センター試験に関し、貴
校においては受験生の激励、指導等のために39名の職員を出張させています
が、本件出張に関していくつかの疑義がありますので下記質問事項に対してご
回答下さい。
                  記
1、大学入試センター試験は学校行事の一環なのか。
2、大学入試センター試験会場での用務について、復命書記載事項以外の用務      
  があるのか。
3、大学入試センター試験会場で生徒の出欠を確認する必要が学校としてどう
  してあるのか
4、大学入試センター試験会場で生徒の健康状態についてどのようにして
  チェックしているのか。また学校がその事を行わなければならない理由は
  何か。
5、名古屋市内の中学生が高等学校に受験に来るときには教員が試験会場にま
  で来ることはないのに、どうして高校生が大学入試センター試験を受ける
  ときには高校の教員が出張して行かなければならないのか。
6、全ての大学入試会場へ、教員が引率して出欠や健康状態のチェック、激励
  等を行っているのか。全てでないとしたら、行く学校と、行かない学校は
  どのような基準で決めているのか。
7、生徒の自立心を尊重するという観点からすると、本件出張は過保護のそし
  りを受けかねないと思うが、生徒の自立心を確立するための教育を3年間
  高校在学中に行ってこなかったのか、また行ってはきたが大学入試センタ
  ー試験に一人で受験に行けるほどには自立心が確立していないのか。  
8、事前に大学入試センター試験会場を下見しておくというのは、まさに生徒
  個人の事であり、学校として引率して行かなければならない理由は何か。
  生徒一人一人でも下見に行く能力は持っていると思われるし、個人で行く
  と支障があるとも思われない。  
9、教員の大学入試センター試験会場下見はどうして必要なのか。受験する本
  人が個人的に行けばすむことではないか。
 

 4、8、9については該当校のみご回答下さい。
 なお、ご回答は4月30日までに文書で同封の返信用封筒にてお願いいたし
ます。県学労ニュース、県学労ホームページにも掲載させていただくことがあ
りますので、予めご了解下さい。
 

公開質問状に対する回答
旭野高校
                              平成14年4月25日
 愛知県立学校事務職員労働組合
 執行委員長 田口 龍司 様                

              公開質問状に対する回答
                   
                         愛知県立旭野高等学校長
                            水   野 良治

○ 本校では、大多数の生徒が国公私立大学への進学希望をもち、大学入試センター試
 験を受験する必要があるため、学校全体で取り組む体制をとっています。
    
○ 大学入試センター試験については、生徒・保護者からの学校の指導に対する期待は
 大きいものがあります.学枚としてそれに応える意味からも、また生徒の緊張感等か
 ら生じる事故や病気への緊急対応ができるよう、更に精神的な支えの意味もあり出張
 を命じています。

○ 体調のよくない者は会場で職員に申し出るよう事前に指導しています。生徒が安全
 に、心を落ち着けて、力を十分発揮できるよう激励・支援するものです。

○ 本枚では、生徒の大多数が受験する大学入試センター試験のみ、職員を出張させて
 います。

○ 本校は引率を行っておりませんが、生徒の大多数が大学入試センター試験を受験す
 るため、下見当日も事故やその他のトラブルに即座に対応できるように、職員1名を
 受験会場に出張させています。
 

一宮高校
                             平成14年4月30日

愛知県学校事務職員労働組合
   執行委員長 田口龍司 様        

                        愛知県立一宮高等学校長
 

         2002年3月19日付けの質問状について

 このことについては下記のとおりです。

                   記

1 質問1から質問7
  これらは既に大学入武センター試験等に伴う学校の対応等についての住民監査請求に
 おいて同様の趣旨で質問がなされたものであり、学校としても誠実に回答したところで
 す。

2 質問8、9
  これらについて本校は該当しません。
 

一宮西高校
            公開質開状に対する回答
 

 本校生徒は高校入学時より、学習・部活動・学校行事等に一生懸命取り組ん
でおり、ほぽ100%の生徒が進学を希望しています。また、多くの保護者が国
公立大学に進学することを強く望んでいます。実際、ほとんどの生徒が大学等
に進学し、そのうち6割近くが国公立大学へ進学している状況です。
 センター試験は、本校生徒が志望する国公立大学並びに多くの私立大学が利
用しています。本校においては、センター試験の受験をはじめとしてそれぞれ
の進路実現に向けて懸命に努力している生徒に対して、教員も惜しむことなく
支援を続けています。授業を充実させることはもとより、現在の社会情勢を踏
まえて将来への展望を考えさせたり、生徒の希望や個性に基づいた将来の生き
方を考えさせたりしています。本校の進路指導は、生徒のあり方生き方を考え
させる教育の中に位置づけられるものです。従って、生徒は単に目標に向けて
勉強をするだけでなく、その過程で人間として大きく成長していきます.
 センター試験の会場において、試験を直前に控えた生徒に対して、日ごろ身
近に生徒と接触し、信頼閑係を築いてきた担任等が直接指導・激励することに
より、平常心を取り戻し、落ち着いた気持ちで受験できます。事実、会場で担
任の顔を見て駆け寄り握手する生徒、緊張感がほぐれ顔がほころぶ生徒の姿が
あちらこちらで見られます。また、体調不良の生徒に対し、適切な助言等を迅
速に行う必要もあります.
 以上のことから、センター試験における指導・激励が進路指導の一環として
重要であると位置づけ出張を命じたものです.
 

                   愛知県立一宮西高等学校長
                            新 谷 富 生
 

五条高校

                              平成14年4月26日
愛知県立学校事務職員労働組合
執行委員長  田口 龍司 様
  
                愛知県立五条高等学校長 吉周 敏彦

 平成14年3月19日付けの公開質問状について、該当部分のみ下記のように回答します。           
                 記       
1について                       
  本校の進路指導上重要なものと位置づけている。

2について            
 特にはない。

3及び5について               
  センター試験を受験しないことは、多くの大学に対する受験機会を失うことになり、事故や病気等による欠席への対応も迅速に行う必要がある。従って、出欠の確認は重要である。また、遅刻した場合に、センター試験の重要性から、生徒は激しい動揺が予想されるので、適切な行動がとれるよう指導が必要である。また、第3学年の大半の生徒が受験しており、直前指導として教科指導も含め、諸注意をすることは大きな意味がある。                                      
6について                   
  一般の大学の入学試験に職員の派遣は行っていない。

7について                
 生徒の自立心を尊重しつつ最後まで生徒と教師が共同してことにあたるという師弟同行の校風は保護者も認め賛同を得ている。 

津島高校
 
     公開質問状に対する回答
                         平成14年4月26日
愛知県立学校事務職員労働組合
  執行委員長 田口 龍司 殿

                      愛知県立津島高等学校
                        校長 太田 勝久
1について
  本校においては、3年生のほぼ全員が進学を希望し、保護者・生徒は学校
 の進路指導に大きな期待をよせている。また、国公私立大学の入試で大学入
 試センター試験を利用する所が多くなり、生徒の進路希望を実現していく上
 で、センター試験は重要なものと位置づけている。

2について
  復命書記載事項以外の用務はなかった。

3、4,5について
  大学入試センター試験会場における教員の主たる業務は、生徒の出欠席を
 確認し、試験会場へ遅刻せずに送り出すこと、生徒の体調の掌握である。
  生徒は不安と緊張感の中、受験に臨む。当該教員にとっては3年間苦楽を
 共にしてきた生徒たちであり、激励の声をかけ、日頃の学習の成果が発揮さ
 れるようにと、個々の生徒に応じた指導をしている。

6について
  大学入試センター試験会場以外に対しては、質問にあるようなことは行っ
 ていない。

7につて                     
  本校の教育目標の一つは自主自律の精神を養うことである。三年間の学校
 教育全体の中で、これを育てるように努めている。そのことは、毎日の授業
 の中であるいは学校行事の中で具体的に配慮されている。
 

8,9について
  該当なし
 

安城東高校
   公開質問状に対する回答
                          愛知県立安城東高等学校                                   山盛 義勝

 本校では生徒のほぼ全員が大学進学を希望し、学校が行う進学指導に対する生徒・保護
者の期待は極めて高いものがある。
 

 センター試験は大学進学に非常な大きな意味を持っており、その進路指導上の重要性に
かんがみ、試験会場において3年の担任を中心として点呼・激励、体調の確認、不測の事
態への対応などを行っている。
 

 本校では、日頃から生徒が幅広い教養を身につけ、高い目標をもって学習に取り組むよ
う指導しており、生徒もこれに応えてよく努力している。この過程のなかで生徒の自立心
を育み、精神的な成長を促しているものと確信している。
 

 開校以来、本校においては生徒・保護者の期待と信頼のもとに、きめ細かい進路指導を
行っており、その一環としてセンター試験にかかる出張を命じているものである。なお、
個別の大学への指導のための出張は行っていない。
 

知立東高校
       公  開  質  問  状 回 答

 本校生徒のほぼ全員が大学への進学を強く望んでおり、保護者においても、その希望は
非常に強いものがある。また、生徒及び保護者には学校の行う進学指導に対する期待は極
めて強いものがある。こうした状況を踏まえ、3年生の大半が受験、かつ、大学への進
学という目標の中で非常に大きな意味を持つセンター試験の位置づけを考慮した上で、受
験生の指導、激励のために教員を出張させている。
  
  受験当日には毎年のように突発的で緊急な対応〈急病の生徒や、交通事情により遅刻生
徒など)を必要とすることが多い。
これらの対応・措置が生徒の不安と緊張ををやわらげ、日頃の努力の成果を発揮する上で
貴重な精神的支援となると思われる。

  本校は、センター試験を受験する生徒、受験しない生徒にかかわらず、きめの細かい進
路指導を行っており、生徒・保護者の信頼を得ている。
下見については、多数の生徒が下見の許可された時間(14〜16時)に個々に会場に出
かけることを踏まえ、直前の相談や会場及びその周辺の事故等に迅速に対応できるよう出
張させたものである

豊田西高校
 
                      平成14年4月30日
 愛知県立学校事務職員労働組合
 執行委員長 田 口 龍 司様

                  愛知県立豊田西高等学校長

 平成14年3月19日付けの公開質問ですが、このことに関する本校の基
本的な考え方は、貴殿が平成13年4月6日に愛知県監査委員に対して行わ
れた愛知県職員措置要求の際お示ししたとおりです。それに基づき本年も出
張させたものです。
 質問1から7については、既に上記の監査時に同趣旨の質問に回答申し上
げており、質問8,9については本校は該当いたしておりません。

蒲郡東高校

                                                                              平成14年4月25日
  愛知県立学校事務職員労働組合
      執行委員長  田口龍司 殿

      公開質問状に対する回答について

                                                愛知県立蒲郡東高等学校長 大河一夫

    公開質問状に対する回答について

 大学入試センター試験当日、試験会場において、生徒の登校ごとに各担任がそれぞれ分
担して出席を確認し、指導・助言を行った。やはり受験本番という特別な雰囲気の中で、
不安な顔付きの生徒や消極的な様子をみせた生徒達もいたが、担任団に激励されて笑顔を
みせながら受験場に向かって行った。
 生徒が各自の進路を考える中で、その悩みを親や担任などにぶつけながら最後には自分
で決定してきた経緯を考えると、進学者にとっての第一の関門であるセンター試験の受験
は後に続く前期・後期の試験と共に、非常に大きな意味を持つものである.この3年間の
指導過程を踏まえ、担任団一同、生徒がこの受験を無事終え、それぞれの志望する進路を
目指して進んで行ってくれることを切に願うものである。
 以上の意味をも込めて、出席確認等をしながらの指導・激励が生徒達への支援となるも
のと考え、職員5名での引率を実施した。
 なお、センター試験を受験しない生徒については、平常どおりの授業を実施するなど、
クラスの状況に応じて適切に対応している.
 

豊橋東高校
 
                             平成14年4月26日
 

 愛知県立学校事務職員労働組合
 執行委員長  田口龍司 様

                    愛知県立豊橋東高等学校長 天野 近

 2002年3月19日付けの公開質問状のうち、本校に該当する項目について以下の
通り回答します。

                 記

1    本校においては、ほぼ全員の生徒が大学への進学を希望しており、保護者も学校の
 行う進学指導に大きな期待を寄せています。大学進学のうえで、大学入試センター試
 験の持つ意味には大きなものがあると考えています。

2  用務は復命書記載の項目のみです。        

3  欠席や遅刻をした生徒がいた場合に、事後対応を早期に行うためです。

5    生徒の在学中に行われる大学入試センター試験は、進路目標を実現させるうえで重
 要なものであり、受験する生徒に対して、試験会場において指導を行うことは意義が
 あると考えております。

6  お尋ねのような大学入試会場へ行くことについては実施しておりません。

7    本校においては、日ごろから、さまざまな場面で生徒の自立心の育成に努力してい
 るところです。センター試験を含めて、生徒自身が進路を決定するまでのプロセス  
    は、生徒の自立心をはぐくむうえで大きな意味があると考えています。
 

回答のない学校
横須賀高校、岡崎北高校


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