****************
県学労ニュース338号     2006/1/25発行
****************

給与水準を大幅に引き下げる
給 与 構 造 改 革

 県教委は1月16日、給与構造改革に係る給与制度の見直しの最終提示を行い、これで条例事項に関する交渉は打ち切られた。

 そもそも今回の給与構造改革は民間の成果主義賃金を公務員にも導入しようとするものである。すでに民間ではその破綻が問題になっており、十分な検証や制度の整備もないままに、国が導入するからということだけで導入を強行するのは大きな問題である。

 昨年12月の給与改定で人事委員会自身が民間給与との均衡はとれているとしているのに、どうして4月1日に全職員の給与を四、八%(中高年では七%)も引き下げられなければならないのか。

 これでは昨年の給与改定は何だったのかということになる。しかも枠外昇給の廃止、ワタリの廃止等により給与水準は大幅に引き下げられる。にもかかわらず県当局はわざわざ提示文書に「職員の給与水準を引き下げるものではない」という文句を追加したのである。

 馬鹿にするにも程がある。現給保障があるから給与水準は横ばいで引き下げではないという詭弁を弄しているが、本来なら毎年昇給していくのに、今回の引き下げにより2年以上(中高年は更に長く)昇給ストップとなってしまう。これが給与水準の引き下げ以外の何であろう。交渉の過程で、給料表の各級の号給の増設を行わせたが、それでも今回の切り下げにより、中高年に至っては、数年後に本来の給与額が現給保障を上回ることなく、退職まで現在の給料のままという人も多数出てくることになった。

 そして今回の給与構造改革の目玉とも言うべき査定昇給と勤勉手当の差別支給に至っては、「新たな人事評価制度が確立するまでの間は勤務評定等現行制度を活用する」と当初現行勤務評定によってむりやり差別化を図ろうとして提示していたが、現在の勤務評定制度は職員の人事評価査定はできないという組合側の強い反発により「現行制度等を活用し」と提示内容をトーンダウンさせ、当面18年度の実施は見送られた。しかし給料表自体は査定昇給を前提とした国の給料表にあわせて改正するという。

 先に器だけ作っておいて、あとからそれに合わせて査定昇給制度を導入するという姑息なやり方である。外身も中身も一緒に提案してきて、話し合うのでなければ意味がない。

 また本来公務員の仕事は査定には向いていない。学校事務で考えてもわかるだろう。いったいどんな仕事をしたら優秀で8号給(現2号給)も昇給できるというのだ。

 今回の給与構造改革に伴う公務員給与の大幅削減は、火の車の国、地方自治体の財政を破産させないために近い将来実施しようとしている消費税率の大幅引き上げ(15%とも言われている)のための人身御供である。

 歳出も人件費をこんなに削減したのだから、もう歳入を増やすために消費税率を上げるしかないと言って来るのは必至である。そうなると公務員の生活は給料は下げられ、消費税は上げられ、ますます苦しくなるであろう。

少数者いじめの 特殊勤務手当の見直し
 

特殊勤務手当の見直しについて(1.16提示)

1 特殊勤務手当

No

 

特殊勤務手当名称

現       行

 現 行

改 正 案

 

業務内容・支給対象

手当額(円)

手当額(円)

備考

深夜特殊業務等手当

(条例10条)

高等学校、盲、聾、養護学校の早出手当

午前5時から午前6時まで

1回

450

 

廃止

 

 

 

午前6時から午前7時まで(午前6時を除く)

1回

410

 

夜間教育課程等勤務手当(条例16条)

高等学校の夜間定時制課程に係る業務(正規の勤務時間が午後8時以降に終了するもの)に常時従事した場合(教育職給料表適用者を除く。)

月額

9,600

日額230

 

日額

 230

廃止

漁獲手当

(条例17条)

実習船に乗船する職員がまぐろ延縄漁業に関する業務に従事した場合

 

漁獲割

廃止

ただし、現行実習船での従事については、経過措置を設けて18年度までは支給する。(平成19年度から廃止)

多学年学級担任手当

(条例18条)

小学校又は中学校の教員(調整額、管手受給者除く)で、二の学年の児童又は生徒で編成される学級に授業又は指導の業務に従事した場合

月額

6,400

日額300

 

2 実施時期

  18年4月1日


 県教委は1月16日、給与改定だけでなく、特殊勤務手当の改定についての最終提示をしてきた。

 もともと勤務に特殊性があるから支給してきた手当である。毎日午前7時前に勤務に就かなければならない職務や、午後8時以降に終了する
 
勤務が昨日までは特殊であったけれど、4月1日からは特別ではないと決めることが異常ではないか。

 総務省から国にない特殊勤務手当の見直しを求められていることから、該当者が少ない上記の手当の見直しを提案してきたのだろうが、少数者のいじめでしかない、決して受け入れられない提案である。
 
 

中国(昆明・桂林)の旅  No.4  渡邉研治

世外桃源
 川下りのあとに寄ったのは、川船で湖内を1周することになる世外桃源だが、岸辺に作られた複数の建物では、船が近づくとそれぞれの少数民族の歓迎のダンスや演奏が行われるが、なんだか動物園のサル山のようでもの悲しかった。

畳彩山
 市内に戻って、風洞のある畳彩山に登る。同行の夫婦は風洞のところで待つという。足が疲れたようだ。わたしはせっかく来たのだからと風洞を抜けて畳彩山の頂上に登る。漓河をはさんで広がる桂林市内が一望できる景色は登ったかいがあったというもの。江沢民など中国の首脳も登ったと記念写真が飾ってあった。

 その後、夕食時間に合わせるため、王城府近くの歩行者天国を30分間自由散策することになった。王城府の見学は、事前に私が希望していたのもかかわらず、ガイドが乗り気ではないようで無視されてしまった。しかし歩行者天国ですることがない。土産物屋に入ると日本語のうまい怪しげな人物が寄ってきて離れない。慌ててガイドとの待ち合わせ場所に戻ると、やっと離れていった。

 夕食のために郊外の食堂に行った。2階の部屋に通されたが、そこは日本人観光客ばかり。ビーフンがまた出てきて、あまりおいしくない。それに炒飯とおかゆが出てくるだが、主食ばかり出してどうするんだろう。飛行機の搭乗まで時間があるからゆっくりして下さいだって。それならもっと時間の使い道があるだろう。


県学労ニュースのトップページへ戻る| 県学労のトップページへ戻る