NEW BOOKS / 2002

NOW PRINTING
□ THE COMPLETE DISCOGRAPHY OF SYLIPHONE GUINEE
       (Private press)
-
□ Francis Falceto
    / A PICTORIAL HISTORY OF MODERN ETHIOPIAN MUSIC:
       ABYSSINIE SWING
   (Shama Books, Addis Ababa, 2001) 
       ISBN : 1-931253-09-9 / Paper back ($25.00)

仏BUDAから現在までに11本のCDが出ている『エチオピーク』シリーズの編集/制作者であるフランシス・ファルセットの手によるエチオピア音楽史。120ページ中、写真が半分で、なおかつ英仏並記という体裁をとっているため、文章量は少なく、一気に読み通せる。何より貴重な写真が満載で、これらを眺めているだけで楽しい。

20世紀前半に軍楽隊の形成に伴ってエチオピアの音楽が醸成されていた過程が割と詳しく綴られており、またこうした中からジャズ・コンボ風なスタイルが生まれていった様子もうかがわれる。その一方で、民俗音楽や民衆の生活から引き継がれていったものの役割や、ハイソな音楽と大衆音楽との相互作用といった点は抜けている。特にあの妖艶なエチオピア独特なサウンドが生まれたマジックには全く到達していないところも不満だ。最後の方では、MAHMOUD AHMED、GETATCHEW MEKURYA、ALEMAYEHU ESHETE などビッグ・ネームたちの紹介がされているが、こられも簡潔すぎて物足りない。ピクトリアル・ブックという形式である以上、こうしたことは仕方ないのかも知れないので、著者にはもっと読み応えある続編を期待したい。(7/1)


アフリカ音楽関連の参考文献については大変な豊作だった2000年から一転して、昨年2001年は特別紹介に値するものは見当たらなかった。今年も今のところ、良い文献は少なく、唯一入手をお勧めする一冊であるエチオピア音楽の入門書を取り上げてみた。(7/1)


(2000/07/01 Ver.1.0)


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