BUSHMAN [3] : INSTRUMENTS (楽器)


KALAHARI DESERT FROM THE AIR


デング(親指ピアノ)

ブッシュマンの楽器の代表は、何と言っても「デング」と呼ばれる親指ピアノだろう。板きれ(アカシアの幹)の上に鉄片が並んだだけのシンプルなものだが、ノイズを起こす仕組みはしっかりついている。写真で分かるように、共鳴器としてミルク缶を使うことが多い。女性も演奏するという話も聞くが、個人的には男性が演奏する姿しか見たことがない。同じブッシュマンの中でも、いくつかの演奏スタイルが存在し、キーの配列も大きく異なる。


ハンベロ(一弦ギター)

「ハンベロ」は針金の張られた一弦楽器で、レイヨウの尾の毛で出来たスティックをこすりつけて音を出す。写真の一弦ギターもその一種と言えるのではないだろうか(実は、手元に詳しい資料がないため、ハンベロについて正確なことは分からない)。スティックは、バイオリンのように弦に対して垂直に動かすのではなく、円を描くように動かす。親指ピアノで使うミルク缶と同じものをテッペンにかけて共鳴器として使うことがある。

ビリンバウやカルンブのように、狩猟用の弓そのものを利用する一弦弓や口琴(マウス・ボウ)もあるが、太鼓類は見かけなかった。これはカラハリ砂漠には、太鼓の材料となるような幹の太い木がほとんどないからなのだろう。また最近は手作りのギターを演奏する若者も現れている。

(この写真は不明瞭なので、そのうち差し替える予定です。)


手拍子

子供たちは男女に分かれて遊んでいた。男の子は「ブンブン」という音が発生する釣り竿のような遊具で遊び、少女たちは車座になって手拍子に合わせて踊る、そんな姿を度々目にした。

また時折、深夜に集落中の人々が集まってトランス・ダンスがとり行われるが、その際、女性たちのとても複雑なリズムの手拍子(確か9拍子だった、、後日確認します)に合わせて、男たちが明け方まで踊り続けていた。現場に立ち会って、その様子を録音しているだけで、強烈なトランス感覚に襲われたことを今でもはっきりと憶えている。


(2000/05/08 Ver.1.0)
(2000/05/09 Ver.1.1)

TOP

CONTENTS

BACK