2002 / NOVEMBER


<CD> BEMBEYA / BEMBEYA JAZZ

ギニアのベンベヤ・ジャズ、久々の新作。これもブエナ・ヴィスタの影響大と見て構わないか? 何とも、ゆる〜く、野暮ったいサウンドで、彼らに思い入れの強い方を除くと、同じベテラン勢のリユニオン作であれば、やはりケケレやバオバブを先に聴いて欲しいと思ってしまう。
細かなことを指摘しておくと、1989年に『WA KELE』というアルバムを出しているので、解説等に15年振りの新作と紹介されているのは誤りである。(11/1)

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<CD> BEL AMI / PAPA NOEL

コンゴを代表するベテラン・ギタリストのひとり、パパ・ノエルのアルバム。欧州では評判となったこの作、実は新録音盤ではなく、1984年と1994年のCDから、それぞれ4曲ずつ選んだという、少々不可解なCD。安定しきったくつろいだルンバが楽しめる。カルリートのヴォーカルが良くも悪くも懐かしい。(11/1)

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<CD> EMBOUTEILLAGE (TRAFFIC JAM)
         / SUPER CAYOR DE DAKAR

元スター・バンドのジェームスらによって、1992年3月に結成されたダカールのグループ、シュペール・ケイヨールの2枚目のCD。彼らは自分たち音楽を「サルサ−ンバラ」と呼んでいるが、その名の通り、同時期に結成されたアフリカンドからの影響を感じさせるサルサと、セネガル的ポップとをミクスチュアーしたサウンドといった印象が強い。2曲収録されているライブも聴きものだ。
オルケストル・バオバブのサックス・プレイヤー、イサ・シソッコが参加しているが、前作ではクレジットされていなかったので、パーマネントな形で一緒にプレイするようになったのは、割合近年のことかと思うが、バオバブの復活に伴い、恐らくはシュペール・ケイヨールとの活動の方は停止されるのではないだろうか。ただし、毎週ダカールで行われている彼らのライブではひょっこり姿を現すような気もするが。(11/1)

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<CD> LOS AFRO-SALSEROS DE SENEGAL EN LA HABANA

タイトルの通り、ダカールのサルセーロ達が集って、キューバはハバナのエグレム・スタジオで制作した、アフリカン・サルサ中心の作品。とにかく参加メンバーが豪華で、例えばヴォーカリストとしては、元スター・バンドのラバ・ソッセ、ジェームス、パペ・フォール、マー・セックといったスターばかりが名を連ねているし、目玉はここでもイサ・シソッコにとどめを刺す。 (11/1)

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<CD> COMMANDANTE CHE GUEVARA
        / NICOLAS MENHEIM & LE SUPER SABADOR

元スター・バンド、元オルケストル・ナンバー・ワン、元シュペール・エトワール・ドゥ・ダカール、元アフリカンドの名ヴォーカル、ニコラス・メンハイムが新たに組んだバンドによる、セネガリーズ・サルサ・アルバム。 (11/1)

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<CD> ARTISANAT / PAPE FALL & AFRICAN SALSA

元スター・バンドのヴォーカリスト、パペ・フォールの率いるアフリカン・サルサの新作。アフロ・キューバンに少しばかりセネガルっぽさを加味した、オーソドックスなセネガル風サルサが続く。30年前から進歩がないと言ってしまえばそれまでなのだが、内容はそれほど悪くなく、個人的に結構気に入った曲も数曲。例えば6曲目のように、70年代を想起させるようなアレンジはやはり気になる。
アフリカンドの大成功に刺激されてますます活気づくセネガルのサルサ・シーンだが、これまでローカルを対象とした作品を発表していた彼らの新作までもが、スターンズから国際配給されるというのは、ブエナ・ヴィスタ現象とバオバブの復活が与えた影響も大きいのだろう。
そのバオバブのリード・ヴォーカリスト、バラ・シディベも正式メンバーとして参加している。(11/11)

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<CD> GOURD ADO ORO / KING WASIU AYINDE MARSHALL 1

ナイジェリアのフジのスター、ワシウ・アインデの新作。最近の彼の作品と同様、キーボードが加わっている他(コアなファンからは今回も批判されるか?)、ジュジュ風、あるいはルンバ風ギターが聞こえたりするものの、フジの骨格を邪魔してはいない。パーカションズのサウンドの薄さがやや物足りなくも感じられるが、まずまずの充実作。(11/11)

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<CD> DEMELI / TIDIANI KONE

小編成コンボによるマンディング・ポップ。ンゴニ、ジェンベなどの伝統楽器が刻むリズムに、マリアン・ブルーズ風エレキ・ギター、それにコネのいかにもグリオっぽい朗々としたヴォーカルといったところは、極めて普通のマリアン・ミュージックなのだが、それだけに突然鳴り響く、枯れたというか、頼りないというか、そんなコネのサックスは、何とも形容しにくい存在。明らかにチープなマイクとエフェクターで録音したくぐもったサウンドも、マリ音楽ファンにとっては悪くないか?? (11/11)

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今月も月初めから大ベテランの作品ばかりになってしまった。しかし、このところますますセネガルのポップ・ミュージックにのめり込んでいるので、PAMからセネガルのアフリカン・サルサの3枚がリリースされたことは大変に楽しい話だ。(11/1)


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