2002 / MARCH


○GHANA POPULAR MUSIC 1931-1957

西アフリカのガーナ共和国のパームワイン〜ハイライフ、その知られざる曲の数々を紹介する編集盤。個人的には、E.T.メンサーのコンピなどを除くと、これほど興奮して聴いたハイライフ集はかつてなかった。現時点では今年の復刻盤1位の座にある。とにかく貴重な録音満載の推薦盤!(なお、ガーナ大学のジョン・コリンズが解説を執筆している)(3/18、26 改)

新譜
BA TAY / YOUSSOU N'DOUR
       (JOLOLI YND CD007, SENEGAL, 2001)

昨年9月にリリースされていたにも関わらず、私たちにとって長らく幻だった、セネガルのユッスー・ンドゥールの最新スタジオ作がこれ。一部で噂されていた通り、ンバラのリズムを強調した充実した曲が多い。最近ダカールで彼のライブを見てきたのだが、毎夜この中から「MOOR NDAJE」「BA TAY」「SA DOOLE」の3曲を演奏していた(詳しくは後日アップ予定の旅行記/現地リポを。なお実際の収録順は、曲目表の5・6・7・8・1・2・3・4という並びとなっているのでご注意いただきたい)。ユッスーのヴォイスは快調だし、サバールやタマのリズムは相変わらず豪快・痛快・爽快だし、「BEY」のイントロのンゴニ風のギターなども面白い試みだ。ジャケットの面構えもひどく気に入った。最近では最高のジャケットと言えるだろう。

ちなみにこのCD、渋谷の某店に若干入荷しているのみで、他に入荷する目処は全くないらしいので、その点もご注意。(3/8)

新譜
LE GRAND BAL BERCY 2001 VOL.1 & 2 / YOUSSOU N'DOUR
       (JOLOLI YND CD008,009, SENEGAL, 2001)

パリ南東の12区、セーヌ川沿いにあるベルシー総合体育館で毎年恒例となっているユッスーたちの昨年のライブ盤も早くも登場。驚くことに、これのライブ・ビデオも2巻リリースされていて、セネガル・サッカー・チームのユニフォームで登場するユッスーの姿を見るのもまた一興だ。勿論、内容はCD、ビデオともに申し分ない。(3/8)

新譜
○YOUSSOU N'DOUR ET LE SUPER ETOILE DE DAKAR VOL.1

最近ダカールで、シュペール・エトワールの最初の4作(カセット)が再発売になっているのを発見して驚くと同時に、何とかCD化して貰えないだろうかなどと考えていたところ、その一部が本当にCDとしてリリースされた。ジャケットには「VOL.1」と書かれているが、カセット版の第1集とは重複曲がなく、第3集の6曲をそのまま収録している。(3/20、22 改)

新譜
◎SONGA MA / MBAYE DIEYE FAYE
       (XIPPI, SENEGAL, 2002.2.20)

名前を読んで「誰だ?」と思うかも知れないがご安心を。ユッスーのバンドのサバール奏者、ババカル・フェイの最新作だ。タイトル曲は、現在ユッスーのライブにおいて「DUNYA」とメドレーで延々30分間演奏され、一大ハイライトをなしてるもの(ということで、一応ユッスーもゲスト参加扱いの一作)。その理由はもちろん、あのエッチ極まりないパフォーマンスにあるのだが、、、などと書いても誰も解らないか。(3/8)

新譜
◎CRAZY MBALAX / COUMBA GAWLO

21世紀アフリカで最高の歌姫、セネガルのクンバ・ガウロの新作は、これまでのヒット・チューンのリミックス集(カセットのみでのリリース)。純粋な新譜とは言えないけれど、私はまたしてもすっかり気に入ってしまった。彼女、前回も今回もセネガルで見損なったのだが、今年5月に韓国でパフォーマンスを見せることになりそう。なので、都合がつけばソウルへ飛ぼうと考えている。休みとれるだろうか?(3/18)

新譜
○TIMBUKTU / ISSA BAGAYOGO

マリのイッサ・バガヨゴの第2作。今回はコバルトを離れてのリリース。音楽各誌で高評を得ているし、レコード店各店でもプッシュされていたので、すでにお聴きの方は多いだろう。今回もクセになる一枚だ。(3/18)

新譜
○R'N BROUSSE VOL.1

そのコバルトからの新譜がこれ。ジャケットには退くし、中途半端な打ち込みも多いけれど、全体として内容はまずまず。まあ、平均点か? イッサ・バガヨゴ、マモウ・シディベ、ナハワ・ドゥンビアといった、コバルトのレギュラー陣が参加している。(3/18)

新譜
○AFRICA RAPS

タイトルの通り、セネガル、マリ、ガンビアの最近のラップの佳作を集めた編集盤。ここで取り上げられているカセットを手に入れようと、ダカールを歩き回ったが、裏ジャケットの上から1,3,8番目くらいしか見つけられなかった。、、、というのは余談で、内容はかなり良いです。(3/18)

新譜
○RUN COOL / POSITIVE BLACK SOUL

上のCDでもトリを務めている、セネガル・ラップ界のドン、ポジティブ・ブラック・ソウルにインターナショナル・リリースがあることに最近気が付いた。それもバーバ・マールなどを出しているパーム・ツリーから。サウンドの方はかなり分かり易く親しみやすいものになっている。個人的には気に入った。ちなみに先日、NHKの番組で上田正樹とデュエットしていたのはこの男(左)だ。その共演曲を含むアワディの新作も発売中(ただしカセットのみ)。(3/18)

新譜
○TALKATIF / ANTIBALAS

NYCはブロンクス在住のグループの第2作。黒く重いアフロ・ビートのグルーヴ感がいい。これをフェラ・クティへのリスペクトと解釈するか、単なる模倣ととるかは、人それぞれと思う。実は彼らのデビュー作は余り優れていると感じなかったので、買わず仕舞いだし、今作にしても直に飽きてしまいそうにも思うのだが、それでもこれを大音量で聴いてみたいと感じている。なお、ジャケット画は、フェラのアルバム・デザインで知られる、GWARIOKWU LEMIが担当している。(3/26)

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○BLACK IVORY SOUL / ANGELIQUE KIDJO

西アフリカはベニンのヴォーカリスト、アンジェリック・キジョの新作。これまで彼女の作品のサウンドがどうにも苦手で、先日出た彼女のベスト盤は未購入など、長らく敬遠していたのだが、今回の作品は私でも楽しめた。いや、十分楽しめたと書いておこう。大変良質なポップ・ミュージックに仕上がっており、ソニーの力の入れようも伝わってくる。ただ、ブラジルのバイーアの音楽/ミュージシャンに接近した成果であることからも分かる通り、これもまたアフリカという括りを脱した作品となっている。まあ、彼女に限らず、アフリカ音楽というジャンルを念頭に何かを語る必要は薄れている時代なので、これを良いとか悪いとか評する必然性は全くない、と書くこと自体、無意味か、、、。(3/26)

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○TALKING MBIRA : SPIRITS OF LIBERATION
    / STELLA CHIWESHE

ジンバブウェの女流ンビーラ(親指ピアノ)奏者の新作。(3/20)

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○SOURCE / N'JAVA

マダガスカル出身の5人組のンジャヴァの新作(確か2作目)。デビュー作が強烈な印象を私たちに植え付けたのに比較すると、やや物足りない一作と言えるかも知れない。まだ通して聴いていないので、結論は出せないが。(3/18)

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<< comment>>

新譜紹介を2ヶ月もしていなかったのだが、この間入手した盤は結構な数。真っ先に紹介したいものから、隠しネタまで多々あるので、順を追って取り上げたいと思う。(3/8)数作追加。(3/18、20)

新譜を2枚追加。他にも、未聴ながら気になる新譜や、取り上げたい新譜もあれこれあるのだが、とにかく海外にオーダーする時間や、聴く時間が取れない。そうした個人的に気になる盤は漏らさず紹介していきたいとは思うのだが、所詮は余暇を利用してのことになるので、さすがに限界がある。どうか、その点はご容赦願いたいです。(3/26)


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