2000 / OCTOBER


○SAM MANGWANA
  / SAM MANGWANA SINGS DINO VANGU
    (STERN'S AFRICA ATCD 1077, UK, 2000)

コンゴのベテラン歌手サム・マングワナの新作。プトマヨから出た前作同様に、今回もくつろいだ雰囲気の一枚。ギター奏者ディノ・バングの作品ばかりを取り上げている。コンゴ音楽は、最近のトゲトゲしくテンション高い演奏よりも、こうしたまろやかなサウンドの方が、やっぱり味がある。個人的には「Ibrahim」の再演が嬉しい。(10/1)

○KARIMBO
  / MABULU
    (HELVETAS TUG CD 1021, UK, 2000)

モザンビークの新人バンドで、ケニアやジンバブウェの音楽に通じるギター・サウンドが聴ける。モザンビークのアーバン・ダンス・リズムであるマラベンタとラップの融合を試みているとのことだ。アフリカの中ではマイナーな国から登場したポップスであること、そしてこんなところにまでラップの影響が及んでいることに興味をもって聴いてみたのだが、全体の印象は凡庸で、目新しさは感じられなかった。(10/1)

○CAMEROON : BEDZAN PYGMIES FROM THE TIKAR PLAIN
     (INEDIT W 260095,FRANCE,2000)

カメルーン南部に暮らすベジャン・ピグミーの音楽で、1999年にKwen、Mansoh、Mbonde という3つの村で録音されている。ピグミー独特のヨーデル風コーラスが主で、一部ではシタール型の5弦ハープといった楽器も使われている。内容は悪くないのだが、ピグミーのCDはあまりに多すぎて(ディスコグラフィー参照)、こうした録音を発売することの意味については疑問もある。やはり、ピグミーの音楽はまずターンブルやトレイシーの録音を聴いてからということになるだろう。ただ、ピグミー・コーラスの複雑さを分析的に聴くために、歌い手を4人に限定して、その骨格を解き明かそうとした試みは面白かった。(10/9)


<< comment>>

結局9月はこれといった作品は少なかったのだが、さて今月はどうだろうか?繰り返しになるけれど、しばらくは8月までの新譜を参考にして下さい。(10/1)


TOP

CONTENTS