2000 / MAY


○KCHABA / HIJAS DEL SOL 
    (NUBENEGRA INT 3271 2, DENMARK, 2000)

赤道ギネア(EQUATORIAL GUINEA)の女性デュオの、『SIBEBA』『KOTTO』に続く3作目。アフリカ中部、カメルーンとガボンに囲まれたちっちゃな土地といくつかの島からなる赤道ギネアという国の女性2人組。何といってもパロマとピルチのキュートな歌声が魅力だが、今回のテーマは、フェラ・クティとギター・サウンドだという。メキシコ歌謡風のメロディーにライ・クーダーっぽいスライド・ギターがからみ最後は爽快なホーンズが加わって大団円を迎える「EL VIAJERO」、アフロ・ビートに挑戦したフェラ・クティ賛歌「GRITO LIBRE」、トッド・ラングレンを思い起こさせる切ないメロディーにスクラッチやらフェラのアフロ・ビートの一節やらが乗っかる「LA PRINCESA PERDIDA」などが最高。調べてみると赤道ギネアはかつてはスペインの属領で、今でも公用語のひとつがスペイン語だった。どおりで彼女たちの音楽も、ラテンっぽかったり、スペイン風だったりする訳だ。とにかく痛快で楽しいアルバムです。

○YAALA / NAHAWA DOUMBIA
      (COBALT/MALI K7/MELODIE 09296-2, FRANCE, 2000)

マリの女性歌手、ナハワ・ドゥンビアの3年ぶりの新作。アコースティック主体で、最近のコバルト盤の特徴を受け継ぐ好盤だが、自身の前作やカンジャ・クヤテ、ロキア・トラオレの近作は超えられず。

○KENE BALAFONS / NEBA SOLO 
    (COBALT/MALI K7/MELODIE 09295-2, FRANCE, 2000)

2つのバラフォンを中心とするマリのパーカッション・アンサンブル。一連のコバルト盤と同様に録音の良さも相まって豪快な一枚に仕上がっている。

○FAVORI / THIONE SECK & RAAM DAAN
      (SYLLART SYL 96081, FRANCE, 2000)

セネガルのベテラン歌手、チョーン・セック。相変わらずの美声が魅力。ただし既に安定期のミュージシャンで、一枚通して聞くと飽きるかも。(未聴に近いため、評価保留)

○DIAMONO GROOVE / OMAR PENE
      (SYLLART SYLAF 96101, FRANCE, 2000)

こちらもセネガルのベテラン。ユッスーとともにンバラの雄といった存在。今回は、ギターやホーンズのキレがよく、ロック的でもある。(未聴に近いため、評価保留)

○SENEGAL BASIC : FATALIKOU
      (DAKAR AUDIO DIFFUSION/MELODIE DAD 003 99, FRANCE, 1999)
○SENEGAL-AFRO-CUBANO 1978-1997 : LOS MEJORES
      (DAKAR AUDIO DIFFUSION/MELODIE no number, FRANCE, 1999)

かつての奴隷積み出し基地、ゴレ島の写真をジャケットに使った、セネガルの旧音源を集めた編集盤2種。

前者は、MAR SECK の2曲を除くと全てBAOBABの旧録なので、実質的にはBAOBABの編集盤と考えた方がよい(収録曲については、このサイトのDISCOGRAPHY OF ORCHESTRE BAOBABを参照)。

後者も70〜80年代にセネガル音楽が発達する姿を知る上で、貴重な資料。レア音源が多いばかりでなく、聞いて楽しい曲ばかり。お勧め!!

○MBOA' SU / MANU DIBANGO 
    (JPS FRANCE CD JPS 64, EU, 2000)

カメルーンの大物、マヌ・ディバンゴの新作。評判につられて買ってみたけれど、いつもの通りの腰の弱さで、個人的にはちょっと軽すぎに感じてしまう曲ばかり。フェラ・クティの捧げるアフロ・ビートをやったり、ビソ・ナ・ビソでリバイバルした感のある祖国カメルーンの(故)フランクリン・ブカカの曲を取り上げたりと、時流をうまくくみ取る姿勢も相変わらず。


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ナハワ・ドゥンビアを除いてどれもほとんど聞いていないので、今月の新譜のリスト・アップだけしておきます(5/19)


(2000/05/31 改)


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