YOUSSOU N'DOUR LIVE IN JAPAN 1999


ユッスー・ンドゥールの東京公演についてのリポートです。

私が見たのは、初日1st(11/29)、3日目1st&2nd(12/1)、最終日2nd(12/4)の4ステージ。一言で要約すると、1stは現地ライブのコンパクト版、2nd は欧米でのヒット曲を中心にした構成。従って、1st の方が充実しており、2nd だけで今回のライブを評価することは不可能ではないだろうか。2ステージともアンコールを含めて70分、ダカールでは2時間10分で11曲やったのと比較すると、今回は各曲ともかなり短かめだった。

今回は、2ステージのSET LISTと簡単な感想について報告したい。

♪♪♪

<1ST STAGE>

1. NEW AFRICA

「Eyes Open」収録曲。新作「JOKO」にも収録された。シンセサイザーのみをバックにアカペラ風に聞かせる。極短く、ステージのイントロといった扱いだった。

2. WAREFF

「Nelson Mandela」収録曲。今回はブラスが入らない分雰囲気が異なるが、サバールのビートや小気味よいギターのカッティングなどはアルバム通り。BABACAR FAYE のパーカッション(サバール、コンガ、ティンバレス、他)が強烈。ババカルがこれほど凄いとはこれまで考えていなかった。

3. DJINO

「St-Louis」「Le Grand Bal」収録曲。後半、ちょっとタメがあった後の疾走感は興奮。生で聞くと「Le Grand Bal」のテイク以上の迫力とスピード感があった。12/1はこの曲が最高の出来のひとつ。

4. BESS

「The Lion」「Dikkaat」「Le Grand Bal」収録曲。これもよかった。ただし、BASSレスとなった分だけ重低音が不足していたとも感じた。ダカールで見た時の方が遥かに良い出来。

5. IMMIGRES / BITIM REW

「Immigres」収録曲。Synth-Bassがアルバムの感じを再現していた。

6. BAMBER

「The Guide(Wommat)」の"MAME BAMBA"と同じ曲。シンセの音色などは、今一つ。

7. NO MORE (DEL TEEW)

全てが最高!完璧!!ユッスーのダンスも良かった〜〜!!!「Eyes Open」「Special Fin D'annee」収録曲。もちろん後者のヴァージョンで、ユッスーのボイスが壮絶だった。

8. BIRIMA

「Special Fin D'annee」収録曲。新作のハイライトになるはずのこの曲に関しては書きたいことがたくさんあるので改めて(この曲に関するコメントは、もうしばらくお待ち下さい)。ユッスーのボーカルを堪能するには最高の素材を与える曲で、彼の生涯の代表曲となる可能性もあると思う。

ENCORE

9. SEVEN SECONDS

隣席の客の感想、「アンコールは余計だったな」。同感、、、。

♪♪♪

<2ND STAGE>

1. BAYKATT

「Lii」では "BAIKAT"、「JOKO」では "BEYKAT" と表記されている。冒頭から2nd のハイライト。

2. SHAKING THE TREE

「The Lion」収録曲。アルバム通りの構成。

3. SEVEN SECONDS

「The Guide(Wommat)」収録曲。特にコメントなし。

4. SAME

「THE SAME」と「LIGGEEY」のメドレーで、「Le Grand Bal」では "BENN LA" と表記されていた。「THE SAME」は「Eyes Open」収録曲、「LIGGEEY」は「JOKO」に収録された。ユッスーの開脚大ジャンプが今も脳裏に焼き付いている。

5. MISS

「Special Fin D'annee」「Le Grand Bal」収録曲。サバールの音やユッスーのロング・トーンは魅力的だが、(2)〜(6)のおとなしめな構成は、ブルーノート用であって、今の彼等の音楽を示すものではないだろう。

6. SET

「SET」収録曲。前半はアルバム通りの構成。後半はドラムスとサバールの一大セッション!! 3日目は、PAPE OMAR NGOM のリズム・ギターでイントロやっていたのが、最終日はシンセサイザーに変更していた。ギターのカッティングで始めた方が絶対カッコいいと思う。

7. BIRIMA

1st と全く同じ。3日目は1st&2ndとも客に反応が悪く(この曲をCDで聞いている人が少ないようで、CDと同様に「Oh、Birima」という簡単なコーラスができない客ばかり)、若干短縮した様子だった。ところが最終日はうってかわって大コーラス合戦となり、ユッスーも御満悦のようす。ブルーノート東京がスタンディングとなったのは開業11年にして初の出来事だと聞いた。

ENCORE

8. MY HOPE IS IN YOU

メロディーは美しいが、ユッスーの作品としては平凡。

9. BAYKATT

最終日のみ再演。気取ったブルーノートがオール・スタンディングとなり、ダンス・フロアと化した。凄い。ホントに凄かった。やっとダカールや世界ツアーに近い感じになり、少し安心。だけど初日から踊りたかったというのが本音。

最終日の(6)〜(9)は特別な盛り上がりだった。秋山さんも「ダカールのライブに近い雰囲気になった」と話していたほど。勿論、楽しかったけれど、「ホッとした」ファイナルでもあった。

♪♪♪

予想通り、ブルーノートという箱はユッスーには合わない。見にきた誰もが漏らしていた感想でもあった。近年、ダンス・ミュージック的要素の強化が図られているように感じられることからも、ダンス禁止という主催者側の姿勢は問題あり(詳細は後日)。また70分という時間はバンドも客もようやく乗ってきたところで終わってしまうため、終演後どうしても物足りなさが残ってしまう。やはりフル・ステージが見たい!!

個人的には、"MEDINA"、"FOOTBALL" 、"ALALOU MBOOLO"を聞きたかった。「Le Grand Bal Vol.2」の"FOOTBALL"〜"MEDINA"〜"DJINO" の3連発は表現する言葉が思い浮かばないくらいに凄い。とにかくこのバージョンに耳を傾けて欲しい。繰り返しになるが、"ALALOU MBOOLO" のダカールで見たアレンジは最高だったが、未だにレコーディングされておらず、今回も演奏されなかった。ウ〜ン、残念。

このバンドのポイントはやはり2人のパーカッション(サバールとタマ)。これらとドラムとの絡みは最高だった(アンコールでは、キューバ出身の白人が出てきてドラムを叩いていたけれど、彼も悪くない)。おかしな例えかも知れないけれど、ユッスーにサバールとタマを加えた、「トリプル・リード・バンド」といった印象さえ受けた。

JIMI MBAYE のギター等ももう少し聞きたかったけれど、彼がじっくりソロを聞かせる時間は確かになかっただろう。これまでシンセサイザー音と思っていた音の多くが、実は彼のギターだったことも発見。2本のギターのやり取りも楽しかった。

♪♪♪

なお、日によって若干内容を変更していたそうです。また、私の記憶もやや怪しいので、ブルーノートのHPにあるSET-LISTを参考にしつつ作成しました。東京、大阪でユッスーのステージに接した方からの情報をお待ちします。


(1999/12/05 Ver.1.0)
(2000/02/15 Ver.1.4)
(2000/04/03 Ver.1.5 修正)

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