8.ヨセミテ国立公園アメリカTOP


春雪解け水が滝となって谷に落ち、その音に眠りを覚まされた生き物たちが活動を始める。
夏:ヨセミテバレーの主役は人間になる。都会の重圧から少しでも逃れようと谷に遊ぶ人々。
喧噪のなかにあって、ヨセミテの自然は威厳を失っていない。
秋:引き締まった空気が谷に満ち、ヨセミテは静寂を取り戻す。木々は美しく着飾ったその姿を川面に映し、滝はその落下を止め、神々の訪れを待つ。そして冬。白いベールに覆われて谷は、神々が集い、遊ぶ場所になる。神々に見守られ、地上の生命は、新たな躍動の時まで安らぎの中にある。
西海岸から数時間というアクセスの容易さもあって、ヨセミテは全米で最も人気のある国立公園の一つだ。そのため、夏のビレッジは大変な混雑となる。しかし、ビレッジを一歩出て、トレイルを歩いてみると、雲によって、太陽の光によって、そして風によって多彩な表情を見せてくれる自然が現れる。人間にとって何が一番大切かを教てくれる。
●ヨセミテの滝

アメリカ最大の落差を誇る滝で、バレー全体に轟音をとどろかせる初夏の姿は、ヨセミテのシンボルの名に恥じない大迫力。岩壁の氷をバリバリと剥がしながら落下する春もダイナミックだ。アッパー滝(436m)、カスケード(206m)、ロウアー滝(98m)に分かれていて、合わせると落差は740mで世界第5位。
ハーフドーム
ビレッジの奥に鎮座擦る,丸いドームを縦半分にスパッと切り落としたような岸壁。麓から頂上まで1443m(標高2693m)、見る角度のよってかなり趣が違う。氷河に削られた岩肌には2万年の風雪に耐えてきた貫録と存在感があり、喧噪のヨセミテバレーをじっと見下ろしている。バレー内では、センチネル橋からの眺めがよい。またグレーシャーポイントからの眺めは圧巻。

グレーシャーポイント
カリービレッジの頭上にそびえる絶壁のてっぺん。自然が造った標高2199mのパノラマ展望台だ。とにかく眺めは最高。正面にハーフドームが迫り、眼下には箱庭のようなバレーが広がる。
ここはまた夕焼けスポットとしても人気がある。壮大なスペクタクルが終わると皆それぞれ引き上げて行くが、ちょっと待って、闇に沈む前のほんの一瞬。ハーフドームの頂だけに虹が差すことがある。また、月に照らし出されたハーフドームも絶品だ。