7:デスバレー国立公園アメリカTOP

猛烈な砂嵐の吹き荒れる夜、静寂がすべてを包み込む焦熱の昼。デスバレーの自然は過酷だ。そこには人間の存在を拒否するような厳しさがある。それだけに、その風景は純粋かつ幻想的である。これは紛れもなく「自然」の姿であり、畏敬の念を禁じ得ない
西半球で最も低い土地であり、また暑いところとして有名なデスバレー。谷の中心の標高は、海抜マイナス86m、真夏には気温50度を超えることもある。(過去最高は57℃)。おまけに年間降水量がわずか50mmたらず(ちなみに東京の降水量は1400mm)。まさに灼熱の谷である。
バッドウオーター
ファーニスクリークから南へ車で約30分。駐車場で車を降り、真っ白な大塩原へと歩き出す。塩の結晶は美しくも不気味な模様を描いている。あまりに広大で、それが塩と信じがたい。なめてみると苦みが強い。ここは西半球の最低地点で、海抜はマイナス85.2m。でも本当は、ここより北西に6kmほどのところのマイナス85.9mが最低地点だ。かっての塩水湖で「悪い水」という名前もここからきている。

悪魔のゴルフコース
塩の結晶と泥が混じりあい、固まって激しい凹凸を造り上げている。人間ならゴルフはおろか、ラグビーでもできないような荒地だが、悪魔ならここでプレーできるということなのだろう。SF的な不思議な風景だ。
悪魔のコーン畑
Arrowweedという植物が異様な姿をさらしている。普段は塩分が多く、雨が降ると湿地になる土地で生きのびるために、根がジャングルのようになっている。いわば、マングロープと同じ原理だ。