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2010年10月27日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
久しぶりに大台ヶ原を目指した。 2,3年前にKLEで来た時は、時間の余裕がなく、半分歩いただけだったが、今回は少し気合いを入れて歩こうと、8時過ぎに家を出た。 道の駅「杉の湯 川上」には10時に着いた。 中年ライダーがたくさんトイレ休憩していた。トイレには、バイク事故を防ぐための心得を掲示していた。 ロングツーリングのコースとしてここ169号線はすばらしいコースである。 大台ヶ原駐車場には11時に到着。 ところが紅葉人気で、かなり広い駐車場は満杯。路上駐車を余儀なくされた。バイク置き場も満車。 人気スポットだから我慢しよう。 ![]() 歩き始めは、11時40分。 定番の東大台コースを歩くことにした。大台荘の右を抜け、快適な山道を歩く。入り口にセンサーがあった。人数をカウントしているのだろう。木立の間から見える紅葉が美しい。欲を言えばもう少し晴れていてほしかった。 30分ほどで展望デッキに着くが、まず山頂を目指して歩いた。 きれいに整備できた歩道から振り返ると、様々な色でそまった山がある。この階段は気合いを入れないときつい。 日出が岳の頂上には、12時20分に到着した。 頂上の展望台の階段に、大阪言葉のおばちゃん達が食事をしていたが、階段いっぱいに陣取り、あとから来るものは後ろから登らなくてはいけなかった。もう少し配慮がほしいね。 頂上の広場の片隅で、昼食にした。12時30分であった。ガスコンロで湯を沸かし、味噌汁を作った。 2つほどのパーティが同じように湯を沸かしていた。 食事を終わり歩き始めたのは、1時であった。正木峠を目指して歩いた。 正木峠には1時30分に着いた。このあたりになると枯れ木が目立つようになる。 伊勢湾台風で木が倒れ、コケ類が減少しミヤコザサが地表を覆うようになったため、生態系のバランスが崩れ、こうして枯れ木の原になったという。こうしてみるとやはり海側の樹木がよく枯れている。 はり台風の風によりダメージを受けた部分が、まず枯れ出したのだろう。 痛々しい感じだが、これも自然のサイクルの一つである。これを人間がうまくリードすれば、必ず元に戻ると思う。 手を入れて復活を促すことで、森は甦ると思う。 ![]() 正木峠を越え、正木が原を越えたあたりで、私は大失敗をやらかした。このあたりは、石ころの多い山道が続いているが、よそ見をしていたのか、杖の着く位置が悪かったのか、いまだにその理由が分からないのだが、50センチくらいの段差を転けてしまった。不思議なことに、どこも打った気配がなく、痛くない。 額に軽いコブが出来ているくらいであった。(あとで膝にすこし赤くなったところがあり、押すと痛かった) カメラも無事であった。しかし、標準ズームレンズが壊れた。富士のGA645は無事であった。 レンズが使えなくなったのでワイド系がなくなり、それ以後の撮影には少し不便であった。 「もう若くはないのだから気をつけなさいよ」という、山の神の叱咤かなと、気を取り直した。 転けた理由をいろいろ考えながら、牛石が原に着いた。 ![]() ここで会いたい人があった。神武天皇さんである。神武さんは、以前と変わらず立っていた。 神武天皇が日向から大和へむかう途中にここに寄ったのだろう。 「天つ神の御子をこれより奥つ方にな入り幸でまさしめそ。荒ぶる神甚多なり。今、天より八咫烏を遣はさむ。故、その八咫烏引道きてむ。そのたたむ後より行でますべし」の、八咫烏もある。 私は、アレキサンダー大王の説話が伝わり、時の日本の権力者があちこちの有力者を打ち倒していったことに、日本的解釈をくわえ、古事記や日本書紀に書いたと思っている。そして神武天皇は実在したと考える方が、正しいと思っている。 牛石が原を過ぎてまもなく、鹿の親子が草を食べていた。人が近づいても恐れる気配がない。 以前来た時には日出が岳展望台付近にたくさんいたのが、見えなくて少し寂しい思いでここまで来たが、いきなり出くわし、うれしかった。しかしよくよく考えてみると、こんな気弱な野生が、こうして人のすぐ近くで何の警戒もせずに食事をしていること自体異常なのだが・・・。 しかし、こうして野生が間近に見えるというのはありがたく楽しい。餌が豊富にあり、栄養がいいのか奈良公園の鹿より毛並みもきれいであった。ふと、ここで奈良公園の鹿せんべいを与えたらどうなるだろうかと考えた。 ここで我々は失敗をした。肝心の大蛇ーへの道をやり過ごしてしまった。ただ歩き終わってみて、もし大蛇ーへ行ったなら、最後の道は暗くなっていることを思ったら行かなかったことが正解だったかもしれない。 シャクナゲの時期にまた見に来よう。シャクナゲの群生がある長い下り坂を転けないように下り、シオカラ谷に到着したのは、4時20分であった。シオカラ谷の沢の水はすばらしく透明であった。 吊り橋からいきなり急な登りになり、ここまで歩いてきた疲れもあり、途中で一息入れるために休憩した。 その頃にはもう夕焼けのオレンジがあたりを染めていた。 再び駐車場に帰り着いたのは、5時20分であった。駐車場には5,6台の車が残るだけで、広々としていた。 ドライブウェイからの夕暮れはきれいであった。
予想通り大勢の人がやってきており、朝6時30分には駐車場が満車となったということで人気が伺われる。 車を置く場所がなく来た道を少し戻って路駐した。 期待した紅葉は、風に吹き飛ばされたのかほとんどなかった。一緒に歩く人たちも、 「期待はずれやね」などといいながら歩いていた。 青い空をバックに紅葉が撮れたらと思い、重いズイコー12−60mmを下げていったのに肩透かしを食らわされた。 写真だけが目的でないし、自然の営みは人間の観光のことなどは関係ない。今日の山歩きの目的の一つは、先日痛めた足がどの程度回復しているかのチェックもあった。紅葉がなくてもそれほどの気にはならなかった。 ビジターセンターを出発したのは11時であった。 痛めた足は完治とはいかなくても6kmのアップダウンを無事にこなしたので、まずはよかったという感じだった。 牛石が原には12時少し前に着いた。昼食は神武天皇像の下で食べた。 人がいっぱいで、気持ちよく座る場所の確保が困難であった。 大蛇ーへいった。大渋滞であった。対岸の崖を見ると何人かが岩に張り付いてロッククライミングをやっていた。 「お〜こわ」という感じである。落ちればアウトである。二人へばりついて登っていた。崖の上では数人が待機していた。 山の登り方もいろいろあるが、こうした直登は技術もいるし、何よりも体の柔軟性が要求されるだろう。 私もやってみたい気はあるが全身がカタクなっているので次のステップに足をかけるのが大変だろうと思う。 大蛇ーの岩の上は、低気圧の関係で台風並みの強風が吹き荒れた。 青い服の方のごみを入れたビニール袋が横になっていることでも風の強さがわかる。 薄着で来た子供などは、寒さと強風で泣いていた。山を甘く見てる感じの服装で来ていたがやはり子供の時分から危険回避のための装備とココロガマエの必要性を教えておくべきだと思う。風邪など引かなければいいかと思った。 岩の上では、風で飛ばされないように這いながら突端まで行った。 リュックを背負っているので風の抵抗を受けやすく、揺さぶられた。 大蛇ーへのコースは橋や柵が新しくできていて以前よりははるかに行きやすくなっていた。 以前のままだと今日の強風ではとても危険で行けなかったであろう。 登山道そのものも、コース全体も石を敷いて歩きやすくなっていた。妙な階段にせず、石畳にしてくれているのはうれしい。 補修をしてくれる人達に感謝である。 シオカラ谷には14時17分に着いた。渓流の水を汲んで沸かしコーヒータイム。 ニコンAW100防水カメラを水の中に突っ込み水中を撮った。水のきれいさがわかる。 ごみのようなものは落葉なのである。 紀ノ川だと浮遊するゴミがあるのだがこの川は、ない。 駐車場には自転車もたくさん来ていた。バイクも普段の3倍くらい並んでいた。 ちょうど日没の時間だったので途中の開けた駐車場で陽が落ちるのを待った。 二人連れが自撮り棒で写真を撮っていた。 こうしてみると熊野の山々は幽玄ですばらしい。
今回の行き先の目的は、昨年登ったとき、道を見失って行けなかった大蛇ーで、今回はリベンジとなる。 ![]() やはり紅葉にはまだ早く、天気も曇ってきたのでイメージ通りの大蛇ーではなかったが曇りの日は曇りで雰囲気があり、雄大な熊野の山並みに感動しました。 そして大台ヶ原といえば鹿。あちこちにたくさんいた。 とにかく鹿が多すぎる。奈良公園状態である。やはり狼の復活が必要である。大台ヶ原の生態系がますます悪くなるのではないかと心配である。 山道は、3時半頃歩き始めたので遅くなり帰りの山道は真っ暗であった。 小型のライトを持っていたので特に不安はないが、ライトがないと真っ暗な山道を歩かなければいけないところだった。 帰りの自動車道路にもたくさんの鹿がいた。 はねるといえば、道の駅杉の湯を少し過ぎたところで、大型バイクと高齢者マークをつけた乗用車とが衝突し、バイクの運転者らしき人が道に横たわり、担架に乗せられるところであった。乗用車がセンターラインを越えてバイクと正面衝突した感じであった。私もバイクへ乗るので人ごとではない。色つきプロペラマークの車には十分注意しなければ・・・・
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