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August/2002

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Aug/1(Thu)
ネットで「ありがとう」を聞く。
その昔沿岸に住んでいたころ、冬になるとMBSラジオが聞こえてきて、「ありがとう浜村淳です」を聞きながら通勤したことがあります。内陸に移っても冬場はちょっとだけ聞こえてくるのですが、「いちばんに入れるスイッチ何でしょう?」のころは相当雑音がひどくなるのです。
さて、あちこちでWebラジオが聞かれるようになりました。アメリカのように日本もリアルタイムでインターネット送信をしてほしいところなのですが、著作権やスポンサーの問題で難しいものがあるようです。具体的にいうと
「うちの社のCMは○○地区限定で流しているので、他の地区に流れると困る」
というものです。では、なぜ「ありがとう」が浜村淳しゃべくりの1時間弱、ラジオでしゃべっている通り、ほぼノーカットで流れるのか?一応スポンサーはついているのです。しかし(ラジオを聴いたことのある方はわかると思いますが)、1時間しゃべっている間、CMが入らないのです。スポンサーのクレジットは流れるのですが、気が付くと次のコーナーに行ってます。
普段テレビを見る暇がない状況で6時前に帰宅しても、見る番組がないのです(野球は結果が見えてるし、サッカーの中継はないし、ドラマも細切れになってだめ)。となると、1時間Webで「ありがとう」を聴いてる方がましです。
1時間しゃべくるのは、その日の新聞や週刊誌からの時事ネタです。映画についても話します。噛み砕いて話すので、ラジオで聞いていてもイメージがかなり出てくるのです。東京や他地域で1時間CMなしだったらどうなるんだろうかと考えます。というより、朝の1時間に求められる情報は天気だったり、交通情報だったり、時刻だったりします。それを新聞の読み聞かせにするのはある意味で英断です。Webで浜村節が聴けるようになって、ありがたく思ってます。
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Aug/2(TGIF)
高校演劇宮古・南盛岡ブロック2日目
高校演劇宮古・南盛岡ブロックについて、取り急ぎこちらに書いておきます。あとで小部屋には整理したものをアップする予定です。
岩手県大会出場を決めたのはここまで7校。盛岡第三・杜陵・盛岡女子(以上県北・北盛岡)、それに盛岡スコーレ・盛岡市立・岩手女子・盛岡第二(以上宮古・南盛岡)。これに県南の2校、県央の2校が加わります。
☆盛岡市立/シャドー・ボクシング
既成脚本で見たことがあるものは、どうしてもその作品と比べてしまうものです。これは2回書かれたうちの最初の方だとわかったのですが、どうもピンとこない。
「いじめ」について、わかっていても手を出さない周囲に、作者(石原哲也)は怒っているのです。やるせなさを記しているのです。2度目の稿では主人公の弱さを引き立たせ、見ているこちらをいらいらさせます。その葛藤の部分がこちらまで伝わってこないのが物足りません。
その原因はキャストのほとんどが1年生に占められていることにあります。主人公を女子がやったことを考えると大健闘という見方もできます。でも、物足りない。それは役者の動きに裏づけなり掘り下げが見えないことにあります。車椅子に乗ったばあちゃんがやたら上半身を動かして表現してましたが、あれは動かしすぎです。
小名浜が一つの形を作って上演した作品を取り上げる勇気は買いますが、泣かせる芝居にするには、まだまだ越えるべき壁があるように思います。
☆不来方/あなたも・・・ですか
受験勉強を続けないと禁断症状が起きる高3に、電車で5つ先から来た高3が話しかける。「きょうはいい天気ですね」「答えがわかっていることを聞かないで」「今の私の気持ちを次の5つの中から選べ」「該当する答えなし」「正解です」。延々とそういう会話が続くことを嫌った子は、強硬手段に出る。そこでわかったことは・・・。
リアルタイムで動く時計を中央に置き、「強硬手段」からSSでぐっと迫る照明を作る。山場の見せ方はわかりましたし、「不条理劇の不来方」のここ3年では一番わかりやすい芝居だったと思います。
しかし、ここも役者の性格付けが甘いために、本来の冷たさ・台詞が伝わってこないのです。受験生の母親が若く見えてしまったのは、メイクが薄いせいだけではないように思います。
☆岩手女子/Don't give up all hope
性同一性障害・家出した犬・おどり部。これらの糸を絡めながら物語が始まります。最初は大黒幕を背景とし、箱(部の道具を入れたり、実は照明も仕込まれてます)が並べられています。演技のアンサンブルに一定の水準が見られ、そこは安心できます。
犬(ケン)と男女の江梨花、どっちを見せようとしたのでしょう。飼い主がやってきて逃げるケン・逃がす部員たち、なのかなぁ。それから後半にかけての江梨花の葛藤が曖昧なままエンディングに向かっていきます。当然、県大会に向けて直しを入れるんでしょうが。
最後の踊りシーンを設けるのはよいとして、装置を生かしきってない。というより、照明に頼っていて、踊りそのものが甘いのは何とかしてほしいです。声のトーンは許せるところまで来ていても、暗いレベルの子がいるのがわかります。
☆盛岡第二/極めて普遍的なベルベット・カフェは存在するか?
昨年に続いて、装置の仕込みに時間を取られ10分押しで舞台が始まります。それだけの大規模な装置を作る理由は転換場面を見てわかりましたが、本当に必要なものだったのかどうか。
たぶん、おしゃれな脚本なのでしょう。不条理・ナンセンスさを笑い飛ばし、1時間を駆け抜けるというのは「盛二カラー」なんだと思います。そこそこの観客動員があって、舞台のあちこちから笑いが起こる。それはいいとしても、笑いを取るシーンの台詞が20世紀バージョンそのままで、21世紀の現在に直しが必要になったのではないか。台詞は聞こえていたとして、暗いトーンのまま。あちこち飛んでいて何を言っているかわからない部分あり。何より、台詞を飛ばすことを優先させるあまり、舞台上の会話が成り立ってない状況が目につきます。「器用な役者」が生きるには、土台となる基礎が必要になってきます。
(2002年8月1日盛岡劇場メインホール)
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Aug/3(Sat)
to be 〜
4ヶ月前に入部した1年生がそれなりに舞台で演技をする。やる側は何だかわからないうちに芝居をし、観客席からの視線に耐える。何校かの芝居を見て、水準がこの程度なんだろうというのはわかりました(注・世の中には全国大会が初舞台となる1年生も存在するようですが、そのことについては追って報告します)。
さて
「こういう発声だったらまだまだ」
と外に向かって言っておきながら、足元を見るとまだまだおぼつかないありさまで、こちらが助け舟を出す状況があります。
「読みはこうやっておいてね」
「感情を込めて台詞を話すんだよ」。
ところができない。声に出して読んでいるらしいのですが、周りが判断するとそうじゃない。演出は
「練習してきてね」
と言っているのですが、彼が要求する水準を満たしていないのです。
20分ほど1対1で指導。原因は「何をどうやったらいいのかわからない」ところにありました。
一人でぼそぼそと台詞を語ってないで、相手が見えるように間を取ってみる。行間に台詞を入れてみる。口先でこもって話してないで、その先を意識して、聞こえるように語ってみる。そうなると、アドリブの根拠が見えてきて、ここで語るべき台詞がどうなのかわかってくる...。
1年生1人でそこまでやってみろ、と言われてできなかったのは、正直な反応だと思います。去年はメンバーがたまたま芸達者だったことと、仕上げが1ヵ月遅かったのでのんびりやっていた点がありました。
いや、今年もここまではのんびりしてきたのです。このままではまずい。本番まであと2週間。他校は2週間できっちりと芝居を作ってきた、という話を聞くにつれしっかりしなければと思います。ここ数日のやり取りを見ると、顧問をやっているのではなく、顧問になっているのだということを感じます。なりふり構わずあれこれと手出ししないとまずい、というのが現在の心境です。
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Aug/5(Mon)
"Run for your Wife!"を観に。
演劇な日曜日の折り返し地点。3週目はせんだい演劇工房10-BOXまで足を運びます。雰囲気でいうともりげきタウンが地上に出て、練習場所を加えたと説明すればわかるでしょうか。4日間公演の最終日マチネ。100人は入るだろうホールが埋まらなかったのは、Literary Gulid Theaterが知られてないためか、10-BOXが認知されてないのか(稼動は6月ごろから)、「1800円が高い(=高校生・談)」ためか。はたまた「台風6号の爪あと(=知人・談)」からか。
Ray Cooneyが作ったこの作品が9年間も上演されているというのは、ブリティッシュテイストに裏打ちされた、確実に笑える作品だからでしょう。
タクシー運転手のジョン・スミス(前田優作。演出も兼ねてます)はメアリー(鈴木薫)とバーバラ(田辺静恵)との2重生活を平穏に送ってました。ただし強盗事件に巻き込まれるまでは。2つの住所があることがばれ、親友のガードナー(菊地誠)と硬派のトラウトン警部(菅原玄哉)、軟派のポーターハウス警部(南城和彦)がややこしく絡み、ジョンとガードナーが何重にも嘘をつきます。心騒がせたメアリーがバーバラのもとに乗り込み、彼女が見たのはゲイのボビー(高野真一郎)だった...。
ジョンがどう破綻するんだろうか、と思いながらこちらは見ます。破綻するとわかっていながら、つい笑ってしまう。メアリーの壊れ具合、芝居に芝居を重ね戸惑うガードナー。お茶目なポーターハウス警部。それは、何重にも張り巡らされた計算された虚構から成り立っていて、だから笑えるのです。原作のRayが舞台で自ら試演を重ねたからこそ、笑いに説得力が増す。8人出てきたキャストがきちんと色分けされていて、達者にこなしていた故に笑えたのだろうと思います。トラウトン警部が最後に発する一言が、ブリティッシュなオチになるわけです。
演出はジョンの気弱さにスポットを当ててたようですが、それを強調すると日本調になってしまい「2人妻は許されない。ジョンに報いを!」という見方に陥ってしまいます。彼のウィットに富んだ開き直りが見えれば、なお純粋に楽しめたような気がしました。淡々と芝居をするメアリーの壊れ具合が出色でした。
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Aug/6(Tue)
おもいでづくり。
まとまった休みが取れないとわかっている今シーズンの夏。盛岡さんさ踊りや盛岡肴町七夕に連れて行って、ご飯食べて、お茶して帰ってくるのが家族でできるやっとのことです。子どもたちを山や海に連れて行くこともできず、(申し訳ないなぁ)という思いでいっぱいです。でも仕事なんだよ、今年は。
いわゆる夏休みが終わってから、小旅行に行こうと計画しているのですけど
「テントを張ってキャンプをしたい」
というのが息子の本来の欲求のようです。
「パパは旅行に連れて行くって言ってるよ」
「だって、ぼくが本当にしたいのと違うんだもん」。
妻子3人がセットで動くことでちょこまかとしているのですが、とりあえず娘は満足していても、息子のさびしさは満たされません。
「家に帰ってパソコンばっかりやっているパパ」
に対して、実はかまってほしい、一緒に遊んでほしい。そう妻が言います。息子が言葉にして言い出すのは夜9時過ぎで、彼の要求する肉体的遊びをするには近所迷惑を伴います。そこで引くと、彼はしょぼんとしてしまいます。罪作りだなぁ。
この先に待っているのは5日間の出張であり、入れ違いに彼らは祖父母のところに行きます。再会するころには夏休みが終わりになっています。彼の絵日記には何が残るのでしょう。なお冷夏が続きそうだ。天気予報はそう言ってました。
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Aug/7(Wed)
県立高整備計画
花巻農と北上農が一緒になって「花巻農」。農業のみならず、技術革新に対応できる人材を養成する。花北商が「花北青雲」に校名を変え、商業科を情報に特化させる。岩泉・小川(こがわ)校を廃止。以上が来年度の実施分。黒沢尻南の共学化は新校舎が完成しないので先送り、気仙地区の3校を束ねることは地元の理解を得られないので先送り(本日の朝日・岩手版)。
新生花巻農は、新入生を現・花巻農に入れて、在校生はそれぞれの校舎で学習を続ける。この方針を提示する前に、当然現場に説明をして、それが了承されたから発表があったのだと思いますが、もしかして唐突に昨日の会見が行われたのでしょうか。
方向性はあらかじめ決まっていたものでしたから、それは了とします。例えば花巻地区の2校をより専門的な内容で学ばせたとしても、そのような高校生を社会が受け入れるかどうかは別問題です。
「コンピュータを学びたい」
コンピュータで何を学びたいの?
「もっとコンピュータを触れるようになりたい」
触って、将来どうしたいの?
「自分の仕事に役立てるようにしたいです」
自分の目指している方向ってなに?
「それは将来考えます」。
県教委(なりそれぞれの高校のトップ)が考えるのは、専門学校生に対抗した知識を身に付けさせようという内容であり、高い就職内定率を維持させようということなのでしょう。それはよくても、世の動向が「即戦力」を求める方向になってます。専門性は上級学校を出た学生と一緒でも、彼らは実社会でもまれている経験があります。「高校だけじゃちょっとね」という風潮に対して、「革新」「情報」が好きな県教委の対処がこれでよかったのかどうか。花農と北農の束ね方をどうするのか(これから現場が苦悩することになるでしょう)。気仙の3校について具体的な動きが見えないのですが、束ねる方向でそのまま進んでいくのかどうか。期限が来たのでばたばたと発表したように見えるのです。
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Aug/8(Thu)
鹿島との差。
駒場スタジアムを覆っていたまったりしたものが何だったか、バックスタンド西側コーナーを見渡せる場所で考えます。アウェイ側(通称出島)の鹿島サポーターが小気味のよい応援をしていたのに対し、東のコーナーBoysたちほど盛り上がらない西にいたので、盛り上がれなかったのかもしれません。
とりあえず前半はプレスが決まっていたのと、鹿島の攻撃に精度が欠けていたので、点を取られる気がしませんでした。マークのずれもなく、目的意識もしっかりしていたように見えたので、去年見に行った神戸戦のようなイライラ感はありませんでした。
後半になって、暑さで動きが悪くなったのは浦和の方でした。
「1週間に3試合なんて、ワールドカップ後の状況を考えてくれ」
と言ったのはむしろ鹿島の方だったと記憶してます。ところが1対1の攻防で鹿島にボールを渡すことが多くなり、防戦一方。柳沢が決めたゴールは、DFがボールを出そうかどうか一瞬迷ったところを突かれたものです。ところが、浦和はサイドにボールを回してもフォローが足りない。中央突破しようとしてもDFに止められる。トゥットがGKと1対1の決定的なチャンスをつかんでも打てない(←昨日は特にぱっとしませんでした)。サブの山田・阿部・永井が交代で出てきて、いいポジションを取っているのだけれども長続きしない。「ロスタイム3分」の表示が出たところで、何人ものサポーターが席を立ちます。それほど、昨日は点を取れそうにない状況でした。
サッカー通の同僚が言います。
「浦和のFWは外国人頼りだ」。
トゥットに冴えがなく、エメルソンが出場停止。エメがいないことで、バランスが出てくるだろうという私の見方は、当たってもいましたし外れてもいました。後半部分、中央突破にこだわったり、パスのつなぎ方がよく見えなかったのは、エメ頼りの攻撃だということを露呈することになりました。
♪やなぎさ〜わぁ。
♪うらぁわれっずをぶっとばせぇ
という応援は、私からすると幼く聞こえるのですが、勝ったのは鹿島でした。とことん打ちのめされた感じでなく、後半にあれよあれよと2点入れられて、気が付いたら「また負けたのかよ」という気持ちにさせられる。浦和が成熟したチームになるには、もうちょっとかかりそうです。
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Aug/9(TGIF)
アテルイを観る
Inouekabuki Shochiku-mixのアテルイ。製作・松竹となってますが、劇団☆新感線との共同プロデュース。私にとって初☆新感線です。

(−−この先、ややネタばれあり。観劇予定者注意!!−−)

大音響とビームが飛び交い、台詞のやり取りがPAから聞こえる。素人がまねしようにも、タイミングの問題、費用の問題、劇場の問題があって、この域まで決まっているのはもう芸術です。などと書くと新感線ファンに怒られるな。うーん。
北の狼<アテルイ>(市川染五郎)と坂上田村麻呂利仁(堤真一)が軸になり、鈴鹿(じんみょうまると2役=水野美紀)が絡んでの芝居。互いが互いを認め合いつつも、しかし大和(=田村麻呂)と蝦夷(=アテルイ)という立場が明らかになることで、袂を分かって争うことになる。そして...。
1幕を見る限り、アテルイ側の悲哀が打ち出されいて、また東北人にくすぶっている大和憎しの感情を増幅させるだけかと思いました。しかし憎悪の先にあったのは大和だけでなく蝦夷側にも内在していて、登場人物が寝返る状況が出てきます。今回の3大キャスト(市川・堤・水野)はきれいな存在にして、脇で見せる。アテルイと田村麻呂の絡みはまぁいいとして、蝦夷側の憎悪が後半薄くなった(というよりも帝内部の問題を出したからだと思います)ことと、ラストが岩手人には解せなかったのです。
紀布留部(植本潤)と御霊御前(金久美子)の妖しさが妙にはまってました。蛮甲(渡辺いっけい)も難しい役をよくやります。美紀ちゃんは一生懸命やっているんだけど、周りにおいしいところを持っていかれてます。これからでしょう。
照明やら花道の使い方、回り舞台、奈落の上げ下げなどなど、てんこ盛りのサービス。勉強させてもらいました。
公演は28日(水曜日)まで、新橋演舞場で。作/中島かずき。演出/いのうえひでのり
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Aug/19(Mon)
室積光さんへ
おはようございます。先日は上演先まで電報を送っていただきありがとうございました。生徒たちが選んだ『都立水商!』は審査員に「自分たちの中に落として、楽しそうにやっていた」というように認めてもらいました。その講評を聞いて、次の上演を一度は確信しました。ところがその数十分後に発表された審査結果を聞いて「次はない」と悟りました。そこで講評の続きを思い出します。
「楽しそうに舞台で演じているのはいいのだけど、何がいいたいのかわからない。それは現実にはありそうにない水商売専門高校を扱っているからで、どういうふうに表現しても中途半端になってしまう」。実像の高校生と、虚像としての水商の位相がずれたまま、伝わらなかったのだと。
予選を通過したのは、都第四商もやった『夏の庭〜The Friends』と鹿児島県の代表にもなった『トシドンの放課後』の2本でした。後者の学校への評は
「練習不足、もっと練習しなさい」
というものだったのですが、その学校が予選を通過したのは脚本の完成度なのだろうと思います。
生徒にとって不条理な結果(そして、これから職員朝会での説明が待ってます)をどう説明するか困っているのですが、要は
「それだけのエネルギーを持っているのなら、創作で大会に出なさい。そうでないと上の大会にはいけないよ」
という審査員(=3人とも創作脚本を作る方です)からのメッセージなのだろうと思います。それは一地区へのメッセージ、というよりも岩手全体へのメッセージだというように感じました。
他県はこれから予選大会が始まります。そんな中、夏休み中1日も休まず練習を強いられた部員が向かう先は、次の脚本の練習です。県大会直後、ステージ発表(ついでにホールで公演をしようと考えてます)があるので、明日には本読みに入ります。それが終わって東北大会の裏方。そこから創作の作業なのかなと思ってます。
日没が早くなって少しずつ秋めいているようですが、残暑厳しき折、お体には十分ご自愛の上、次回作に期待してます。どうもありがとうございました。
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Aug/22(Thu)
ちゃねるの姿勢について。
盛岡に劇団ちゃねるというところがあります。大学生の劇団としては後発の岩手県立大学に属する学生たちがやっているところです。今年で5年目で、どうも苦労が絶えない。そんな内情を垣間見たのが先日行われた『よき敗者たれ』でした。
感想は別のところに書いたので、ここでは省きます。それはよいとして、ちゃねるについて知人(劇団に属してない大学生)がこう言ってきます。
「他の劇団に比べて気持ちの裏づけができてない」。

座付きの作家の恩師でもある方は
「やりたい劇をやるのが一番よ」
と言ってました。例えそれが周囲に受け入れられなくても、「方向性の違い」といって劇団から人が次々去っても、現実と向き合い、今を抉り出す劇を作る姿勢はもっと評価されていいのではないかと思います。
「盛岡では異端に見える云々」と過去に言ったとき、創設メンバーの大川君は「最大のほめ言葉」と喜んでくれました。それはちゃねるの短所でもあり長所でもあります。例えば、盛岡劇場に出入りするだけでも違っているのですが、ちゃねるはそれをしない。あくまで、自力でがんばる。創作でがんばるところが清々しい(裏を返すと誤解される)ところなのだろうと思います。でもそろそろ大川・旭路線の先を見据えた何かが出てくるとよいかなぁとも思うのです。

インディーズはインディーズの道を行けばよいのです。ただ時々は市内のホールに出て、風に当たってみればよい。そこで方向性の確認できればいいと思います。私は、県内にある大学劇団の中でちゃねるが一番好きです(母校でもないのですが)。次の作品を期待してます。
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Aug/29(Thu)
いえ、これは実験です。初日
もりげき八時の芝居小屋第48回、八時の芝居小屋制作委員会プロデュース、柏木史江/作・演出の「いえ、これは実験です。」を見に行きます(8月28日盛岡劇場タウン)。各劇団の旬のキャストが選ばれ、白のモノトーンに吊り物・鉢植えを始めとする緑(駿河紀子/舞台美術)。その中に無機質にテレビモニターが散りばめられてます。
住吉家の母と血のつながらない4人(3女1男)が繰り広げる日常。そこに隣人の名須川と次女の担任の加賀野が絡んで1時間40分が経過します。去年高校演劇県大会で盛岡二と一関二がやった時に比べれば、物語の本来持っている毒が出ていたような気がしますし、映像もセットもクオリティが上がってますから、それを確かめる分にはよいでしょう。
今回引っかかっているのは、役者のパワーが見えてこないことです。個々で言えば、まりこ・名須川に存在感が見えるのですが、一方で本来見えてくるべき人・場面が弱くなってしまっているのです。そこで彼女たちが手加減すると、もともと持っている良さが消えてしまう。ですから全体になると、バランスを試しながら舞台に立っている感じが見えるのです(器用な人たちですから、きょう・明日で修正するでしょうけれども)。そこがプロデュース公演の難しいところなのだと思います。
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