単騎詰の研究


単騎詰とは、詰上がりに攻駒が1枚となるカッコイイ詰将棋です。 (別名、スーパー詰将棋とも言います。) 従って、最後のとどめの駒は、大駒や桂香しか有り得ません。 攻駒が1枚になる詰上がり自体は無数にありますが、1手や3手しか逆算できないもの も多く、ある程度逆算できたとしても好作は出来にくい難条件です。 何と言っても、合駒制限のためだけの駒(花駒)を盤上に配置しなければならないこと が殆どで、不動駒や詰め上がりの駒が多くなってしまいます。

だからこそ、私も興味をそそられ、少しでもより良い作品を作ろうと自らも創作を行い、 一覧を作ろうと思った訳なのですが。

現在までに作品として発表されているものは、私が認識しているものでは以下の一覧のように、 詰上がり飛、竜、馬の条件で65局です。(詰将棋データベース、詰パラ、その他ネットサイト等を参考にしました。) 2008年くらいから急速に増えており、収束、詰め上がりにかけてはかなりパターン化されている印象があります。 が、表現の仕方によっては、まだまだ新しい内容が盛り込めると思います。
詰上がり角、桂、香は、作品としてというより単なるサンプルとして示されている図などもあり、 似たようなものを誰でも考えている可能性があり、分けて表示しました。 その他に洩れがあるようでしたら、随時追加していこうと思います。

単騎詰一覧(詰上がり、飛、竜、馬) (2020/10/01時点)

単騎詰一覧(詰上がり、角、桂、香) (2020/10/01時点)

考察
さて、上記の表では、項目として詰手数、詰め上がりの駒数、花駒の有無、合駒等 を入れました。単騎詰においては詰手数は長い程意義があると言えます(手数が伸びる程 単騎詰という条件をカムフラージュし易くなる)。詰め上がりの駒数は少ない程美しい。 花駒はないに超したことはない。初形からある不動の駒より、合駒で途中から発生した駒が 多ければそれだけ、単騎詰臭さが消える。以上の理由からです。無論、これらの基準は あくまで私個人の目安であって、詰め手順そのものの良し悪しをおろそかにしてはいけないことは 言うまでもないと思います。
最近は、竜で追ってと金を捨てるような単騎詰特有のパターン化した手順だけではなく、 止めを刺す最後の駒が初形になかったり、不規則な合駒を連発したりと今迄にない表現方法 の作品が出てきているのが注目です。
但し、上記リストの中でどれが1番優れた作品かと言われれば意見が分かれるでしょう。 手順内容や記録性に優れた作品は、その分駒配置が苦しくなってしまうことが多いようです。 駒配置をコンパクトに作ろうとすると、手順が平凡になってしまうので、バランスの取れた作品 を作るのは並大抵ではないと言えます。

いずれにしても、まだまだ、究極の単騎詰が眠っていることは間違いなさそうです。 最後に、単騎詰の記録に関する一覧をまとめてみましたので参照して下さい。

駒別単騎詰記録一覧(2020/10/01時点)