私の小さな発見


その他

1.詰パラ2000年9月号大学院近藤真一作123手詰(2001/07/18登録)

  6三歩は不要駒?

  「私は感動した!」と叫びたくなるような傑作で、看寿賞も受賞した本作ですが、

  6三歩は既に指摘はあるようですがやはりなくても良いようです。

  誠に勝手ながら、6三歩を除いた修正図を考えてみました。修正案

  序盤に2手付け足し手数は125手になります。(9四と 同玉 9五歩以下原作通り)

  余計なおせっかいと言われればそれまでですが...。

              ↓

  近藤氏から次のようなメールを頂きました。(2002/05/01追加)

  前略〜。結論からといいますと、63歩は不要駒となっています。

  次の局面をご覧ください。30手目54玉の局面です。

  ここで57香とする紛れがあります。解説にありましたが、そこで56桂とすれば

  以下、同香43玉で逃れです。しかし、63歩がないとさらに63竜同金33桂成

  同金同角成同玉45桂として詰んでしまいます。

  最初は上のように考えていたのですが、じつは57香には56歩、同香、55歩

  と連合して逃れているのです。これを見落としており、結果発表時に気がつい

  たのですが、その事を説明するほどの作品でもなかろうとあまり深く考えてい

  なかったのです。なぜか作者の思惑とは違い看寿賞まで受賞することになって

  余計に言いずらくなつてしまったというところです。

  開き直って桂合で逃れるためとも言い切ってしまえれば、楽なのですが、

  そこまでは言えません。

  作者としてはこの図を改作する気はありません。欠点も含めて、これはこれで

  完成図です。〜後略

2.詰パラ1989年7月号短大1拙作について(2002/05/01新)

  原図より初手1六飛からの難解な余詰に対して同年11月号で6六歩を桂に変えて修正

  する旨お伝えしていただいたのですが、それでは、新たな早詰が発生してしまいます。

  9手目より5四銀打 5五玉 6七桂以下詰。

  今更という感じで申し訳ないのですが。頭2手は切るしかなさそうです。とほほ。

3.ゆめまぼろし百番の67図「秘宝」について(2006/08/07新)

  完全性には問題ないようですが、本書に記述されている手順は変別解なのでは?

  113手目に対して、本書では3一玉(イ) 4一金 3二玉(ロ) 3三歩(A)以下133手

  で詰ましております。

  ところが、(A)で2三銀不成とやると4一玉 5二銀不成 3一玉 3二歩 2一玉 

  2二歩 同銀 1二銀不成 3二玉 4三馬 3一玉 2一銀成 迄129手で詰みます。

  そこで(ロ)で同玉としますと5二銀不成 3一玉 3二歩 同玉 2三銀不成 2一玉 2二歩 

  同銀 1二銀不成 3一玉 3二歩 同玉 4三馬 3一玉 2一銀成 迄131手で詰みます。

  そこで、(イ)で3二玉とやると、3三歩 3一玉 4一金 同玉 5二銀不成 3一玉 

  3二歩成 同玉 2三銀不成 2一玉 2二歩 同銀 1二銀不成 3一玉 3二歩 同玉 

  4三馬 3一玉 2一銀成 迄133手、これが正しい手順ではないかと思われます。

4.将棋墨酔30番について(2023/07/01)

  加藤徹氏の「おもちゃ箱」の「軌跡曲詰め変形1」と紹介されている四隅を除いた周辺巡りです。

  この条件は本局以外誰も手掛けておりません(詰中将棋では私山口が1作作りましたが→「80日間世界一周」)。

  これは、私の発見ではなく元から指摘されていたものですが原図は19手目6二飛成 8一玉 8二歩 以下 早詰めです。

  修正図が発表されていないようなので、修正図を作りました。

  将棋墨酔30番修正図

  これで早詰はなくなりましたが、元々最終2手目に合駒する手があり、還元玉にならない変化同手数が存在し、

  そこは修正出来ませんでした。

5.養真図式第1番について(2023/10/01新)

  原図では玉方9七とがなく、11手目2二飛成として、23手目8五飛の所、7六桂 9三玉 9五龍 9四飛 同竜 同玉 9五歩 9三玉(イ) 9四飛 8二玉 7二馬以下詰み。

  そのため、玉方9六歩を追加する補正図(柴田龍彦氏案)があった。(イ)で同玉と取って、9六飛を潰そうというわけである。

  ところが、その場合、11手目2二飛成として15手目より4五竜 5三玉 5四銀 6二玉 6三銀成 7一玉 7二成銀 同玉 4三竜 8二玉 9四桂 9三玉 

  7三竜 9四玉 9五歩 8五玉 6三角成 8六玉 6四馬 8七玉 6五馬 8八玉 7九銀 9九玉 6六馬 9八玉 8八馬 までの余詰が成立することが判明した。

  よって、玉方9七とに変えてみたら、前途2種類の余詰がいずれも消滅することを確認(余詰発見と修正はいずれも脊尾詰を活用しました)。

  養真図式第1番修正図

  ご存じの方も多いと思われるが、養真図式は六世名人三代大橋宗与の献上図式だが、不完全作や既に発表された作品の焼き直しが多く史上最も評価の低い作品集である。

  江戸時代の将棋の名人位は世襲で、次期名人候補になる人は名人就任前に、時の将軍に図式献上(詰将棋百題)を行う習わしがあった。

  しかし、五世名人伊藤宗印の次の候補が人材難で名人空位を避けるため、名人候補に当時60歳を超えた大橋宗与に白羽の矢が立った。

  そして、献上詰将棋百題作れという命を受け、慌てて創作(恐らく門人に代作もさせ)、それでも数が揃わず他者の既存作品に手をつけてしまったのだ。

  大橋宗与という方は非常に気の毒な立場だったと言える。図式献上が69歳の時。実際に大橋宗与が名人になるのが76歳(史上最高齢)。指す方も創る方も年齢的に限界だろう。

  せめて発表(献上)を2、3年遅らせて作品の検討を充分行い、せめて既存作からの窃盗作品は差し替えられなかったのだろうか?

  現代では、詰将棋作品集を他人に強制されて創らなければならないという事態は通常あり得ず(学校の先生が生徒に詰将棋を100題創れなどと夏休みの宿題を出したりしたら別だが)

  作品を誰かが発表する際も類似作、盗作は厳しくチェックされるため、今後もこの作品集は史上最低の作品集という汚名を背負い続けるのだろう。

  それでも養真図式第1番は立派な内容だ。本作だけは何とか修正してでも残す価値があると思っている。

  また、第28番、第29番などの易しい趣向作も見るべきものはある。

  今回、第29番の趣向を詰中将棋に持ち込んで多往復化したのが、私のサイト→「詰中将棋第94図」です。

 

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