しげぼうの言いたい放題


・もはや手遅れか?日本の温暖化による天変地異(2014年09月13日)

21世紀になってからほぼ毎年のように夏場は高温や大雨などが続いているが、今年の夏は、 特に異常だった。西日本は、各地で大雨と土砂災害が続いた。短時間の記録的大雨や床上浸水となった家も 多かった。特に広島県では、死者72人も出す甚大な被害が出た。 偏西風が南北に蛇行し、南からの湿った気流が本州付近に停滞したことによる影響と分析したうえで、 数十年に一度の気象状況だったとして、「異常気象だった」と気象庁は結論づけた。

西日本だけではなく関東でも異常事態が発生した。何と東京の代々木公園を訪れて蚊に刺された人が次々と デング熱を発症したのだ。新宿中央公園、更には一部千葉県などでも感染源となったことが確認された。 しかも感染者の大半が海外渡航歴のない人とのことだ。 その数は日に日に増え続け、9月12日時点では17都道府県の計113人となっている。 国内感染者は戦後初で70年ぶりということらしい。 その人数、発生場所もまだまだ今後広がる可能性は極めて高い。
デング熱というのは、本来は、インド、東南アジア、アフリカ、中南米などの熱帯地域の風土病である。 それが、一応は温帯地域と呼ばれる日本で患者が出たことの意味は大きい。「死に至る病ではない」、 「菌を運ぶ蚊は遠くへは飛ばない」「発生場所は代々木公園近辺のみ」などと楽観論を唱える者もいる。 冗談じゃない!とんでもないことだ。
何が大きな問題かと言えば、東京はこれまで、鉄筋コンクリートで高層建築物を建て続け、 道路をアスファルトで塗り固め、緑を潰し、経済活動を優先してきた。だが、代々木公園のような緑の多い 憩の安らぎの場で夏場に涼をもとめることも出来た。ところが、今回のデング熱発生によって、緑のある場所 が危険な場所になってしまった。自然の安らぎの場が奪われたのだ。
都市を緑化すればヒートアイランドを和らげると我々は信じてきたが、 一度温暖化が進むと、その後でいくら緑を増やそうとしても熱帯の危険な虫が生息しやすくなりし、 デングのような熱帯病を引き起こすということが証明されたことに言いようのない絶望を感じている。

こうなったのはズバリ、戦後の自民党とそれを裏で操る経済団体の悪政が原因である。 特に狭い日本の国土にビルやマンション、道路を造りまくり国土を汚したゼネコン団体の罪は重い。 そうして、自動車とマンションは日本人なら誰もが借金してでも持つべきだという風潮を作り上げた 広告代理店、消費者金融(高利貸し)なども悪質である。こういう悪政を推進する政治家を選び、悪質な宣伝に乗って マンションや自家用車を借金してまで買い、 少し我慢をすれば暑さを凌げる時期でさえエアコンをガンガン使いまくった日本の国民にも罪はある。 こうした傾向は2000年代の構造改革の時代に多少は薄らいだかに見えたが、 現在の安倍政権では、国土強靭化やオリンピックの名の元に復活しつつある。 (更に現政権は、秘密情報保護法案や集団的自衛権の行使などを容認した戦後類を見ない超右翼政権である。 一昔前の岸信介政権と田中角栄政権の悪いところを足した政権とも言える)
「否、これは世界的傾向で日本に限った話ではない」という方もいるだろう。確かに日本以外の国や地域にも 環境異変とも言える自然災害が多発している。エボラ出血熱などはかつてない規模でアフリカで流行している。 世界的に温室効果ガスが増加しており単純にCO2排出量だけを見ればアメリカや中国などが際立っている。 だが、CO2排出量を国土面積で割った場合、日本は、中国、アメリカ、EU、インド、ロシアのいずれよりも多い という現実を忘れてはならない。

ここまで来ると、この国は今迄通り、ビルやマンションを作りまくり、緑を潰した方が疫病の元となる蚊やその他 害虫がいなくなるので良いという声も出てきそうだ。原発事故の収束も進んでいるとは言えず、 悲しくなるくらい日本の環境問題は深刻だ。

この国はどうしようもない所へきている。この国は良い方向へ進んでいるか、悪い方向へ進んでいるかと 言えば、間違いなく悪い方向へ進んでいる。これは、温暖化や原発事故など環境に対する問題だけではない。 政治や経済や社会あらゆる面を含めてだ。格差の広がりやヘイトスピーチなど排外主義者の増加など人心の荒廃も 著しい。
今回の災害や疫病の被害に遭った方には申し訳ないが、これは我が国に向けられた天罰と言ってよいだろう。 「こんな国もう見捨てるしかない」「こんな国は滅ぼすしかない」 と極左(極右?)活動家外山恒一氏は演説したが、その気持ちがわかりかけてきている私自身も恐ろしく感じる今日この頃である。


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