しげぼうの言いたい放題


・ウィンドウズXPサポート終了は企業として無責任(2014年04月10日)

4月10日で、マイクロソフトのOSウィンドウズXP(以下XPと略記)がサポートを終了した。
2001年にリリースされて12年以上経ったことになる。 サポート終了後はウイルス感染やサイバー攻撃を受ける可能性が高まるのでウィンドウズ8(WIN8)など最新のOSを購入するよう呼びかけられている。
ところが、この日にサポート終了が以前から告知されていたにも関わらず、多くの企業や役所では、XPを使い続ける意向なのだ。 大阪信用金庫の調査では、大阪市内の企業のうち46.0%がXPを使用し、更に53.5%のXP利用企業がこのまま利用し続けると回答しているとのことだ。 「XPで不自由しない」「買い替える資金がない」との回答が多いという。

私は、現在自宅でも会社でもウィンドウズ7(WIN7)を使用しており、XPとは縁が切れている。 だが、XPは使い勝手は大変良かったと思うし、XPで不自由しないという意見は納得がいく。 XPでは動くがそれ以降のOSでは動かないソフトもあり改修費用も相当かかるのも事実だ。 とりわけ、最新のOSであるWIN8では画面のデザインや操作性が全く変わってしまい大いに戸惑うとのことである。 (WIN8の改良版でWIN8.1が出て多少マシにいるようだが)

今、XPをサポート終了して、最新のOSに切り替えなさいと迫ることは、社会的にも大きな問題である。 「技術は常に変わっていくものだ」 「XPのサポート終了するのは以前から伝えてあった」 「XPを変えない企業や役所は社会的に無責任。情報漏えいなどリスクがあったら責任を取れるのか!」 などXPを変えない組織を非難する人も多い。
確かに一理はある。 しかし、これだけ多くの個人や組織が今でもXPを使用したい意向を示していることを考えると別な問題であろう。 単に上から目線で「変えろよコラ!」で押し切るべき問題ではない。
裏を返せば、XP以降のOSが如何にユーザーに魅力がなかったかの証でもある。
はっきり言って、XP以降のOSは魅力がない!使わない機能ばかりで重苦しいし、以前よりもわかりにくくなっている! ユーザーが望んでいるのは、機能の豊富さや見た目の新しさだけではない。 一度買ったものを長く使い続けられるかという安定性というものも無視してはならない。 これは何もコンピュータに関する問題だけではなく、あらゆる製品や商品にも言えることである。
マイクロソフトはそういった様々な面でXP以降のOSが、ユーザーから評価されなかったということを肝に銘じるべきである。
ましてや、組織の情報漏えいのリスクなどを人質にする形で、新しいOSを押し売りするような商売のやり方は断じてやめるべきである。

今回のマイクロソフトの決定は覆ることはないだろう。 だが、社会全体のことを考えれば、経済産業省や消費者庁などはもっと動けないだろうか?
XPを新しいOSに切り替え、今迄使用していたソフトを安定して動かせるように何らかの助成金を出すようにするのも手だ。
XPのサポートをもう少し延長するようにマイクロソフトを説得する、など穏やかな方法も考えられる。
もっと強制的にXPのサポートをしろ、と行政命令を出すことも考えられる。
いずれにしても、今回の件で社会的な混乱が出ないようにサポートが必要になってきている。

資本主義経済とは、本来は、モノを買う立場の人が「これは良いモノだ」と納得して買うことにより、 モノを作る立場の人も更に良いものを作ろうと努力して、経済が発展していく流れになることを理想としたシステムのはずだ。 ところが現実は、モノを売る立場の人が、モノを買う人の立場に今迄購入し使用していたものを強引に捨てさせて、 新たなモノを買わせるという流れになってしまっているのだ。モノを買う立場の人が必ずしも満足しないようなモノでも。
今回のXPの件は、まさに現代の資本主義システムの矛盾点を浮き彫りにした問題と言えよう。


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