日中関係は最悪の危機を迎えた。
尖閣諸島の領有権を日中双方が主張し、中国では大きな反日デモが起こった。中国の日系の店ではデモ隊にモノを
投げつけられたり大損害を被った。
日本のマスコミは、保守系メディアを中心として、「中国をやっつけろ！」「中国にコビを売った戦犯はこいつらだ！」
などと親中派の人をバッシング。ネット上でもネットウヨクと呼ばれる人々が中国や中国を擁護する人物に暴言をまき散
らしている。
考えてみれば、今年で日中国交４０年になる。日本も先の戦争について反省しお互いに友好関係を築いたはずなのに、 何故ここへきてこのように両国の関係がこじれてしまったのか？
一番の大きな要因は、バカウヨ都知事の尖閣諸島の東京都の購入発言であろう。
尖閣諸島は日本の一般人の個人所有であった。それをバカウヨ都知事の発言を受けて日本国が購入することになった。
それに激怒した中国一般民衆が暴徒化し、中国政府もデモそのものは封じ込めたものの政府としては尖閣は中国のものだ、
と主張している。
そもそも尖閣は日本が実効支配していたのだ。それを改めて都が購入するだの国が買い上るなどして外国人を一切寄せ付け
ないようにしようとする行動自体が有意義なものだったと言えない。線引きが曖昧なら曖昧のままでお互いこじれな
ければそれでよかったのだ。それをバカウヨ都知事がおかしなパフォーマンスをしたため大問題に発展してしまったのだ。
（無論、中国の側の主張にも無理があるし、中国側も冷静な行動を取らなければいけないことは言うまでもない。）
では、何故バカウヨ都知事がそれ程までに尖閣に固執したのか。
ずばり言えば、日本を戦争する国にしたいのだ。とは言え、いきなり中国などと大戦争を起こすことは大義名分も
ないし、憲法の制約もあり、現実に不可能だ。そこで、尖閣は日本のものだと中国を挑発して怒らせる。
中国が少し過激な行動を取ると日本も更に過激なことを行い、互いにエスカレートしていく。
そうして「やはり日本は憲法を改正して軍隊を持って戦争出来る国にしないと外国になめられる」と国民に思わせる。
そうした計算があるのであろう。
そうして、まず小さな無人島のような場所で防衛という名のもとで戦闘を起こして既定事実を積み上げ、やがて大陸本土に
ミサイルをぶち込んだりの大戦争に持っていく足掛かりとする。
かつて、バカウヨ都知事は「北朝鮮のミサイルが日本に落ちてくれればよい。そうすれば日本人も目覚めるだろう」
などと発言したことがあるが、とにかく戦争のきっかけを何が何でも作りたいというのが本音なのだ。
また、今年になって日本では、反原発デモが全国で大規模に行われた。バカウヨ都知事は震災後も「私は今でも原発推進論者だ。
原発がないと日本経済が立ち行かない。」などと言い張っていたが、何とか国民の目を原発から切り離して尖閣問題に向け
ようと必死なのだろう。
では、そのような戦争を仮に中国と行うことになれば、果たして日本に勝ち目はあるのか？
答えはＮＯだ。
日本の自衛隊は強く、中国と戦えば圧勝するなどと言っている輩もいるが、何の根拠もない。
自衛隊には第２次大戦後、実戦経験が全くない（憲法で戦争放棄をしているので当たり前だが）。
中国人民解放軍の規模は200万人以上に達し、その他に数十万人の武装警察部隊が控えている。
日本の自衛隊の隊員数は約25万人だ。
徴兵制などを行って、それに戦力を増やしたとしても、中国の若者と日本の若者では比較にならない。
中国の若者はデモに参加して行動の良し悪しはともあれ曲がりなりにも体を張って自己主張したが、日本の若者は
ネットで暴言を吐くくらいで何か行動を起こすこともない。そんな日本の若者に徴兵を行っても、彼らはびびって逃げまわる
のがオチだろう（それはそれで普通の人間の感覚なのだが）。
只でさえ中国は昔の日本の過去の侵略戦争に対するウラミが心底にあり、戦争ともなれば個人の士気も高くなるだろう。
実際の国力（国の勢い）も言うまでもなく全く逆だ。
恐らく、日本の惨敗は必至である。
このままバカウヨ都知事のような復古主義者や、保守系メディアの思うツボにはまっては大変なことになる。
日本が負けても、こうした奴らは、相手が悪い、と言い張り、誰も責任を負わないことは目に見えている。
戦争で犠牲になるのは、いつでも弱い立場の人だけであることははっきり言わしてもらう。
とにかく、対話の道だけは絶対に閉ざしてはいけない。
経団連などのように「中国と争うと経済的な面で儲からなくなるから困る」などという理屈ではなく、
互いに純粋に心を開いた上で交流をしていくことが大切である。間違っても日本の過去の侵略戦争や残虐行為を
否定してはいけない。
ドイツなどは、第２次大戦敗北して領土を多く失っても自分達のやった罪を認め賠償等も行いながらも、それを教訓に
立ち直り、今ではＥＵのトップクラスの大国となって各国の信頼を集めている。
日本には大いに参考になるであろう。今こそ、日本の真価が問われる時である。