9月16日に鳩山内閣が発足してから、4か月が経過した。 最近の鳩山内閣は、動きが弱くなってきているように思う。小沢幹事長の献金問題、鳩山首相自身の お母様からの献金に相続税を払っていなかったことも発覚した。相続税6億円は払ったものの野党 自民党からは厳しく追及されている。普天間基地の移転をどうするのかも先送りで、首相のリーダーシップにも 問題を感じている国民が多くなってきており、内閣支持率も50%を割り込んだ。
内閣の実行力もさることながら、子供手当の支給と高速道路の無料化を完全に実行させることが本当に 正しいのかという点が根本的にある。 子育てを支援するとは言っているが、子供がいる家庭はそもそも裕福なのだ。仕事がない、給料が少ない などで子供すら作れない家庭だってある。そして、そうやって配ったカネが本当に子供のために使用される という保証もない。親が酒やギャンブルに使用してしまうことも多いだろう。 高速道路の無料化も車を普段持っていない人、車のような高級品を全く買えない人にとっては、何のメリット もないのだ。無論環境問題にも悪影響がある。
今回のリーマンショック以降の日本の不況の特徴を整理してみる。今迄の石油ショックのようなインフレ型の
不況とは全く異なるのは誰でもわかるだろう。では90年代の日本のバブル崩壊期と比べるとどうか?
似てはいるが、それとも全く異なるのだ。90年代の不況は大型景気がパチンとはじけて、それまで収入が
多くて借金をしながら更に儲けようとした者が最もあおりを受けた。岸部四郎、千昌夫などの芸能人や投げる
不動産屋と言われた桑田真澄投手などが、その代表格であった。一般人でも、女性にもてるために無理して
高級車を買い、高級な宝石を借金してまで買ってプレゼントするバカ男もいた。
だが、背伸びをせずに貯蓄に励み堅実に生きてきた人には何ということもなかった。
むしろ景気が悪くなればなるほど貯蓄を持っている人のカネの価値が増えていった。
だが、リーマンショック後の現在の不況は正反対だ。借金にまみれて自己破産する有名人というのは全く
聞いたことはない。今回の不況の特徴は、既に出来上がった正社員、非正社員(派遣、パート等)という格差の
中で最も弱い立場の人間があおりを受けたことだ。不況によって非正社員が真っ先に切り捨てられ、仕事ばかり
か住処まで失う現象が起こったのだ。
そこまでいかなくても、ある程度金利が高かった90年代堅実に貯蓄を増やしてきた人でも今回は失敗したという
人も多い。2000年代以降の「貯蓄から投資へ」との政府(小泉のころ)のスローガンの元、貯蓄の利率は
ネズミの糞なみに切り捨てられ、銀行マン証券マンなどは顧客に株や投資信託などを盛んに売り込んだ。
その結果、リーマンショックで手持ち資産が大暴落してしまったのだ。(彼らは銀行マンや証券マンの言うことだから
間違いない、と思い込んでいた。私の母も人が良いため騙されて痛い目にあったのだ・・)
貯蓄の利率を引き下げてその金を強引に元本保証のない金融商品に買い替えさせるというえげつない政策。
裏にはアメリカブッシュ共和党の強引な金融グローバル化政策があったことは言うまでもない。
私に言わせれば真面目な弱者が最も痛い目に遭遇した今回の不況は90年代の不況より遥かにタチが悪い。
こういう実情を踏まえ、鳩山内閣は社会で一番弱い立場にある人を救済することを第一に行うべきなのである。
それなのに、鳩山内閣は、鳩山首相自身と小沢幹事長の2人が、カネ絡みで野党やマスコミに叩かれまくっている。
コンクリートから人へのスローガンも、何となくぼやけ迷走している。
景気対策や雇用対策以前の段階でつまづいているのだ。
小沢一郎がどうなろうとどうでもよい。夏の参議院選で多少負けても衆議院で絶対多数を握っている民主党が優位
であることに変わらない。小沢を守れ、などと党一丸で検察批判をするなど愚の骨頂だ。
まずは、政策をしっかり練り、直すものは直してどんどん進めていくことだ。
そうすれば、必ず国民はついてくる。