しげぼうの言いたい放題


・オバマ大統領の理念とスピード感を日本は学べ!(2009年03月24日)

政府管理下で経営再建中の米保険大手AIGが高額ボーナスを支給していた問題で、米下院本会議は19日、 支給されたボーナスに90%という異例の高い税率で課税する法案を賛成328対反対93で可決した。 上院も同様の法案を準備しており、来週にも採決して上下両院で法案を一本化し、早期成立する公算が大きく なった。ただ、正当な契約に基づいて支給されたボーナスを国が強制的に返還させる形になるため「個人の財 産権の侵害に当たる」との批判が出る可能性もある。

AIGは幹部ら約400人へのボーナスとして08年分の一部1億6500万ドル(約160億円)を すでに払ったほか、10年までに最大で計4億5千万ドル(約440億円)を支払うとされている。 AIGはリーマンショック直後に経営危機に陥り、これまでに計1800億ドル規模の公的資金による 支援を受けた。事実上の政府管理下に入っており、いくら経営層が既得権を主張しようとも、今は政府(大統領) の言うことが絶対であり、それに刃向う資格はない。
AIG幹部らは、自分たちが世界経済をメチャクチャにした張本人であるということ、政府によって今は 助けられているということを強く認識し、少しでも謙虚な気持ちを持てないのだろうか?この期に及びこのよう な高額な金額を受け取る神経は極めて異常である。ボーナスどころか、こいつらの資産を没収し、監獄行きにしたって よいくらいだ。
オバマ大統領は、彼らの行為を非難し早々と対策を打ち出し、議会に諮った。 当然のことではあるが、このスピード感には溜飲が下がる思いである。

オバマ大統領は就任して、2か月を過ぎたところだが、今迄の動きを見ると非常に明快かつ迅速な政策を 打ち出していると言ってよいだろう。環境政策の後退、大義なきイラク戦争、ハリケーン被害拡大、経済格差 の助長、そしてアメリカ発世界大恐慌をもたらした大悪党ブッシュの後を受け、それとは正反対の方向を 目指そうとしている。
特に、大きな期待が持てる政策は何といっても「グリーン・ニューディール政策」であろう。 1500億ドルの投資や公共施設の省エネ化による数百万人規模の雇用の創出を目指すいう試みである。
具体的には、太陽光発電、風力発電の生産量を3年間で倍増、2015年までにプラグイン・ハイブリッド車100万台 の普及を図るほか、200万世帯の住宅に省エネ設備を導入、送電網の更新などの公共事業にも重点投資する。 2025年までに同国のエネルギー供給量全体に占める再生エネルギーの比率を25%にするという。
アメリカの一部地域では既に、太陽光パネルの取り付け技術者を大量に養成し雇用している。
何度も私は当サイトで主張した通り、これからの世界は環境保護こそが大切なテーマである。そのためには経済 の発展や便利さは犠牲にしても構わないと思っているが、それが雇用や新ビジネスに結び付くなら無論歓迎する べきことである。

日本は、どうかというと、オバマ氏より4か月も前に誕生した麻生政権だが、定額給付金の支給や高速道路料金の 減額などをようやく決定したが、極めて限定的な対処療法であり、今後の社会の将来像をしっかり見据えた政策 とはとても思えない。一時的には消費が増えるかもしれないがしばらくすると元の木阿弥。後を待っているのは 財政悪化と大増税であろう。内容、スピードともに全然駄目だ。 しかも、ここへ来るまでのプロセスが余りにもお粗末。定額給付金の目的にしたって麻生の発言ぶれまくり、 「これは生活対策であり、高額所得者が受け取るのはさもしい。私は受け取らない。」と言っていたのが、 「これは景気対策であり、私もいただき消費に回す。」など二転三転。 大切な国際経済会議の後、酒を飲んで酔っ払って記者会見に臨み、その後、現地の博物館で立入禁止場所に入り、 大騒ぎになった財務大臣の問題の対応に四苦八苦している姿は、経済を立て直せるかという以前の問題である。
オバマ政権の理念やスピード感というものを日本政府は見習うべきであろう。


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