しげぼうの言いたい放題


・もはやニュージーランド型相互扶助国家を目指すしかない(2009年02月11日)

日本経済は、どうしようもないところに来ている。自動車業界から電機業界など殆ど全ての会社で2008年度 の赤字決算が予想されている。 雇用も深刻だ。派遣従業員(特に自動車業界)は大半が切られ、正社員のリストラも始まっている。 これは、始まりに過ぎないであろう。
はっきり言ってもはや、手遅れであろう。内需の拡大など不可能。アメリカ合衆国でさえバブルがはじけ、 世界中が不況のどん底である。

例えば自動車について見てみると、「自動車が買えない」のではなく、「自動車はいらない」というのが価値観 なのだ。日本の20代で車はデートの必需品だと答えた比率は僅か2.8%という数字もある。 「片手で持つハンドル♪片手で肩を抱いて♪愛してるって言っても 聞こえない風が強くて♪」・・・ こんなのは昔の人間のノスタルジアなのだ。(私はユーミンは好きなのだが。) 今後望みがあるとすれば、ハイブリッド車や電気自動車、ソーラーカーなどをどんどん開発生産することだろう。 そして、環境を悪化させる要因であるガソリン車を全面的に使用禁止して買い替えさせる。 消費と環境(二酸化炭素削減)の両方に配慮した大胆な策だが、問題も多い。古い自動車はリサイクル出来る のかということだ。リサイクル出来るならまだしも、出来ないでスクラップの山積みを築くのでは、意味がない。 それでは、アナログ放送中止・地デジ切り替えと全く同じで国民の資産の廃棄・消費の強要ということに なる。

こういったことは、自動車業界だけでなくすべての業界に共通する。 昔なら貧乏になったり、困難な状況に遭った人間に限って、衝動買いしたり、大酒を飲んだり遊び呆けることで ストレスを発散する人間がいたものだ。そういう人たちが皮肉にも経済の下支えをしていた。だが、今では そういう人は少なくなっている。
もはや、金利を下げたり、減税をやったり、定額給付金で少しばかりカネをばらまいたところで、 「買いたいものはありません」「将来が不安だから貯蓄します」という人が多数派である。 「私を切りたければどうぞ、ご勝手に。その代わりこちらは、何も消費しませんよ!」と考えている人も かなりいるだろう。
経営者の都合で人を切れば、切られた人も切られそうな人も財布のヒモをひたすら固くし、経営者本人に 最終的にはしわ寄せがくることをまずは経営者自身が認識しなければならない。
それでも国民に強引に消費させるということで、自民党の一部に政府紙幣の発行を行おうとする動きが 出てきた。 筋違いも甚だしい。ハイパーインフレが間違いなく起こる。絶対やってはならない資本主義の禁じ手だ。

では、どうすればよいのか?
週刊現代1月10日・17日合併号の大橋巨泉氏のコラムに興味深い記述があった。 巨泉氏はニュージーランドで毎年一定期間過ごすそうだが、ニュージーランドでは、贅沢をせずに皆で慎ましく 生活するそうである。 ・・・月に1回郵便受けにビニール袋が入っており、それに古くなったりいらなくなった衣料を入れて玄関前に 置いておくと翌日までに回収されている。恵まれない家庭などに配布するNPOが行っている。半年に一度、 不要になった家具を家の前に出しておく日がある。誰でも好きなだけ持ち帰って良い。・・・
これだよこれ!正にこういう社会を目指すべきだ。貧富の格差解消、環境に配慮した理想的社会だ。
でも、日本でこんなことをやると言ったら、モノが売れなくなるなどと言って経済団体などから圧力がかかる だろう。
だが、日本(というか世界全体)は、いずれこのような相互扶助的な国家にならないと地球が持たなく なることは間違いない。
経済圧力団体の主張を頑としてはねのけるという意味での強い政治家の登場を期待する。


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