しげぼうの言いたい放題


・「新ニッポン人」こそこの国の救世主だ!(2008年06月08日)

6月1日のテレビ東京で『久米宏 経済スペシャル 新ニッポン人現る』という番組が放送された。 現在の20代の若者を「新ニッポン人」と呼び、その特徴は以下の通りであると言う。
・車を買わない。20代の乗用車保有率首都圏2007年調査で13.0%。
・酒を飲まない。3人に1人は飲まない。
・海外旅行に行かない。
・休日は家で過ごすことが多い。
・稼いだ金の大部分を貯蓄。
などである。

素晴らしい、の一言である。まず私自身のことを語ろう。
私は、現在は40代であるが、我々の世代では20歳になる前から酒を飲むのは当たり前、一気飲みの強制 も日常茶飯事、酒を飲んで車を運転する人間も珍しくなかった。スピード違反や酒酔い運転して警察に 捕まったりしたら、その場ではおとなしくしていても後で、「畜生、警察のバカヤロウ!」とか 「あそこの道では覆面パトカーがいるから気をつけろ!」などという会話が仲間内で乱れとんでいた。 私は、そういう意見には組せず心の中で「お前が悪いんだろう!」と思いつつ黙っていたが、私のようなタイプの 人間は完全に変人扱いされたものだ。
ちなみに、私の新婚旅行(12年前)は九州だったが、「何で海外にしなかったのか?」と披露宴のスピーチ でも突っ込まれた。・・・だって、結婚して式を挙げたり色々疲れてしまうのに、そんなときに飛行機で 何時間もかけて海外なんて出掛ける気になるわけないだろう。・・・
趣味と言えば、将棋を使ったパズルを作ること(今でも続いている)でありまして、外へ出ることは少ない わけだ。
こんな生活が主であったためか、安月給であるが、何とか家族を養っていけるだけの貯金はあるわけだ。 (無論、貯金の額がいくらあるのか、と尋ねられることもあったが、正直に答えたことは一度もない。)

つまり、私は「新ニッポン人」とは極めて共通点が多く、彼らの心の内がよくわかるのである。
「新ニッポン人」に対しては、賛否両論あるようだが、批判しているのは40歳以上の年配者に多いようだ。 「夢がない。何が面白くて生きているのか?」「破天荒で無鉄砲で、奇抜で奇怪な行動に走るのが若者だ!」 「若者は借金してでも自分に投資するべき!」など聞いている方も恥ずかしくなるほどのバカ丸出し発言である。 人に対して、道徳心や説教などする資格なしだ。 こういう人達は、単に「よく働きよく遊べ」と為政者や経済団体に洗脳されて、飲みたくもない酒を皆で飲んで、 皆が持っているから車くらいは借金してでも買っておかないと、と単に横並びで自分がなかっただけではない のか?若者とは、こうあるべきものだ、と先入観を持って決め付けること自体がおかしく、モノが売れないのは 若者のせいだ、と企業経営者的な極めて一面的な角度でしかものを見ていないのだ。
このような社会現象が要因の一つが、年功序列、終身雇用などの日本型労働体制の崩壊、医療や年金制度の 崩壊などである。自分や仲間の親がリストラされ、先輩がフリーターにしかなれないような厳しい社会を 現実に見た。自分の貯蓄しか頼りになるものがなくなったことが大きいことは言うまでもない。 が、それよりも根本的に、モノが溢れ、本当にないと生活に困るものがなくなったというのが一番の要因 だろう。
私に言わせれば、必然の社会現象である。こういう流れになるべくしてなったのである。この現実を理解 出来ない人がいるだろうが、「これが現実なのです」と言ってやるしかないのだ。

「新ニッポン人」は、こういった無駄なものにはカネをかけない反面、社会奉仕や環境問題に興味を示す人も多い。 決して彼らは無気力というわけでもなく、見るべきところは見ているのである。
生活パターンを崩すだけでエネルギー節約効果の殆どないサマータイムの導入、地震など災害の危険性に晒される 原発の促進・・・日本の為政者が考えるこうしたアホな環境対策と称するものに比べれば、車そのものを買わ ない、酒を飲まず夜遊びまわらない、という方が断然環境対策としては良いと私は断言する。

彼らが社会の中心になれば、日本の悪しき伝統、慣習が一掃され、この国は勿論のこと、もしかすると地球全体も 変わっていくのではないだろうか?
頑張れ「新ニッポン人」!!


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