8月16日、岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市の二ヶ所で「40.9度」と国内最高気温を記録した。
埼玉では、熱波で10人以上の方が亡くなり、全国でも熱波による死者が続出している。
その大半が高齢者で、しかも家の中にいてエアコンを使用していない状態で亡くなっているのだ。
本当にお気の毒である。
これは、非常に深刻な大災害である。震災や台風の被害などと同等に捉えるべきであろう。
単に、太平洋高気圧が強かった、とかフェーン現象が起こったなどというレベルの問題ではない。
熊谷の場合は、明らかに東京方面からの超高層ビルや自動車のエアコンなどによるヒートアイランド化した
空気が南風によって流れ込んできた影響が強い。
明らかにこれは人災である。病院に運ばれた方や亡くなられた方には、政府から見舞金を支給すべきで
あろう。
ところが、これだけの被害者を出しながらウスバカマスコミ共は74年ぶりの記録更新だの暑い熊谷の町興し
に貢献だの的外れな論調を繰り広げる。熊谷の人間もこれで俺達は日本一だとか、訳のわからない自慢話を
しだしたりと、あっけらかんとしている。どいつもこいつも全くバーチャル感覚だから呆れる。
こうした異常気象は日本だけでなく世界中で起こっているが、こうした地球温暖化対策としては、京都議定書で
温室効果ガスの排出目標が参加国に定められている。
日本は2008年から2012年の間に温室効果ガスの排出量を1990年にくらべて6%削減する。
これは、絶対に守らねば成らない国際的な約束事だ。にも拘らず、現在日本では逆に8%増加しているとの
ことだ。
現在、日本で実施している環境対策としては2005年に重い腰を上げ始めたクールビズくらいであろう。
内閣府が2007年にまとめた世論調査ではクールビズを「詳しく知っている」「聞いたことがある」と答えた人は合わせて91.2%、この習慣に「非常に賛同する」「ある程度賛同する」との回答も83.5%に達した。
だが、クールビズを「実践している」と答えた人は46.6%で、クールビズが始まった2005年以降に
「冷房時の室温を高く設定した」と答えた人は13.5%にとどまった。
また、現在のオフィスなどの冷房温度設定が「28度」または「28度より高い」とした人も35.0%に
留まっている。
(ちなみに私の会社では、今年になってようやくクールビズを導入したが、冷房設定温度は25度以上という
基準の緩さである。トホホ。)
政府も国民も意識が低すぎる。クールビズという言葉だけが踊っていて、本当にやるべきことがわかっていない
ようだ。一部国会議員には未だに、「クールビズはだらしない服装をあおるために反対だ。国会議員たるものは、
スーツ、ネクタイはきちっと身につけていないといけない」などと言っているバカがいる。的外れの論議も
いいところだ。まず、28度なら28度と本当に生活していく上で問題ない気温を決定し、それよりも意図的に気温を
下げることを禁止することだ。エアコンの温度の設定が第一であり、服装などは温度に合わ
せて個人が考えることだ。まず服装第一というのは本末転倒である。ただ暑いからというだけでなく、
夏場にわざわざ厚着してエアコンを必要以上にガンガン使用するという日本的な愚かな考えがどれだけ無駄を
よび環境を壊し資源を無駄にしてきたかわかっているのか。
勿論クールビズは絶対必要な対策の一つである。だが、上記目標を達成していくには、これだけでは不充分だ。
例えば、仕事、遊びに関わらず夜間活動を大幅に制限することなども検討すべきではないのか?
我々は、小学生や子供には外で遊んでいても5時には帰りなさい、9時には寝なさい、などと言う。にも関わらず
大人側は、やれ仕事だの付き合いだのとハメをはずしたり勝手きままな行動をとる。こんな大人に正しい教育が
出来るわけがない。まず、こうした子供レベルの基本的なことから改める必要があるだろう。
お歳暮やお中元など、自己満足のプレゼント交換なども止めるべきだ。無駄なものは生産せず、売らず、買わず
を心掛けるべきだ。無論、都市部における高層ビルやマンションの乱造や、田舎における誰も利用
しない高速道路建設なども無駄なものに入る。
こうして考えてみると、我々の生活には如何に無駄が多いかがはっきりしてくるだろう。
日本という国の文化を根本から見直さなければらない。そして、財界などの圧力をはねつけるような強い
リーダーシップを持った人間が先頭に立ち、国民一人一人が理解して行動することが求められる。
大変そうに思えるが、端的に言えば、欲を出さずに当たり前のことを当たり前にやるだけのことなのである。
決して難しいことではない。2012年までに温室効果ガスを後14%減らすために全力を尽くそう!!