しげぼうの言いたい放題


・いつから自衛隊は、憲兵隊になったのか?(2007年06月10日)

日本共産党の志位委員長が6日、国会内での記者会見で発表した自衛隊情報保全隊の内部文書の内容には 仰天させられた。
何と、陸上自衛隊の情報保全隊が、イラク戦争当時の2003年から2004年にかけて、自衛隊のイラク 派遣への反対活動を行った団体や個人の情報を詳細に一覧化していたということだ。登場人物、団体は、 映画監督の山田洋次氏ら著名人、国会議員、地方議員、仏教やキリスト教などの宗教団体、報道機関や高校生 の反戦グループなど多数である。国会議員では、共産党のみではなく、社民党や民主党も登場する。 (自民党、公明党の与党は出てこない。)合計すると41都道府県の290以上の団体や個人だという。
しかも、自衛隊のイラク派遣への反対活動ばかりでなく、医療費の負担増や年金改革をテーマとする団体も 含まれて おり、文書に記されているのは、個々の活動や集会の参加人数から、時刻、スピーチの内容まで克明 だ。戦争に反対といった程度のことでも、それを言った人物を「反自衛隊活動」という表現で批判して いる。

これは、太平洋戦争中の憲兵隊と全く同じではないか?当時は自分の家の中で戦争反対発言しただけでも、 外で聞いていた憲兵が押し入って、逮捕、拷問へと進んだのだ。
今はいきなり逮捕などはないとしても、こういう文書を作ること自体、戦中の日本と同じ方向へ向かうことを 想定していると言われても仕方ないところだ。
しかも、久間防衛相や塩崎官房長官など政府関係者は、事実自体は認めたものの、当然の活動だ、と悪びれた様子 を 全く示していないのだ。異常な世の中になったものだ。

言うまでもなく、自衛隊というのは、国会や国会の承認で決まった内閣の下で働き、国民の安全のために国土の 防衛活動を行うものである。自衛隊そのものが、何が何でも戦争をやりたい、反対する奴を取り締まれなどと 勝手な考え を起こすことは断じて許せないことだ。オウムのようなカルト組織ならともかく、戦争反対者など 単に自分達に都合の悪い意見を言う人の情報収集をするとは、国土防衛の観点を著しく逸脱したものではないか。 否、今回の件は、自衛隊そのものの意思というよりバックには自民党公明党などの政府与党が何らかの指示を 出していたのかも知れない。いずれにしても、このようなことが明るみに出た以上は、当時から現在まで一貫 して政権を 握っていた政府与党の責任は重い。野党は、徹底してこの問題を追及し、年金問題、政治とカネの 問題と合わせて参議院選挙の争点に持っていくことだ。

それにしても、この問題を取り上げたメディアの少なさには驚いた。 全国紙では、7日に朝日新聞が一面 と社説で大きく報じていたが、毎日、読売、日経、産経の各紙は社説では全く出てこない。 8日には東京新聞が社説を出していたが、後は地方紙ばかりだ。 共産党のネタを使いたくないというプライドなのか、政府与党や自衛隊から圧力がかかっているのか定か ではないがこの体たらく振りにはあきれ返る。

当サイトでは、今まで権力者に対する批判的意見を多数書いてきた。ひょっとしたら当サイトも情報保全隊の 監視の対象になっているのかも知れない。
だが、これだけは、はっきり言っておきたい。
如何なる監視や圧力、嫌がらせなどがあったとしても、私は当サイトを閉鎖させることは 絶対にあり得ない。
これは、国家権力だろうと、圧力団体であろうと、ネット上の荒らし屋だろうと関係ない。 これからも私の思ったことを率直に書き続けていくつもりである。
と言うわけで、当サイトの読者諸君、今後もどうか、宜しく!


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