しげぼうの言いたい放題


・北朝鮮の核にどう対処するか(2006年10月31日)

北朝鮮が7月のミサイル発射演習に続き、今度は遂に核実験を強行。日本はこの話題で持ち切りであり、 政府も北朝鮮に対する経済制裁の実施、更には安全保障の強化や日本独自の核武装なども検討する動き も出てきている。 国際的には、アメリカは勿論のこと、中国までもが北朝鮮を封じようとする動きを見せている。

北朝鮮に対して日本政府は強烈に非難し、様々な制裁を行うようだが、果たしてそれがどれだけ 効果があるのか疑問である。何しろ彼らは理屈の通じる相手ではないのだ。経済的なことで追い詰められ ようが、国民が飢え死にしようが関係ないという態度なのだ。
自民党の保守派はここぞとばかりに、安保防衛政策を強化するといい、一部には核武装も検討する 動きもある。 だが、相手は核や生物兵器も保有しているのだ。ちょっとやそっとの軍事強化では意味がない。 自衛隊員の数を増やすとか、防衛庁を省に昇格させるとか、そんなレベルの話ではない。 相手がこれらの兵器を突然日本に使用したとして日本はそれを完全に防御できるような体制が出来れば よいが、完全に防ぐなどということは不可能である。 本当に危険であるなら、先手を打って北朝鮮の核施設を破壊してしまわないとだめであろう。 だが、北朝鮮のどこに核があるのか具体的状況を知るのは難しい。そういう施設が複数あるとして、 やるならそれらを一気に破壊しなければならない、失敗すれば逆に日本がやられてしまう。 あまり現実的なやりかたではない。
手は出さないが、日本も核を持ち、抑止力に期待するという話もでてくる。しかし、それでは核拡散防止 という世界の流れに逆らうことになり、北朝鮮を逆に刺激することにもなりかねない。第一、憲法上 明らかに違反である。
つまり、この問題に対する名案は全くないのだ。

しかし、よくよく考えてみると、今回の件、日本は騒ぎすぎではないか。 確かに日本を含め周辺諸国は脅威を感じる。 だが、最近のミサイル実験にしても、核実験にしても彼ら自国の範囲でやったことであり、具体的に外国の 領土を傷つけたわけではない。だから許されるという問題ではないのだが、こちらから手を出さない限り、 本当に彼らがいきなり日本に核を使用するとは考えにくい。万が一、そんなことをすれば、アメリカなど から一発で焦土にされてしまう。彼らもそこまでバカではないだろう。
そもそも、北朝鮮が核を持っても、アメリカや中国など核を持っている国はいくつでもある。 現在の核保有国が自分達だけ持って他の国は持つな、などと言っても説得力がないのだ。 そのような2重基準があったからこそ、北朝鮮に核保有の隙を与えてしまったのではないか? 現にこれまでも、そうした中途半端な2重基準があったために、インドやパキスタンなどの核保有を 許してきたのではないか?
まずアメリカや中国など現在の核保有国は全て率先して核を放棄すべきである。 「俺達は持つのをやめるから、お前も持つのをやめろ」、そう言わないことには筋が通らないのだ。 物理的になくさないまでも核は取り敢えずは、国連に預け管理させればよい。 要は、国連以外のどこの国家権力にも核使用を許さず、新たな核保有も許さない取り決めを行うことだ。 そして、本当に必要なときに、国連加盟国の多数の支持があったときのみに使用すればよい。 これだけ世界中で努力して、それでも核を開発して何の落ち度もない他国へ使用する国家が出現した場合 など本当に例外的でどうしようもない事態のときのみだ。
強いて言うなら、これしか妙案はない。

北朝鮮は極めて強硬な態度ではあるが、対話で解決の可能性もないわけではない。 「北朝鮮がミサイルや核を日本に落としてくれれば日本も改憲がやりやすくなる」などとほざくバカは 論外であるが、日本国民はもう少し冷静にならないと、問題は何も解決しない。


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