昨今、日本のウヨクの活動が活発だ。２ちゃんねるなどのネット掲示板では毎日のように荒々しい書き込み が行われ、最近では首相の靖国神社参拝に反対した加藤紘一氏自宅を全焼させたり、昭和天皇の靖国参拝反対 発言に関するいわゆる富田メモをスクープした日経新聞に火炎瓶を投げたり実力行使を行う者まで出ている。
現代のウヨクは、果たして何を目指しどこへ行くつもりのか、徹底検証してみたい。
まず一昔前の冷戦時代のウヨクと現代のウヨクとを比較してみるとかなりの違いが見られる。
旧来のウヨクの特徴は、反共産主義、反ソ連が特徴であった。北方領土を返せというのは、定番メニュー
であった。憲法改正も主張しており、彼らなりの目標がはっきりしていた。
これに対して現代のウヨクは、ソ連崩壊もあってか北方領土には無関心、専ら中国や韓国、北朝鮮が糾弾の
対象だ。在日朝鮮人などへの偏見が激しいのが特徴だ。そして街宣よりも家に引き篭もってネットで主張
するのが多い。
彼らは自分の意見こそが絶対正しいと信じ込んでおり、少しでもそれを否定するものは、サヨクだ在日だと
相手を中傷する。従って彼らの糾弾するサヨクというものには色々な存在が含まれていて一定したものがない。
旧ソ連や中国のような共産主義原理主義者から西欧型社会民主主義者、虫一匹殺すのも嫌がる人権主義者から
昭和天皇の処刑を主張するものまで彼らからすると全てサヨクで片付けられる。（政党で言うと、共産党、社民党
は言うに及ばす、民主党の大半、自民党のハト派と呼ばれる議員まで幅広い。）
先の大戦を正義の戦いだったと言い張り、東京裁判は間違いだった、自虐史観はやめろ外国に
これ以上頭を下げるななどと居丈高な態度をとるものも多い。
そのくせ、アメリカには協力的で低姿勢なのも特徴だ。
私自身は絶対にそうは思わないが、百歩譲って彼らが、先の戦争が日本にとって自存自衛の正義の戦いで東京裁判
は間違いだ、と言うなら勝手にそう解釈すればよい。
しかし、そうなるとサンフランシスコ平和条約や日米安保条約締結の原点に遡り、もう一度再考
が必要になってくることを忘れてはならない。日本の戦争責任はあるが、一部軍部や政治家の責任であり一般
の国民には罪はないという前提の下に現在の体制があるからだ。彼らに責任がなく正義の戦いであったというなら
講和や安保など断じて認めてはならないのではないか。今から上記条約を破棄することを主張しないのか？
また、自衛の正義の戦いで相手のアメリカから原爆を投下されたのなら、何故謝罪と補償を求めないのか？
東京裁判否定論者でこのような主張をする者を聞いた試しがない。
一部のウヨクには日米安保条約に反対し自主独立型国家体制を主張する者も中にはいるが（私は、同じウヨクでも
このタイプにはまだ理解の余地があると思っている）、現代の大半のウヨクは安保賛成、集団的自衛権行使を主張
する親米型となっている。
（安倍普三、産経新聞などが典型的な親米型ウヨクである。）
このように親米型ウヨクの論理は全く破綻しており支離滅裂であるが、このような主張をする者が多いのは
何故か？
彼らの多くが格差社会による落ちこぼれ、ニートなどが多いと言われている。確かに中国や韓国
などから安い労働力が流入してきており、それによりはじき飛ばされて職を失った者が多いのも事実だ。
そこへ当の中国や韓国などから首相の靖国神社参拝に抗議されたのが重なり、在日労働者に怒りをぶつけるの
だろう。
彼らが外国人参政権などに反対しているのもそれを裏付ける。
論理とかイデオロギーではなく、感情のみを爆発させているだけなのである。かと言ってアメリカのような
強い国に対しては怖くて何も言えず、弱そうなものだけにいばりちらす腰抜け野郎なのだ。
こんなバカ共には革命を起こすだけの行動力すら持ちあわせていないだろう。相手にするのもバカバカしくもなる。
が、だからと言って甘く見ることは禁物である。
かつてのナチスドイツでも、失業者続出の状態で国内のユダヤ人から仕事を取り上げて迫害することで、
あのような恐ろしい戦争や虐殺へ至ってしまったのだ。現代の日本はナチス台頭時のドイツと政治状況が酷似
している。
事実、冒頭でも書いたようにバカウヨによるテロも頻繁に起こり始めている。小泉や安倍にそれを防ごうとする 熱意は全く感じられなかったが（所詮は同じ穴のムジナだからか？）、野党にも熱意のある人物がいるのかというと 疑問である。 言論を暴力で封じるのは許せない、などと通り一辺倒のことばで終わってしまって具体策は何も示さない。 あのような卑劣なテロに走ったバカウヨ凶悪犯は厳しく罰するだけでなく、背後の組織も厳しく検証し、 破防法の適用もためらってはいけない。共産党や社民党、その他野党もそのくらいのことを口にしなければ いつまでも支持が低迷するだけであろう。バカウヨ共には毅然とした態度を示さないとどんどん戦前に逆戻りだ。