しげぼうの言いたい放題

 


・マンション業界をいじめると景気がおかしくなる?上等じゃないか!(2005年12月03日)

姉歯建築事務所の耐震強度偽装問題で、震度5にも耐えられないマンションやホテルが全国あちこちで次々と みつかっている。日を追うごとにその数は増加の一途、まさに日本中がパニック状態だ。
建築主のヒューザーと設計者の姉歯のように、安全は二の次、少しでもコストを安くあげて儲けようと考える悪党は 許し難い。真相の究明を1日も早く行い、責任者には厳しい罰と賠償をさせるのが筋だ。

ところが、驚くことに政府自民党にはそうしたことはよくない、とあからさまに言う人間がいるのだ。 幹事長の武部である。北海道の地元でこんなことを口走ったそうだ。
「悪者さがしに終始するとマンション業界がつぶれますよ。ばたばたと。不動産業界も参ってきますよ。 景気がこれでおかしくなるほどの大きな問題です」
私からはもう何も言うことはない。只々愚かな発言としか言いようがない。
上等じゃないか。私は、こんな悪者どもをのさばらせても、景気を良くしたいなどとは決して思わない。 マンションや不動産業界がつぶれる?そりゃ結構なことじゃないか。

大体、日本のマンション業界は、都市部を中心にムチャクチャな数のマンションを造り上げてきた。 田畑をつぶし、森林を切り倒して、自然を破壊して、周辺民家の一戸建ての日照を遮り、我が物顔で やりたい放題状態だった。行政側も、学校や幼稚園などの教育機関やスーパー、道路や鉄道などのインフラ整備 などとバランスも考えずに無計画な都市計画を進めてきた。 (私の住んでいる埼玉県朝霞市もその1例である。幼稚園不足や慢性的な通勤ラッシュに今も悩まされている。) しかも、その質がそれなりに優れたものであるならともかく、上記のような手抜き工事だらけでは、 今迄のマンション業界はいったい何だったのだと言わざる得ない。
こうしたマンション業界を、今迄消費者側も甘やかし過ぎてきた。たかがマンションに、30年ローンなどを 組んで、我先にとばかりに購入に精を出した。他人がやっているからという集団心理みたいなものであろう。 これからは、冷静に厳しい目で品質だけでなく、自分達に本当に必要性があるのかを見極めたうえで購入するように しないと駄目である。
別に、マンションが売れなくなったからといって、日本中が不景気で貧しくなるなんてことは決してない。 ヒートアイランドや自然環境破壊に歯止めがかかり、住環境が向上するなどのプラスの効果の方がずっと 大きい。そもそも、無理してマンションなど買わなくても、1つの長屋に親子3代でサザエさん一家のように住めば 全く不便というわけでもない。

現在の自民党は構造改革を進めている。 構造改革とは本来、消費者側の視点に立って、消費者に取って不利益な業界を衰退させ、利益のある業界を 発展させていくという市場原理に基づいたものであるはずだ。特定の業界の利益を行政が守ってやる、とか 消費者は供給者に文句を言うな、という考え方とは相反する考え方だ。 武部のような人物が自民党ででかいつらしているのを見る限り、本当にこの党に改革を任せて大丈夫なのか、 と疑問を感じる。


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