ブッシュ(=偽キリスト)が再選した。世界の圧倒的多数の人間が不支持なのに、アメリカでも多くの 反戦運動が起きたというのに、あってはならないことが起こってしまった。
事実、2期目ブッシュは、政権の中でもっともまともだったパウエル国務長官を退任させ、ネオコンタカ派ばかりで 固めた。1期目よりも更にパワーアップされた悪政が行われるであろう。イラク戦争への傾斜も強まるばかりで、 こうなると、はっきりいってもう手遅れかという気もする。
このような獣の国に対して世界はどう向き合えばよいのだろうか?
世界の圧倒的多数の善良な市民の意見をどう生かしていけばよいのか。
ということで、今回は国連改革をテーマに取り上げた。
国際連合は第2次世界大戦戦勝国が中心となり戦後創設され、世界平和の実現を目指したものだ。
その中で、戦勝国のアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国は安全保障常任理事国として、圧倒的な力を
永続的に持ち続けることが認められている。このような制度が認められてきた背景には、第2次世界大戦の
戦勝国は絶対的な善であり、第2次世界大戦を起こし敗れた枢軸国(日本、ドイツ、イタリア)は絶対的な
悪との考えが根底にあったからだ。
確かにナチスのユダヤ人大虐殺、日本の南京大虐殺などこれら枢軸国の行ってきたことは許し
難く、政治体制も民主主義とは程遠い独裁政権だった。これらに比べて連合国は民主主義と共産主義が入り混じって
いたとは言え、枢軸国よりはずっとマシで世界の手本となるべき存在だった。
特に、アメリカは
フランクリン・ルーズベルト大統領のもと、ニューディール政策で大不況を克服し(それまでの
自由放任型経済を修正し弱者保護を目指したことが特色)、真珠湾攻撃まではずっと反戦を貫いてきた。
国内政策も素晴らしかったが、第2次世界大戦を防衛戦争として戦いながら勝利しアメリカを世界一の大国に導いた。
異論はあるかも知れないが、私はルーズベルトを歴史的にも世界的にももっとも偉大な指導者だと見ている。
ルーズベルトを手本にしたために、戦後の日本は曲がりなりにも戦争をしない経済大国になり得たのも事実
である。
だが、あれから60年近くが立ち、国際情勢も変わった。ドイツはナチスを完全に葬り去り、日本もアメリカ追随
フラフラ外交だが平和憲法は何とか守ってきている。
それに比べて、アメリカは力に驕り世界の警察としてあらゆる戦争に何らかの加担をしてきた。
国連の常任理事国でありながら国連の存在すら無視して勝手に戦争を起こしたりもした。
そして、イラク戦争では何の大義もなく攻撃し、捕虜虐待まで行った。
ルーズベルト時代のリベラルなアメリカはそこにはなく手本どころか世界中から嫌われる国に成り下がった。
このような国がまだ、国連の安保常任理事国として権威を持っているということ自体が異常なのだ。
現在、日本やドイツが安保常任理事国に加わるかどうかが議論されているが、問題はそういうことではない。
アメリカのような安保常任理事国としての品位を汚す国を常任理事国からはずすことも検討すべきなのだ。
いや、常任理事国という存在自体をなくしてもよい。
安保常任理事国には拒否権の発動なども行う。このような絶対的権限のある国をどこの国もチェックすることが
できない体制になっていた。それを改めずして国連は改革されない。
例えば、「安保常任理事国でも国連加盟国全体の3分の2が不適切と判断すれば常任理事権を剥奪される」という
ようなチェック機能を盛り込むべきだ。
無論、アメリカなどは、既得権を主張してそのような条件は易々とは飲まないであろう。
そのときは、はっきりいえば、世界中の心ある国が集団で国連を脱退することだ。そして、新たな国連を作り
より民主的な組織とする。敢えて具体的に国名を挙げるならば、フランスやドイツなどが先頭に立つ
ことが望ましい。
ま、これは仮の話だが、アメリカなどが柔軟に考えるというなら無論現在の国連で充分だ。
今回の大統領選挙の結果は、世界中の人々に失望を与えたが、それはアメリカの時代の終わりが近いことを示して いることも間違いない。世界中の心ある国と人々は希望を失わずに団結しようではないか。