しげぼうの言いたい放題

 


・武装ゲリラが話のわかる連中だったから良かったものの・・・(2004年04月16日)

イラクで3人の日本人が武装ゲリラに人質に捕らえられた。自衛隊をイラクから撤退させないと、人質を 殺すと彼らは通告してきた。
イスラム聖職者協会などの説得もあり、武装ゲリラは、捕らえた3人が全てイラク人の為に力を尽くしてきた ことがわかった、ということで3人を解放した。

日本政府の対応は、ただ、情報を現地のマスコミやアメリカから集めようとしているだけで、右往左往して 情報に振り回されているだけで非常に情けなかった。人質解放に動いたのはイスラム聖職者、その他NGOなどであり 日本政府は何もしていなかった。それ以上に、何が腹が立ったかって、人質の救出に全力を注ぐなどと 言っていながら、一方では自衛隊は絶対に撤退させないと頑として譲らなかったことだ。 だいたい、人質の救出に全力を注ぐつもりがあったなら、即座に自衛隊をイラクから撤退させていたはずである。 仮に自衛隊を絶対に撤退させないというつもりなら、「自衛隊の活動を最優先します。3人を助けるよりもそれが 国家としての利益になるからです。国家として3人を助けるつもりはありません。」と何故言わなかったのか。 出来るはずもないのに両方やります、努力しますなどと言って国民の反発を少しでも和らげようとする魂胆があまりにも 見え見えだった。

今回の事件は、1977年のダッカ事件と類似している。あのときは、赤軍派が航空機を乗っ取り 人質を取って、収監されている仲間の釈放を求めていた。 あのときは、当時の福田首相が「人命は地球より重い」と名言(迷言?)を残して犯人の要求に応じた。 その結果、世界から、日本はテロの輸出国かと非難された。

今回は、そのときの反省があってかあくまで強行に押し通した。
しかし、当時と今回では決定的に違う。ダッカ事件当時は、相手がテロリストを釈放することを 求めていたのだ。そのことによって、新たなテロがどこかで発生する危険性があった。 今回は、自衛隊がイラクから撤退すれば済むことだったのである。 人質解放後のリスクは天と地ほどの差がある。
そもそも、こんな問題が起こる以前に、戦闘地イラクへの自衛隊派遣行為そのものが、憲法違反 だったのである。 にも関わらず、ダッカ事件では、相手に従い、今回は頑なに拒否するというあたりのセンスが日本の 外交の下手さを象徴している。私に言わせれば、これらの対応は全くあべこべだ。 ただ、相手に舐められたくない、アメリカとの信頼関係を重視したい、という理由のみで3人の 命が弄ばれた。

国際貢献は確かに大切なことである。NGOやボランティアの人でもかなり積極的に動いている方々が 日本にも数多くいる。捕らえられた3人もイラクの人々の人道的な支援を行ってきた方々である。 彼らの動きを阻害するするような自衛隊であれば、無用である。さっさと引揚げるべきだ。 イラクの復興は民間人に任せるほうがよい。

日本政府がアメリカの顔を伺いつつ、自衛隊などを出したために今回は、とんでもない大問題となって しまった。 今回の事件の最大の元凶は小泉内閣である。人質が殺されようと解放されようと、このような 事態を招いたこと自体が問題であり、その責任は免れない。 人質が助かったのは、現地のイスラム聖職者やNGO、家族の涙ながらの訴えに武装ゲリラが少しは話の わかる連中だったという幸運によるものだったことを認識すべきだ。

それにしても、被害にあった3人の家族を誹謗中傷する声があまりの多さに驚いた。何とか助けてやってください、 と懇願する家族に、「自業自得だ」「死ね」「お前らが危険な地域に勝手に出向いて捕まって自衛隊を引き 揚げてくれとは何事だ」という中傷する電話が1日50件以上が来たという。 こういうバカなことをする奴らは逮捕して市中引き回しの刑にしてやりたいものだ。


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