しげぼうの言いたい放題

 


・追悼。いかりや長介氏(2004年03月29日)

ザ・ドリフターズのリーダー、いかりや長介氏が亡くなった。 「8時だヨ!全員集合」を見て育った私にとっては、ぽっかりと穴の空いたような寂しい思いである。

今から思えば、「8時だヨ!全員集合」はとてつもなく凄い存在だった。欽ちゃんやたけしも同じ時間帯の お笑い番組で、視聴率でしのぎを削っていたが、やはりあの番組の持つカリスマ性にはかなわなかった。 子供から大人まで、誰もが熱中した。私も子供の頃は土曜日の夜はいつも見ていたし、これを見なければ 一週間が終わった気がしなかった。
何といっても凄かったのは、あれだけのコントを十数年間全て生放送で公開番組としてやり通した ことである。セリフを間違って撮り直すということもないし、生の自分達を客に見ていただくという 姿勢は、自分達をお笑いのプロという自覚がないと出来ないことだ。途中舞台照明が切れて停電したことも あったし、メンバーが2人謹慎して3人だけでコントを行ったこともあった。しかし、その困難も乗り越えて 毎週番組を続けてきた。スタッフの力も大きかったが、これは凄いことだ。
 一部教育関係者からは、下劣で子供の教育に悪影響を及ぼすなどとして、子供に見せたくない番組の上位に 挙げられていたこともあった。しかし、笑うということは、人間の心に安らぎを与える貴重な行為である。 このような笑いというものを排除しては、心身にアンバランスをもたらすだけだ。彼らを批判する人は、 子供は、ただ真面目に勉強する優等生が正しいという価値観しか持っていないようである。

現在は、お笑い番組も昔に比べて減ってきた。お笑い番組で体を張って視聴者にアピールする番組は全く 消えてしまった。 現代の子供達も成人式などを見てもわかる通り、ドリフを見てきた世代よりも遥かにバカであるし、 感情の抑制が効かない者も増えている。無論すべてバカばかりというわけではないが、先に述べた 石頭教育関係者の言っていたドリフ性悪説は根拠が全くないことがおわかりいただけると思う。 子供が問題を起こすとしたら、子供自身が悪いのであり、何でもテレビだの社会のせいにしてそれらを排除 したがる人間というのは、個人の尊厳というものを軽視しており、全体主義思想と言えるだろう。

とにかく、ドリフターズのリーダーとして一つの時代を築き、加藤茶、志村けんなどを育てたいかりや氏の 功績は多大なものである。謹んでお悔やみ申し上げたい。 また、残ったドリフのメンバーも暗い世相の日本を明るく盛り上げるためもう一花さかせていただきたいと 思うが無理だろうか?


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