しげぼうの言いたい放題

 


・よくやった。小泉首相の北朝鮮訪問(2002年09月21日)

日本中が固唾を飲んで見守った小泉首相の9月17日の北朝鮮訪問。 日朝国交正常化交渉再開で決着した。 日本の近隣諸国で唯一国交がないのが北朝鮮である。北朝鮮との国交が 結ばれれば、日本にとって国の安全保障を脅かす国は完全になくなる。 その意味で今回の首脳会談は大きな意義があったと言える。

今回の日本側から北朝鮮に求めた大きなテーマは日本人の拉致問題である。 行方不明者の安否がはっきりしたのは収穫だった。 しかし、行方不明者13人のうち8人が死亡したことが判明したことが 大きな波紋を呼んでいる。国交正常化交渉は時期尚早だ、小泉は何故OK を出したのだと怒りの声も聞かれる。自民党やマスコミの一部である。

何を言ってやがる、大馬鹿野郎である。確かに死亡された方々の家族の 方は御気の毒であり、何と慰めてあげたらよいか言葉もでない。 しかし、日本だって過去に植民地支配でより多くの朝鮮人をあやめてきたのだ。 1995年に村山談話の中で近隣諸国に謝罪はしているものの、北朝鮮に対する正式な謝罪 は今回が初めてなのだ。(ちなみに拉致事件が起こったのはそれよりも10年以上も前で ある。) 他人のことを言えた義理ではないのだ。 そうした馬鹿共は、日本が過去に行なったことを忘れ、只一方的に相手を非難する 感情論でモノを言っているようだ。 本来なら、日本は、あやめた人に対して一人一人補償金を支払うのが筋だ。 無論今の財政難の日本にそんな金は出す事は出来ない。 そうした日本に対して経済協力してもらうという補償で済んだのはオンの字だ。 逆に拉致問題がなければ、日本は経済的に尻の穴の毛まで毟り取られるような状況 になってもおかしくなかった。

大体今回決まったのは、日朝国交正常化交渉を再開するということであり、 日朝国交正常化を決定した訳ではない。死亡した方の詳細情報や、北朝鮮の 首脳がどれだけ関わったかは、交渉の中で詰問していけばよいのだ。 それを、話し合いの場を設けることすら否定するような政治家やマスコミは 見識を疑わざる得ない悪いのは、韓国やアメリカとの同盟を重視した反共政策に重きをおいてきた 小泉内閣より前の戦後の歴代の内閣である。 北朝鮮をいたずらに敵視してきた過去の外交のやり方が悲劇を生んだと言ってよい であろう。

もし、今回の北朝鮮訪問がなかったら、4人の生存者も日本に帰れずじまいだった ことは言うまでもない。また、日本が認めた以外の拉致事件も、北朝鮮側が進んで 伝えてきたのも大きなポイントだ。このような変化をもたらしたのも、小泉首相の 政治的決断によるところが大きかった。 本当によくやったと思う。行方不明者が多数死亡していたからと言って、小泉首相に 八つ当たりをするのは筋違いである。 大切なのは、過去のことを互いに非難することより、今後拉致事件や軍事的な摩擦が 絶対に生じないようにする環境を構築していくことなのである。


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