しげぼうの言いたい放題

 


・自衛隊の後方支援は憲法違反だ!(2001年09月26日)

9月11日のニューヨークの高層ビルにハイジャック機が突っ込んだ事件は世界を震撼させた。 勿論最も悪いのは、テロを起こした(指導した)人物であることは間違いない。 極めて卑劣で許し難い。アメリカがテロを無くすために報復を行なうというのは気持ちとして 理解できる。但し、真犯人を確実に突き止めた上で、必要以外の血を流さないような努力を 求めたい。

さて、これに対する日本の対応だが、アメリカがアフガニスタンなどと戦うために自衛隊を 後方支援として派遣するとのことだ。どう考えてもこれは、憲法9条違反になる。 まず第一に、後方支援と言っても武器を持って戦わなければならない状況が必ず訪れるという ことだ。それが、単なる物資や食料を運ぶだけだとしても、前線で戦いがある以上、敵は アメリカの輸送路を断つ狙いで攻撃をしてくる可能性は大きい。そうなれば、自衛隊に武器を 使わせずバンザイで敵の攻撃をモロに受けろというわけにはいかず、それなりの武器を使用して 迎え撃たなければならなくなる。後方支援=戦争行為と言って間違いない。まして、 それが武器の輸送ということなら確信犯的な戦争参加である。 第二に、今回の戦争の目的がはっきりしない。何とかラディンとやらが本当にテロを 指導した人物なのかという点で、アメリカは本当に証拠を掴んでいるのか。仮にそいつがクロ だとして、本当にアフガニスタンにいるのか、他国へ脱出した可能性すらある。ひょっとしたら、 今回の事件を口実に、アラブ過激派のいる中東諸国の総攻撃でも考えているのではないかとさえ 思える。そんな戦争に日本が参加するとしたら言語道断である。

日本が本当に他国から攻撃を受けるような事態になれば、自衛隊を使うことはやむを得ない。 例えば新宿の超高層ビルに怪しげな飛行機が近づいてきたら、自衛隊は早期に撃ち落として 当然だ。その意味での法整備は必要である。 しかし、どんな形であれ他国の戦争に自衛隊が首を突っ込むことは、現憲法では許されない。 憲法との整合性を考えずに、場渡り的な対応は許されない。 日本がすべきことは、アメリカで今回の事件に巻き込まれた人に対する人道的な支援(物資の 援助や心のケアー等)である。日本に対しては、アメリカ軍基地が狙われたときに基地の 近くの住民が巻き添えにならないために監視を強化することが大切である(沖縄、厚木 等)。また、一部マスコミの報道で、既にアラブゲリラが日本に潜伏している可能性を 報じている。事実であれば、ますます自衛隊海外派兵などとんでもない話だ。まずは、警察 も自衛隊も連携して国内のゲリラ情報を収集し、みつけしだい逮捕することや、原発、 その他人の集まる場所の警備強化するのが先決だ。 外ばかりに目を向けて国内をおろそかにするなど愚の骨頂である。外で自衛隊が他人様の 戦争の片棒を担いでいる間に国内のゲリラが暴れたら誰が責任をとるのだ。 外ばかりに目を向けている点では、アメリカだって同じだ。そもそもそのようなテロリストが アメリカ国内にいたこと自体、本当に知らなかったのか。飛行機の中の警備でも、 ハイジャック犯が行動を起こしたら直ちに射殺するくらいのことを何故出来なかったのか?

日本政府が自衛隊海外派兵へこれほどこだわるのは、10年前の湾岸戦争で「日本は金だけ 出して、血を流さない。」などと言われて、今回は嫌われたくないということらしい。 そういうことだから、ますますバカにされてしまうのだ。 そもそも、10年前に金を出してあげたことでさえ、もっと感謝してもらいたいものだ。 私達国民が納めた大切な税金なのだ。ツベコベ文句を言われる筋合いではないのだ。 そんな態度なら今回はお金も出さないし何もしませんよ、ぐらいのことを言ってもおかしくない。 もしアメリカが無用な戦争を起こして、アメリカ軍基地がある日本にミサイルが飛んでくるよう なら、こんな迷惑な話はない。そのような疫病神的存在のアメリカ軍基地の返還こそが 日本政府の最重要課題ではないか。実際それが実現しないまでも日本政府はアメリカが暴走 しないように、安保破棄や基地返還などを視野に入れてアメリカ政府を揺さぶるくらいのことを やるべきである。 この際日本は永世中立国になるのも悪くない。いや大歓迎だ。

それにしても、今回のようなアラブゲリラの自爆テロの原点は、日本の神風特攻隊 であるらしい。だとしたら、日本もとんだ罪作りなことを発明したものだ。


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