前回私は、日本の政治の危機を訴え、野党や自民党の非主流派の動きの鈍さを批判した。
これを読んで流石にこのままではまずいと思ったらしく(それは関係ないだろうって?)
遂に自民党非主流派の加藤氏が動き始めた。
ともかく、現在の史上最低の内閣に対して退陣を求めていくことを明言したことは大きな
意義がある。
まず、野党側から提出されるであろう内閣不信任案がどうなるかである。これに対して、
加藤氏は賛成することを明らかにした。主流派側は、不信任案に同調した者を自民党から
除名するなどの手段に訴えるようだ。
勿論、主流派側がこういう手段に出てくることは折り込み済だろうし、そこで弱気になっ
ては全てが水の泡である。
問題は、加藤氏についていく人数がどれくらいかである。加藤派の他、山崎派や、無所属
議員の集まりの21世紀クラブなども賛成する意向のようだが、これらの人の中にも不信
任案に反対しようという者もある。もっとも主流派の中にもこのままではまずい、と考え
ている人も多く、賛成する人が出る可能性も高く、可決されるかどうかは蓋を開けてみな
いとわからない。
しかし、本当に加藤氏が今迄とは違う政治の流れを作るつもりがあるなら、例え否決され
るとしてもやるべきである。主流派にペコペコして、例え政権を取ったところで彼の望む
政治を実現出来るハズがない。第一、今迄だって非主流派ということで党内で冷飯を食っ
てきた。選挙の公認問題や、比例代表区の名簿順位などでも大いに割りを食ってきたし、
このまま大人しくしていても、選挙の度に議席を減らすだけである。
加藤氏は、不信任案には賛成だが、自民党は出ないなどと言っているが、そこの所が少し
理解し難い。自分達が保守本流の名門派閥だからという意識があるのだろうが、いつまで
も、そんなことにこだわってどうするのか。第一、除名だと幹事長に言われたらそれまで
だろう。自民党ときっぱり縁を切って新党を結成した方が国民にとってはわかり易いし、
選挙で大幅に議席を増やすことだって夢ではないのである。自民党に仮に残れたとしても
先程も申し上げた通り、選挙の主導権を必ず主流派に握られる。昔の中選挙区なら個人の
実力で何とかなるが、今の小選挙区比例代表制では非主流派はまず勝てない。
やるなら、徹底してやり、自分について来ないものは切り捨てて構わない。少数精鋭で戦
う方が良い結果が出ると思うが。
主流派は加藤氏に対して、熱い鉄板の上で猫踊りさせてやるなどと言っているが、私達が
食したいのは主流派の作る「猫の鉄板焼き」ではなく、非主流派の作る「サメのフカヒレ
スープ」なのである。