しげぼうの言いたい放題

 


・少年法の改正は当然だ(2000年10月05日)

少年法が改正されることが今国会でどうやら決まりそうである。刑事罰適用下限年齢の引下

げ(16歳から14歳)、その他、被害者の裁判記録の閲覧の権利、検察官の関与なども盛り込

まれるようだ。やっとというか、この内容だけでは決して充分ではないが、日本の治安対策

が一歩前進することは間違いない。

そもそも、この法律は、戦後間も無い昭和20年代初頭に成立したもので、今日のような少年

の凶悪犯罪を想定していない。せいぜい子供が食べ物に困って、他人から何かを盗むくらい

の犯罪に対して行き過ぎた刑罰を与えないように歯止めをかける狙いだっただろう。

その当時と比べ現在は、物質的に豊かになっており、誰もが学校教育を受ける。子供の体格

も当時とは違って格段に良くなっており、中学生くらいになると大人と殆ど大差がない。

そういった少年を子供扱いして刑罰を免除したり、殺人を犯して逃亡している少年の顔写真

すら公表出来ないなどの問題点がある。(先程この改正案では不充分だといったのはここで

ある。殺人逃亡少年の顔写真は公表させるべきなのに今回の改正で触れられていない)

誰かが犠牲になる可能性があっても、犯罪少年の人権を守る方が大切という考え方であり、

基本的に少年には刑罰よりも保護更正させること目的としている。確かに子供というのは、

色々なことに挑戦して失敗しながら学ぶものである。窃盗など軽犯罪の場合はまだ許される

が、殺人という行為までも、経験してからそれがどういうものかを学ぶというのでは取り返

しがつかない。現に「人を殺す経験がしたかった」というバカな少年もいたが、人を傷つけ

るな、他人に迷惑をかけるな、といったことは幼稚園、小学校を通じて一貫して教育されて

いるはずである。いくら日本の教育制度が歪んでいるとは言え、人を殺すことが良いことだ

と教える教員はいない。このように物質的に裕福で誰でも教育を受けられる世の中において

凶悪犯罪を犯した少年を改めて保護更正させていくこと自体が本来不必要なことである。

まして、殺人などを起こすような人間は例え中学生といえども許してはならない。

もう一つ、少年法改正に反対する人は、よく多数決の考え方を用いる傾向があるようだ。

例えば、少年に対して厳罰化を行なわなくても教育によって、8割の少年が立派に更正して

いるから安易に厳罰化を行なうな、という理屈である。一見ごもっともな意見のように思え

る。でも考えてみて下さい。100本の牛乳を製造して、20本の牛乳に食中毒の細菌が発見さ

れた場合、8割も正常な牛乳を製造しているので問題無いと言い張っているのと同じである。

では、正常な牛乳が90本ならどうか?95本ならどうか?言うまでもない。

国会で法律を決めるのは多数決の原理が通用しても、このような問題で多数決の考えが通用

しないのはわかるであろう。

ここまで考えてみると、今の少年法は、いわば江戸時代の「生類哀れみの令」と同じ性質の

ものであることがわかる。一般の人の生命よりも、狂犬のような凶悪少年に哀れみの情を示

すことを要求するこの法律は、まさに「少年哀れみの令」と言っても良さそうだ。

改正法案は、来年4月から施行する予定のようだが、少年の駆け込み犯罪が起きないように、

家庭、学校、警察等は、これから特に注意してかからないといけない。


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