森政権が誕生して以来、1か月ちょっと過ぎたが、少年法の改正などようやく国内治安の
改善に取り組んだことを私は評価していた矢先のことだった。なんと、森総理が「日本は
天皇中心の神の国」だと発言したのだ。まるで戦前の日本の軍国主義者の発想と何ら変わ
りない。その問題に関しては新聞、ニュース等でさんざん取り上げられているのであまり
多くは書かない。森総理は、その他にも教育勅語を復活させるような発言を行っている。
前回、私は少年の犯罪問題に関して、悪い事をした人間をきちんと裁かずに社会基盤だけ
を右傾化させることはもっとも良くないと意見を書いたが、そういう人間が本当に現れて
しまった。少年法を改正したいとは言ってはいるものの、総理の本音は、最近の少年犯罪
を口実として、戦前の日本の社会へ戻そうと考えているのだ。
少年法の改正を私が訴えてきたのは、いじめや暴力などの被害に会う子供をなくそうと
いう弱者を助けようという考えからである。また、被害者や被害者の家族裁判への意見陳述
など様々な権利を保障させる意味でもある。これに対して、総理の言う教育勅語などで
戦前の教育方針を導入することで果たして子供たちは良くなるだろうか?戦前の子供たち
は、本当にいじめなど行わなかったのか?とんでもない。外国人に対しては蔑視していじ
めたり、部落差別もあったりと子供だけではなく社会全体が狂っていた。軍人に向かない
ような大人しい子供は、先生から「たるんでおる!」と殴られるような時代だった。
現在の教育体制が必ずしも全て正しいとは思わないが、当時の教育体制よりはずっとまし
であることは間違いない。弱い子供が、生徒に殴られるか、先生に殴られるかの違いだけ
である。現在の教育体制に、少年法を改正すれば、生徒に殴られる子供が減るのである。
それなのに、自民党以外で少年法をまともに改正しようという政党がまるでない。自民党
の場合も教育勅語のおまけつきでは何も良くならない。本当に社会的な弱者に対する救済
を考えている政治家は現在いないのではないか。
事実、テレビ朝日の世論調査では、犯罪少年に対する厳罰強化を望む人が90%以上に達し
ているようだ。もうすぐ選挙が行われるが、政府自民党も、犯罪対策だけを前面に出して
いれば、大勝利は間違いないだろう。それを余計な総理の失言で、台無しになろうとして
いる。総理も罪なことをしたものだ。