吐血の友はいまいずこ。乞う連絡!
ゴールデンウイーク中、友人と飲んだというShimbo氏。友人は風邪でずっと寝込んでいたということで、「今までの分を取り返すために、おもいっきり飲んで弾けたい」という趣旨だ。すぐに友人の無念さと自分への怒り、失望感に共感したShimbo氏。二つ返事で「超了解!」と返事を返したのだという。
ということで、いつもの場所で待っていると、現れたのは、杖を突きながらヨロヨロと歩いてくる友人。食べるものも食べていないのだろう。すっかりと痩せこけてしまい、いつものマルマルと太った血色のいい顔つきとは別人のようだ。友人がShimbo氏に気が付いて手を振った瞬間、急に咳き込む友人。そうして、口を押さえる手の間からは赤い鮮血が滴り落ちている。「どうした」と駆け寄るShimbo氏。「まだ、完全な体調じゃなくてな、時々吐血してしまうんだよ」と友人。「それでも、このゴールデンウイークを何とか、この胸に刻み付けておきたいんだ」と寂しく笑った。「こみ上げてくる涙を抑えることができなかったよ」とShimbo氏。それでも、友人のそのゴールデンウイークにかける意気込みを感じて努めて明るく振舞ったという。
お店に入るとまずはビールで祝杯。「ゴールデンウイークは楽しいな」と場を盛り上げようとするShimbo氏。「そうだよな」とつとめて元気そうな声を出す友人だが、時々おかしな咳をしながら血を吐いている。ビールにもその血が混ざって赤くなるのだが「レッドアイ(=ビールをトマトジュースで割ったカクテル)みたいだよな。うまいよ。」と、久しぶりのお酒にご満悦の様子だ。その割には顔色はどんどんと土気色になって行く。その様子を青ざめた顔で見ているまわりの人たち。
やがて友人に酒が回ってきたのだろうか、目を開けたり閉じたりを始めたのだという。「Shimbo氏、俺眠くなってきたみたいだ。もうほととんで目が見えないよ」と友人。「大丈夫か?」とShimbo氏。「体も泥のように重い、もうどこでもいいから眠らせてくれ」とその後は意味不明の言葉を話しはじめた友人。「もっと光を」とか「板垣死すとも自由は死せず」とか「話せばわかる」などなど、どこかで聞いたセリフもたまに聞こえてくる。
そうして、やがて動かなくなったという友人。これはいけないとShimbo氏、友人の杖を手にすると、友人を背負って駅までたどり着き、「さあ、早く家に帰ってゆっくり休むんだ」と無理やり目を覚まさせて、電車に載らせたのだという。別れ際、友人は嬉しそうに笑って挨拶をしたのだという。「Shimbo氏、ありがとう。今日はとても楽しかったよ。もう思い残すことは・・・・・・」
その後、Shimbo氏はその友人とは会ってはいない。ハーブたちも風の便りにも聞かないとShimbo氏につげるばかりだった。
今週のおまけ
風と共に去りぬさ、Shimbo氏!